教育職員免許法とは|免許状の種類・失効・授与要件を教採で問われる形で整理
教育職員免許法とは|免許状の種類・失効・授与要件を教採で問われる形で整理
教採の受験生は全員、何らかの教員免許状を取得中か取得済みのはず。 だからこそ「知ってるつもり」になって、法律の細かい部分を見落としやすい。
「免許状の種類は3つ」「相当免許状がなければ教員にはなれない」という大枠は知っていても、「特別免許状とは何か」「免許状が失効するのはどんな場合か」という問いには答えられないケースが多い。
教育職員免許法とは
1949年(昭和24年)に制定。 教育職員の免許に関する基準を定め、教育職員の資質の保持と向上を図ることを目的とした法律(第1条)。
「教育職員」とは、学校で教育にあたる職員——具体的には教諭・養護教諭・栄養教諭・講師などを指す。
相当免許状の原則(第3条)
「教育職員は、この法律により授与する各相当の免許状を有する者でなければならない。」
「相当免許状」とは、担当する学校の種別・教科に対応した免許状のこと。 小学校の教諭であれば小学校教諭の免許状、中学校の数学教諭であれば中学校数学の免許状が必要になる。
免許状の3つの種類(第4条)
| 種類 | 概要 |
|---|---|
| 普通免許状 | 大学等で所定の単位を取得して授与される。有効期限は全国。 |
| 特別免許状 | 高度な専門知識・技能を持つ社会人等に都道府県教委が授与。都道府県内のみ有効。 |
| 臨時免許状 | 普通免許状所持者が見つからない場合に、都道府県教委が例外的に授与。有効期間3年、都道府県内のみ。 |
普通免許状の区分(第4条第2項)
普通免許状は、さらに3種類に区分される。
- 専修免許状:大学院修士課程修了レベル
- 一種免許状:大学卒業レベル
- 二種免許状:短期大学卒業レベル(高等学校教諭には設けられていない)
「高等学校教諭には二種免許状がない」という点は選択肢問題で狙われやすい。
教員免許更新制の廃止(2022年)
2022年(令和4年)7月に教員免許更新制が廃止された。 それまでは10年ごとの更新が必要だったが、廃止により現在は更新不要となっている。
教採の選択肢に「更新制のもと10年ごとに講習が必要」という古い情報が出てくることがあるので注意が必要。
免許状の失効・取り上げ(第10条・第11条)
失効(第10条)
免許状は以下の場合に当然失効する(行政機関の判断を待たず、法律上自動的に効力を失う)。
- 禁錮以上の刑に処せられた場合
- 教育職員としての懲戒免職処分を受けた場合
- 日本国民でなくなった場合
取り上げ(第11条)
免許状の失効事由に準じる行為があった場合、都道府県教育委員会は免許状を取り上げることができる。 取り上げられた場合、3年間は再授与されない。
失効は「自動的」、取り上げは「教育委員会の判断」という違いを押さえておく。
教採での出題ポイント3つ
1. 免許状の3種類と「特別免許状」の要件
普通・特別・臨時の3種類の区別が最頻出。 特に「特別免許状は都道府県内のみ有効」「専門知識を持つ社会人に授与」という点が問われる。
2. 高校教諭に「二種免許状」はない
普通免許状の区分(専修・一種・二種)の中で、二種免許状が高等学校教諭には設けられていないことが選択肢問題の定番。
3. 失効と取り上げの違い
「懲戒免職処分を受けると免許状が失効する」(自動的・第10条)か、「教育委員会が取り上げる」(第11条)かを区別する問題が出る。
自治体別の力点
東京都
東京都は免許状の種類と有効範囲を問う問題が多い。 「普通免許状は全国で有効、特別免許状・臨時免許状は都道府県内のみ」という点を整理しておく。
大阪府
大阪府は失効・取り上げの条件と、再授与の制限期間(3年)を問う問題が見られる。
愛知県
愛知県は「相当免許状の原則」と例外(教職員免許法附則や特別非常勤講師制度)を合わせて出題されることがある。
学習法アドバイス(元教員より)
教員免許状は「取れて当たり前」と思っていると、法律の細部がスルーになりやすい。 「自分が取ったのは一種免許状」という実感はあっても、「一種と専修の違いは大学院修了かどうか」という知識が抜けていることが多い。
特別免許状と臨時免許状の違いも混同されがち。 一言で言うと「特別免許状=専門家の社会人向け」「臨時免許状=緊急の代替措置」という整理で覚えるとすっきりする。
学習の優先順位:
- 普通・特別・臨時の3種類の違いを表で整理する
- 普通免許状の専修・一種・二種(高校は二種なし)を確認
- 失効(自動・第10条)と取り上げ(教委判断・第11条)を区別する
- 免許更新制は2022年に廃止済みと確認
関連用語
- 教育公務員特例法 — 教員の研修義務の根拠法。免許状とともに教員の資格・義務を規定
- 地方公務員法 — 教員の服務規律の根拠法
- 日本国憲法(教育条項) — 教員が担う「教育を受ける権利」保障の根拠
- 教育基本法 — 教育の目的・目標を定めた理念法
参考:
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