教育公務員特例法とは|教採で問われる研修義務・初任者研修・条文の要点
教育公務員特例法とは|教採で問われる研修義務・初任者研修・条文の要点
教員になると「初任者研修がある」と聞いたことがある人は多いはずだ。
でも、その研修がなぜあるのか、どんな法律に基づいているのかを言える人は少ない。 答えは「教育公務員特例法」にある。
この法律は、教員採用試験でも法規問題の定番になっている。 特に「研修」に関する条文は、条文番号まで含めて問われることがある。
教育公務員特例法とは
1949年(昭和24年)に制定された法律(昭和24年法律第1号)。
正式名称の「教育公務員特例法」が示す通り、教育公務員(教員)に関して一般の公務員(地方公務員法)と異なる特例を定めた法律だ。
主な内容は:
- 教員の任免・給与に関する特例
- 研修に関する規定(教採ではここが最頻出)
- 服務・分限・懲戒に関する特例
- 政治的行為の制限に関する特例(国家公務員の例に準じる)
研修に関する主要条文
第21条(研修)
「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。」
「絶えず研究と修養に努めなければならない」 というのがキーフレーズ。 「努めることができる」や「努めることが望ましい」は誤り。 義務規定(〜しなければならない)であることを押さえておく。
第22条(研修の機会)
「教育公務員には、研修を受ける機会が与えられなければならない。」
さらに:
「教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる。」
ポイントは 「授業に支障のない限り」 と 「本属長の承認を受けて」 という条件。 「自由に研修できる」は誤り。条件がついている。
第23条(初任者研修)
「公立の小学校等の教諭等の任命権者は、当該教諭等に対して、その採用の日から1年間、教諭の職務の遂行に必要な事項に関する実践的な研修(初任者研修)を実施しなければならない。」
「採用の日から1年間」 と 「実践的な研修」 がキーワード。 「3年間」「2年間」という誤りの選択肢が出ることがある。
第24条(中堅教諭等資質向上研修)
採用後10年を目途として実施する研修。 従来は「10年経験者研修」と呼ばれていたが、2016年の法改正で名称と仕組みが変わった。 「10年ちょうど」ではなく「10年を目途」という点が選択肢で問われることがある。
教採での出題ポイント3つ
1. 第21条の「絶えず研究と修養に努めなければならない」
この文言が正確に書けるかどうかが問われる。 「研究と修養」の2つがセットになっている点がポイント。 「研究に努めなければならない」だけでは不完全。
また、この義務は 教育公務員特例法の規定 であることを覚えておく。 地方公務員法の規定と混同しやすいので注意。
2. 初任者研修の実施者と期間
初任者研修を実施するのは「任命権者」(都道府県教育委員会など)。 期間は「採用の日から1年間」。
「学校長が実施する」「採用後3年間」はよくある誤りの選択肢。
3. 政治的行為の制限の特例
通常、地方公務員は地方公務員法第36条で政治的行為が制限されている。 しかし教育公務員については、教育公務員特例法第18条により、地方公務員法の規定にかかわらず、国家公務員の例に準じたより厳しい制限が課されている。
「地方公務員と同じ制限が課される」は誤り。 国家公務員の例に準じる、つまりより制限が厳しいという点が問われる。
自治体別の力点
東京都
東京都は第21条(研修義務)と第22条(研修の機会)の条文の正確な文言を問う出題が多い。 「本属長の承認を受けて」という条件が正しく含まれているかを選択肢で判断させる問題が見られる。
大阪府
大阪府は初任者研修(第23条)と中堅教諭等資質向上研修(第24条)の内容を問う問題が出題されやすい。 実施者・対象・期間の3点を整理しておくといい。
愛知県
愛知県は政治的行為の制限の特例(第18条)を問う出題が見られる。 「地方公務員法と国家公務員法のどちらに準じるか」という問いへの対応ができるようにしておく。
学習法アドバイス(元教員より)
実際に初任者研修を受けた身として言うと、あの1年間はとても密度が濃い。 毎週のように校外研修があって、授業の準備と並行するのはなかなかハードだった。
でもそれが「採用から1年間、実践的な研修を実施しなければならない」という法的義務に基づいていると知ったのは、実は試験勉強のときだった。
学習の優先順位:
- 第21条「絶えず研究と修養に努めなければならない」の文言を覚える
- 第22条「授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて」の条件を押さえる
- 第23条「採用の日から1年間」の初任者研修を確認する
- 政治的行為の制限(国家公務員の例に準じる)を押さえる
条文はe-Govで確認できる。 全文は長いが、第21〜24条の研修関連と第18条の政治的行為制限を中心に読めばいい。
関連用語
- 教育基本法 — 教育公務員特例法の上位に位置する理念法
- 地方公務員法 — 教育公務員の服務の基本となる法律(特例法との関係を整理する)
- 学校教育法 — 学校制度の根拠法
- 令和の日本型学校教育 — 教員の研修・資質向上が政策的に重視されている背景
参考:
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