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地方公務員法とは|教採で問われる服務義務8項目・条文の要点

地方公務員法とは|教採で問われる服務義務8項目・条文の要点

「公務員は何をしてはいけないか、何をしなければならないか」

これを問うのが地方公務員法の服務規定だ。

教員は公立学校に勤める地方公務員であるため、地方公務員法の服務義務を負っている。 教採ではこの服務規定が頻繁に出題される。 「どの義務が地方公務員法で、どれが教育公務員特例法の特例か」という区別も問われる。


地方公務員法とは

1950年(昭和25年)に制定された法律(昭和25年法律第261号)。 地方公務員(都道府県・市町村等に勤める公務員)の任用・給与・服務・懲戒などの基本を定めた法律。

公立学校の教員は地方公務員であるため、この法律が原則として適用される。 ただし、教育公務員については教育公務員特例法が特例を定めており、一部は地方公務員法の規定と異なる扱いになる。


服務の根本基準:第30条

「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当たっては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」

「全体の奉仕者」 というキーワードは日本国憲法第15条にも登場する。 「一部の奉仕者」ではなく「全体の奉仕者」という点が出題で問われやすい。

この第30条が服務規定の総則で、以下に続く具体的な義務規定の基礎になっている。


服務義務の8項目

地方公務員法に定める服務義務は、職務上の義務3つ身分上の義務5つの合計8項目に整理される。

職務上の義務(3つ)

職務を遂行するうえで生ずる義務。

1. 服務の宣誓(第31条)

職員は、条例の定めに従い、服務の宣誓をしなければならない。 採用時に宣誓書にサインするあれがこれにあたる。

2. 法令等及び上司の職務上の命令に従う義務(第32条)

「職員は、その職務を遂行するに当たって、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」

ポイントは「職務上の命令」に限られること。 上司の私的な命令に従う義務ではない。

3. 職務に専念する義務(第35条)

「職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。」

勤務時間中に私的なことをしてはならない、という規定。 「法律または条例に特別の定がある場合を除く」という例外条件もポイント。

身分上の義務(5つ)

公務員としての身分を有する限り、勤務時間外でも常に負う義務。

4. 信用失墜行為の禁止(第33条)

「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。」

プライベートでの言動も含まれる点が重要。 勤務時間外であっても、教員として信用を失う行為は禁止されている。

5. 守秘義務(第34条)

「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。」

「退職後も」 守秘義務が続くという点が問われやすい。 「在職中のみ」は誤り。

6. 政治的行為の制限(第36条)

特定の政党や候補者を支持・反対するような政治的行為が制限される。 ただし、教育公務員については教育公務員特例法第18条により、国家公務員の例に準じたさらに厳しい制限が適用される。

「地方公務員法第36条がそのまま適用される」は誤り。 教員については特例法で国家公務員の基準が適用される。

7. 争議行為等の禁止(第37条)

ストライキ・怠業等の争議行為が禁止されている。 一般の民間企業と異なり、公務員には争議権がない。

8. 営利企業への従事等の制限(第38条)

任命権者の許可なく、営利企業の役員に就いたり、自ら営利事業を行うことが制限されている。 副業をする際には任命権者の許可が必要になる根拠条文。


教採での出題ポイント3つ

1. 服務の根本基準「全体の奉仕者」(第30条)

「一部の奉仕者」「特定の有権者への奉仕者」という誤りの選択肢が定番。 「全体の奉仕者」という文言は、日本国憲法第15条と教育基本法の精神とも関連している。

2. 守秘義務「退職後も続く」(第34条)

「退職したら守秘義務はなくなる」は誤り。 「その職を退いた後も、また、同様とする」という文言が出題ポイント。

3. 政治的行為制限の「教育公務員特例」

地方公務員の政治的行為制限(第36条)と、教育公務員に対する特例(国家公務員の例に準じる)の違いを問う問題。 「教員は地方公務員法第36条がそのまま適用される」が誤りになる問題が出やすい。


自治体別の力点

東京都

東京都は服務義務の8項目の分類(職務上の義務3つ・身分上の義務5つ)を問う出題が多い。 「職務上の義務として正しいもの」「身分上の義務として正しいもの」という区分けを整理しておく。

大阪府

大阪府は守秘義務(第34条)と信用失墜行為の禁止(第33条)を中心とした知識問題が出題されやすい。 条文の文言を正確に覚えているかどうかが差になる。

愛知県

愛知県は政治的行為の制限と教育公務員特例法の関係を問う出題が見られる。 「地方公務員法と国家公務員法のどちらに準じるか」を正確に答えられる準備をしておく。


学習法アドバイス(元教員より)

採用されて最初に読まされる書類の中に「服務の宣誓書」があった。 「全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務することを誓います」という文言にサインした。 あれは第30条と第31条の実践だったわけだ。

現場にいると服務義務はあまり意識しなくなるが、試験前に改めて確認すると「そういうことだったか」と腑に落ちる部分が多い。

学習の優先順位:

  1. 第30条「全体の奉仕者」という根本基準を覚える
  2. 職務上の義務3つ(法令遵守・信用失墜禁止・職務専念)と身分上の義務5つを区別して整理する
  3. 守秘義務「退職後も続く」(第34条)を覚える
  4. 政治的行為制限の教育公務員特例(国家公務員の例に準じる)を確認する

一覧表を作って手元に置いておくと、短時間で繰り返し確認できる。


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