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学習指導要領とは|教採での出題ポイントと自治体別の傾向を元教員が整理

学習指導要領とは|教採での出題ポイントと自治体別の傾向を元教員が整理

「学習指導要領、なんとなくは知ってる。でも問題になると全然わからない」

教職教養の勉強を始めた受験生から、この声をよく聞く。 学習指導要領は毎年かならず出題されるわりに、文書自体が長くて読む気が起きない。 そして「どこが問われるか」の見当がつかないから、手が止まる。

この記事では、教採で実際に問われている部分に絞って整理する。 全文を読み込む必要はない。ポイントを押さえれば、十分に得点できる。


学習指導要領とは

学校教育法施行規則に基づいて文部科学大臣が告示する、全国共通の教育課程の基準。 「何を、どの学年で、どのくらいの時間をかけて教えるか」を定めたものだ。

各学校が教育課程を編成する際の拠り所であり、教科書もこれをもとに作られている。 法的拘束力があるという点が重要で、「努力目標」ではなく従う義務がある。

現行の学習指導要領

現行は2017〜2018年(平成29・30年)に告示された版。 小学校は2020年度、中学校は2021年度、高校は2022年度から全面実施。

この改訂で特に強調されたのが、以下の3本柱だ。

  • 知識・技能
  • 思考力・判断力・表現力等
  • 学びに向かう力、人間性等

この3つをセットで覚えておく。「資質・能力の三つの柱」と呼ばれ、問題の選択肢に頻出する。

改訂の背景

2017年改訂の背景として、文科省が示したのは「社会に開かれた教育課程」という理念だ。 学校の中だけで完結するのではなく、社会との連続性を意識した学びをめざすという方向性。

この改訂で「主体的・対話的で深い学び」という言葉が前面に出てきた。 いわゆる「アクティブ・ラーニング」の視点が、正式に指導要領に盛り込まれた形だ。


教採での出題ポイント3つ

1. 総則の記述を問う問題

学習指導要領の「総則」は、全体の方向性を示すもっとも重要な章だ。 ここから出題される頻度が高い。特に以下の箇所。

  • カリキュラム・マネジメントの定義
  • 主体的・対話的で深い学びの説明
  • 言語活動の充実に関する記述

「カリキュラム・マネジメント」とは、学校全体で教育内容を組み立て直し、改善し続けるサイクルのこと。 PDCA的な考え方を学校教育に持ち込んだ概念で、近年の出題でかなり頻出になっている。

2. 改訂の趣旨・背景

「なぜ改訂したか」を問う問題も多い。 答えるときのキーワードは「社会に開かれた教育課程」と「予測困難な時代への対応」の2つ。

AIやグローバル化が進む時代に必要な力とは何か、という問いが改訂の出発点にある。 論作文でも同じ文脈で書けるので、しっかり言語化しておきたい。

3. 資質・能力の三つの柱と教科の関係

各教科の目標が、三つの柱に対応した形で書き直された。 「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つが、どの教科でも目標の柱になっている。

これを知っているかどうかで、選択肢問題の正誤判定がかなり変わる。 「2つの柱」「4つの柱」という誤った選択肢が出題される自治体もある。


自治体別の力点

東京都

東京都は「社会に開かれた教育課程」の理念と、「主体的・対話的で深い学び」の具体的な実践を問う出題が多い。 論作文でも学習指導要領の理念を踏まえた記述を求めるため、教職教養と論作文対策が地続きになっている。

大阪府

大阪府は「カリキュラム・マネジメント」と「言語活動の充実」が頻出傾向にある。 選択肢型の知識問題が中心で、総則の文言を正確に覚えているかどうかが問われやすい。

愛知県

愛知県は教科の目標に関する出題が多く、特定教科の指導要領の記述を問うケースが見られる。 「資質・能力の三つの柱」を各教科の目標にどう落とし込んでいるかを理解しておくと対応しやすい。


学習法アドバイス(元教員より)

離島の小学校で教えていたとき、学習指導要領は毎年の学校行事計画を作る際の基準文書として参照していた。 現場にいると「読むもの」というより「使うもの」として馴染んでくる。

受験生の立場だと全文を通読しようとして挫折するパターンが多いと思う。 そうじゃなくて、総則と自分が受験する校種の教科目標だけを読めばいい。

おすすめの手順:

  1. まず「総則」の第1章を読む(20〜30分あれば通読できる)
  2. キーワードをA4一枚にまとめてしまう
  3. 過去問を3〜5年分解いて、出題パターンを確認する

文科省のウェブサイトでPDFが公開されているので、印刷して手元に置いておくと繰り返し確認しやすい。


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