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特別支援教育とは|教採の教職教養で問われる制度・法令・出題傾向

特別支援教育とは|教採の教職教養で問われる制度・法令・出題傾向

「特別支援教育」という言葉が教採に出始めたのはずいぶん前のことだけれど、最近は出題の角度がずいぶん変わってきた。

以前は「特別支援学校とは何か」「盲・聾・養護学校との違いは」という制度理解が中心だった。 今はそこに「インクルーシブ教育」「合理的配慮」「障害者差別解消法」が加わり、法令知識と制度の両方をカバーする必要がある。

この記事では、現在の教採で実際に問われている範囲に絞って整理する。


特別支援教育の概要

2007年(平成19年)の学校教育法改正によって、「特殊教育」から「特別支援教育」へと転換した。 この転換は単なる名称変更ではなく、対象者と支援の考え方が大きく変わった。

特殊教育との主な違い:

特殊教育特別支援教育
対象特定の障害種すべての障害のある幼児児童生徒
場所特別な学校・学級中心通常学級も含む
考え方障害種別の指導一人ひとりのニーズへの対応

特に重要なのは「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援」が明確に位置づけられた点。 発達障害(LD・ADHD・自閉症スペクトラム等)も特別支援教育の対象に含まれるようになった。


関連する主な法令・制度

学校教育法(第8章)

特別支援教育の法的根拠。特別支援学校・特別支援学級・通級による指導の3つの場の整備を規定している。

障害者基本法

「共生社会の実現」を基本理念として定めており、インクルーシブ教育の考え方の根拠になっている。

障害者差別解消法(2016年施行、2021年改正)

正式名称は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」。 「合理的配慮の提供」が義務(従来は民間事業者は努力義務)となった。 2021年の改正で民間事業者も含めて義務化が拡大された点が近年の教採で問われている。

発達障害者支援法(2004年制定、2016年改正)

発達障害の定義と支援の基本を定めた法律。 「発達障害」とは自閉症スペクトラム障害・学習障害・注意欠陥多動性障害などを指すことが第2条に定義されている。


教採での出題ポイント3つ

1. 「合理的配慮」の定義

障害者差別解消法に基づく「合理的配慮」は近年の最頻出ワードと言っていい。

合理的配慮とは「障害者が他の者と平等に全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整」(障害者の権利に関する条約より)。

教採では「合理的配慮とは何か」を正確に説明できるかどうかが問われる。 「特別扱い」ではなく「平等を実現するための調整」という点がポイント。

2. 「インクルーシブ教育システム」の意味

「インクルーシブ教育」は「障害のある子とない子が一緒に学ぶ」という印象を持たれやすいが、文科省の定義はやや違う。

2012年の中教審答申「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」では、インクルーシブ教育システムを「障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が教育制度一般から排除されず、個人に必要な合理的配慮が提供される」ものと説明している。

つまり「一緒に学ぶこと」が目的ではなく、「排除されない環境の整備」と「必要な配慮の提供」がセットになっている。

3. 通級による指導・特別支援学級・特別支援学校の区別

3つの支援の場の違いをきちんと説明できるかどうか。

  • 通級による指導: 通常学級に在籍し、週数時間だけ別室で特別な指導を受ける
  • 特別支援学級: 通常学校内に設置された小規模学級。在籍はこちら
  • 特別支援学校: 障害の程度が重い場合に通う専門の学校

「どの場で支援を受けているか」によって、在籍や認定の手続きが違うことも問われる。


自治体別の力点

東京都

東京都は「合理的配慮」と「インクルーシブ教育」の概念的な理解を問う出題が多い。 論作文でも「通常学級での特別支援教育」をテーマにした出題が見られ、具体的な実践を書ける力が求められる。

大阪府

大阪府は関連法令の正誤判定問題が中心。「障害者差別解消法の施行年」「合理的配慮の義務化の対象」など、法令の細かい知識が問われやすい。

愛知県

愛知県は発達障害との関連で問われるケースが増えている。 「発達障害の定義(発達障害者支援法第2条)」や「LDとADHDの違い」を問う問題も見られる。


学習法アドバイス(元教員より)

離島の小学校で担任をしていたとき、通常学級の中に発達障害のある子が何人もいた。 特別な施設があるわけじゃないから、担任として日常の授業でどう配慮するかを考え続けた日々だった。

その経験から思うのは、「特別支援教育は特別支援学校の話」というイメージは捨てた方がいいということ。 どの学校のどの学級でも関わる話だし、教採でもそこが問われるようになってきている。

学習の優先順位:

  1. 「合理的配慮」の定義を正確に覚える
  2. 障害者差別解消法の改正(2021年)の内容を確認する
  3. 3つの支援の場の区分けを整理する
  4. 過去問でどの角度から問われているか確認する

文科省の「特別支援教育の推進について(通知)」や、中教審の2012年答申はウェブで公開されているので、タイトルと主な内容だけ押さえておくといい。


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