人権教育とは|第三次とりまとめ・3つの学習形態・教採での出題ポイントを整理
人権教育とは|第三次とりまとめ・3つの学習形態・教採での出題ポイントを整理
人権教育はテーマが広すぎて、「どこをどう覚えたらいいのかわからない」という声をよく聞く。
教採で出てくるのは、「文部科学省が示した人権教育の指導方法」に関する問いがほとんど。 特に「第三次とりまとめ」という文書に示された考え方を把握しておくことが重要。
人権教育とは
文部科学省は人権教育を「人権の尊重の意識の向上と人権侵害の根絶を目指して、学校・家庭・地域のそれぞれが連携しながら、人権に関する知識・価値観・技術を身に付けさせる教育」と位置づけている。
あらゆる教科・活動を通じて行われる「教育全体を通じた人権教育」が基本スタンス。
「第三次とりまとめ」とは
「人権教育の指導方法等の在り方について〔第三次とりまとめ〕」(2008年3月)は、文部科学省の「人権教育の指導方法等に関する調査研究会議」がまとめた指導の指針文書。
教採で「人権教育の指導方法」が問われるとき、この文書が根拠となる。
人権教育で育てる3つの側面
第三次とりまとめでは、人権教育を通じて育てる資質・能力を3つの側面から整理している。
| 側面 | 内容 |
|---|---|
| 知識的側面 | 人権の価値・意義・内容に関する知識理解 |
| 価値的・態度的側面 | 人権を尊重しようとする意識・態度 |
| 技能的側面 | 人権侵害に気づき、行動する技能 |
「知識・態度・技能」の3側面は、出題時の選択肢に入ってくる。
3つの学習形態
第三次とりまとめが示す人権教育の主な学習形態は3つ。
- 協同的な学習:他者と協力しながら問題を解決する学習。グループ活動・話し合い・共同作業などが含まれる。
- 参加体験型の学習:ロールプレイ・シミュレーション・フィールドワークなど、体験を通じて人権感覚を育てる学習。
- 自己開示の学習:自分の考えや感情を表現し、他者と共有することを通じて自己理解・他者理解を深める学習。
この3つの学習形態の名称は、選択肢問題で問われやすい。
学校における人権教育の内容
人権教育で扱う主な人権課題:
- 女性・子ども・高齢者
- 障害のある人
- 同和問題(部落差別)
- アイヌの人々
- 外国人
- HIV感染者・ハンセン病元患者
- 刑を終えて出所した人
- 犯罪被害者
- インターネットによる人権侵害
- ホームレス
「人権課題の一つとして正しいものを選べ」という問いで、一覧の知識が問われることがある。
教採での出題ポイント3つ
1. 「第三次とりまとめ」が基本資料
人権教育の指導方法に関する問いの出典は「第三次とりまとめ」(2008年)。 「文部科学省が示した指導の方針はどれか」という問いへの答えがここにある。
2. 3側面(知識・態度・技能)の名称
「人権教育で育てる3つの側面はどれか」という問いへの対応。 「知識的側面」「価値的・態度的側面」「技能的側面」の3つを正確に言える。
3. 「教育全体を通じた人権教育」の位置づけ
人権教育は特定の時間・教科だけで行うものではなく、学校教育全体を通じて行う——という原則。 「人権教育は道徳の時間だけで行う」という選択肢は誤り。
自治体別の力点
東京都
東京都は人権教育の3側面(知識・態度・技能)と3学習形態(協同・参加体験・自己開示)を問う問題が多い。
大阪府
大阪府は同和教育(部落差別問題)の歴史的経緯と人権教育への発展を合わせた問題が出ることがある。 大阪は同和教育の先進地域という背景がある。
広島県
広島県は人権教育と平和教育を結びつけた出題が特徴的。 平和に関する人権の視点を論作文で問われることもある。
学習法アドバイス(元教員より)
「人権教育」というと特別に重い響きに感じるが、実際の学校現場では日常の授業や学級経営のあちこちに組み込まれている。 「この子の意見を最後まで聞く」という担任の行動が、「技能的側面」の育成——人権を実践する技能——につながっていることに気づいたとき、言葉と実践がつながった。
受験勉強では「第三次とりまとめ」という文書名と、3側面・3学習形態という構造を確実に押さえる。 選択肢問題はここから出ることが多い。
学習の優先順位:
- 「第三次とりまとめ」(2008年)が指導方針の基本文書と覚える
- 3側面(知識的・価値的態度的・技能的)を正確に言えるようにする
- 3学習形態(協同的・参加体験型・自己開示)を確認
- 人権課題の一覧(扱うテーマ)を一通り確認しておく
関連用語
- 道徳教育 — 人権教育と重なる部分が多い。道徳科との連動も整理する
- 特別活動 — 人権感覚を育てる活動の場の一つ
- 障害者差別解消法・合理的配慮 — 障害のある人への人権的配慮と接続する
- いじめ防止対策推進法 — 人権侵害としてのいじめへの対応
参考:
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