「岡山市の教員採用試験は、いつ、どんな試験なのか」。検索すると、岡山県と岡山市の情報が混ざっていて、どれが岡山市のものか分かりにくい。
この記事は、岡山市教育委員会(教職員課)の公式資料だけをもとに、岡山市の教員採用試験の全体像を整理したものだ。令和8年度実施(2026年実施、令和9年度採用)の要項と結果、そして2027年実施の第1次試験の日程を扱う。
最初に、年度の呼び方を確認しておく。岡山市は「実施する年度」で呼ぶ。
| 岡山市の表記 | 実施する年 | 採用 |
|---|---|---|
| 令和8年度実施 | 2026年 | 令和9年度採用 |
| 令和9年度実施 | 2027年 | 令和10年度採用 |
制度は毎年変わる。2027年実施の要項は、令和9年1月頃に公表される予定だ。受験する年の最新の資料で、必ず確認してほしい。
確認できなかったことは「確認できなかった」と書く。合格ラインや面接の質問例など、要項に載っていないものは補っていない。
岡山市は、2026年10月7日に、2027年実施(令和9年度実施)の第1次試験の日程を公表した。
出願の期間や、結果通知、第2次試験の日程も、令和9年1月頃の実施概要で案内される。2027年実施の出願が始まる時期は、まだ分からない。
2027年実施の流れを考える参考として、2026年実施の日程を並べる。
| 区分 | 日程 |
|---|---|
| 要項の公表 | 令和8年3月25日 |
| 出願 | 令和8年4月1日(水)〜5月15日(金)午後5時まで |
| 第1次試験 | 7月4日(土)・5日(日)・11日(土)・12日(日) |
| 第1次の結果通知 | 7月30日(木) |
| 第2次試験 | 8月8日(土)〜10日(月)、15日(土)〜17日(月) |
| 第2次の結果通知 | 9月11日(金) |
採用候補者名簿に登録された人は、原則として令和9年4月1日付けで採用される。名簿の有効期間は、令和10年3月31日までだ。
2027年実施の第1次の日程は、2026年実施より1日早い土曜日(7月3日)から始まる。曜日の並びは同じで、土・日・土・日の4日間だ。
2027年実施から、約50の自治体が第一次選考の筆記で共通問題を使う「共同実施」が始まる。文部科学省の資料(令和8年4月30日)に載っている参画51自治体の一覧に、岡山県・岡山市は入っていない。 岡山市は、第1次試験の日程も独自に公表している。共通化の仕組みは教員採用試験の共通化とはで整理している。
令和8年度実施の要項での内容を整理する。
| 試験 | 内容 |
|---|---|
| 教科等専門試験 | 100点・60分。10時30分から。会場は岡山市立岡山後楽館中学校・高等学校ほか(受験票で確認) |
| 個人面接 | 会場は岡山市立岡山後楽館中学校・高等学校。詳細は6月下旬に教職員課のホームページで公表 |
| 特別面接 | 対象者のみ(社会人経験者特別選考、岡山市元教諭特別選考)。7月4日13時から |
個人面接で見る観点として、要項は「コミュニケーション能力」「社会性、協調性」「主体性」を挙げている。特別面接は、これに「意欲的態度、使命感」「教育的愛情、向上心」が入る。
中学校の数学ではコンパス、技術では三角定規とコンパスが必要だ。服装は、すべての試験でクールビズ(上着やネクタイは不要)とされている。
| 試験 | 対象 |
|---|---|
| 集団活動 | すべての区分 |
| 個人面接 | すべての区分 |
| 模擬授業・口頭試問 | 小学校、中学校、栄養教諭 |
| 模擬場面指導・口頭試問 | 養護教諭 |
| 実技 | 中学校の音楽・美術・保健体育・技術・家庭 |
評価の観点は、試験ごとに要項に書かれている。
実技の内容も公表されている。
岡山市の要項には、小論文や論作文の試験は無い。ただし、第2次試験で、ほかの試験とは別に、**テーマに沿った課題作文(10分間・字数制限なし)**が実施されている。課題作文は、選考で使われる提出資料のひとつとして、要項に書かれている。 10分で書く課題作文の扱いは、岡山県の記事とは別の話になる。岡山県・岡山市の小論文の経緯は岡山県・岡山市の小論文・面接対策で整理している。
要項には、選考結果の情報提供も書かれている。
選考結果に関する問い合わせには、一切応じないと要項に書かれている。
令和8年度実施(2026年実施)の第2次試験の結果(2026年9月11日公表)を整理する。()内は前年度だ。
| 区分 | 出願者 | 1次受験者 | 1次合格者 | 2次受験者 | 採用候補者 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 小学校 | 376(385) | 340(350) | 242(270) | 227(248) | 118(140) | 2.9(2.5) |
| 中学校 | 320(341) | 285(307) | 163(142) | 158(134) | 64(55) | 4.5(5.6) |
| 養護教諭 | 70(68) | 62(64) | 10(8) | 10(8) | 4(4) | 15.5(16.0) |
| 栄養教諭 | 20(28) | 16(23) | 3(3) | 3(3) | 1(1) | 16.0(23.0) |
| 合計 | 786(822) | 703(744) | 418(423) | 398(393) | 187(200) | 3.8(3.7) |
倍率の定義は、資料に書かれていない。数字を計算すると、1次受験者数を採用候補者数で割った値と一致した(小学校 340÷118=2.9、中学校 285÷64=4.5)。 小学校・中学校の数字には、英語枠・小中連携推進枠・特別支援教育推進枠の内数が含まれる。
前年度と比べると、次のとおりだ。
この数字から、岡山市の倍率が高いか低いかは判断しない。他の自治体の倍率との比べ方は、教員採用試験の倍率・難易度ランキングで整理している。
中学校は、教科ごとの数字も公表されている(令和8年度実施)。
| 教科 | 出願者 | 1次受験者 | 1次合格者 | 2次受験者 | 採用候補者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国語 | 39 | 35 | 21 | 20 | 9 |
| 社会 | 55 | 48 | 24 | 23 | 9 |
| 数学 | 50 | 44 | 27 | 26 | 10 |
| 理科 | 43 | 37 | 23 | 22 | 9 |
| 音楽 | 23 | 21 | 7 | 7 | 2 |
| 美術 | 3 | 3 | 2 | 2 | 1 |
| 保健体育 | 65 | 59 | 27 | 27 | 8 |
| 技術 | 5 | 5 | 5 | 5 | 3 |
| 家庭 | 13 | 11 | 8 | 8 | 3 |
| 英語 | 24 | 22 | 19 | 18 | 10 |
| 合計 | 320 | 285 | 163 | 158 | 64 |
教科によって、採用候補者の数も、1次の合格者数も大きく違う。ただし、採用候補者の予定数は教科ごとには示されておらず、中学校全体で55名程度だった。受験の年の数字は、毎年変わる。
令和8年度実施の要項では、次の区分で募集している。
| 受験区分 | 採用候補者予定数 |
|---|---|
| 小学校 | 110名程度(英語枠 若干名、小中連携推進枠 5名程度、特別支援教育推進枠 若干名) |
| 中学校 | 55名程度(国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術・家庭・英語。小中連携推進枠 5名程度、特別支援教育推進枠 若干名) |
| 養護教諭 | 4名程度 |
| 栄養教諭 | 1名程度 |
英語枠・小中連携推進枠・特別支援教育推進枠の予定数は、小学校・中学校の予定数の内数だ。 枠の中身は、要項に次のように書かれている。
いずれの枠も、枠の採用候補者にならなかった場合でも、小学校または中学校の受験区分で選考され、採用候補者になる場合がある。
次の条件をすべて満たす必要がある(令和8年度実施)。
大学3年生等特別選考で受ける人は、別の要件がある。出願時に大学・大学院の最終年次の1年前の年次に在籍し、令和9年度中に卒業(修了)見込みで、令和10年3月31日までに免許を取得見込みであることが条件だ。 年齢制限は教員採用試験の年齢制限で自治体別に整理している。
岡山市の要項には、一般選考のほかに、次の特別選考がある。受ける試験が、一般選考と違う。
| 特別選考 | 主な出願要件 | 第1次試験 |
|---|---|---|
| 社会人経験者 | 令和3年4月1日〜令和8年3月31日に、民間企業・官公庁(教職以外)・大学・研究機関等の正規職員として、出願時に1か所で3年以上(休職・育児休業等を除く) | 特別面接 |
| 岡山市元教諭 | 岡山市立学校で正規任用の教諭等として通算3年以上 | 特別面接 |
| 講師 | 令和7年度実施の第1次に合格した人のうち、令和8年度に岡山市立学校等で講師等として勤務している人など | 要項の表に試験の記載なし |
| 理科教育推進 | 「理数系教員(コア・サイエンス・ティーチャー)養成拠点構築プログラム」の修了者 | 個人面接 |
| 大学等推薦 | 大学等が推薦する人。岡山市を第一志望とする | 個人面接 |
| 「令和7年度実施大学3年生等特別選考」選考通過者 | 前年度の大学3年生等特別選考の通過者 | 個人面接 |
| 大学3年生等 | 大学・大学院の最終年次の1年前の年次に在籍している人 | 教科等専門試験(個人面接は次年度実施) |
特別選考は重複して申し込めない。書類審査で特別選考の対象にならなかった場合は、一般選考の出願者として受け付けられ、試験の免除は行われない。
令和8年度実施での、特別選考の出願者数と採用候補者数は次のとおりだった。
| 特別選考 | 出願者 | 採用候補者 |
|---|---|---|
| 社会人経験者 | 7 | 2 |
| 岡山市元教諭 | 3 | 0 |
| 講師 | 60 | 20 |
| 理科教育推進 | 1 | 0 |
| 大学等推薦 | 44 | 22 |
| 「令和7年度実施大学3年生等特別選考」選考通過者 | 148 | 80 |
大学3年生等特別選考そのものは、令和8年度実施で出願261人、選考通過186人だった。通過した人は、次年度の特別選考を受けられる。 大学3年次の前倒し受験は大学3年次受験(前倒し選考)とは、大学推薦は教員採用試験の大学推薦とは、社会人の選考は教員採用試験の社会人枠とはで、自治体別に整理している。
一般選考でも、第1次試験の教科等専門試験に、加点がある。令和8年度実施の要項では、上限は最大10点だ。
| 加点の区分 | 内容 | 点数 |
|---|---|---|
| 複数免許保有者(小学校の受験区分) | 中学校または高校の教諭普通免許状 | 1教科につき5点 |
| 複数免許保有者(小学校の受験区分) | 特別支援学校教諭普通免許状 | 5点 |
| 複数免許保有者(中学校の受験区分) | 小学校教諭普通免許状 | 5点 |
| 複数免許保有者(中学校の受験区分) | 出願した教科と異なる中学校・高校の教諭普通免許状 | 1教科につき5点 |
| 複数免許保有者(中学校の受験区分) | 特別支援学校教諭普通免許状 | 5点 |
| 岡山市講師経験者 | 令和7年4月から出願時までに通算12月以上、岡山市立学校等で講師等として勤務 | 5点 |
| 岡山市教員養成セミナー「夢への扉」修了者 | 令和7年度実施のセミナーの全てに参加し、修了証を得た人 | 5点 |
加点の対象になる免許状が、令和9年3月31日までに取得できなかった場合は、採用候補者名簿への登録を取り消す場合があると、要項に書かれている。
加点とは別に、「考慮する事項」も挙がっている。司書教諭、英語の資格、複数免許、正規教員歴、ボランティア活動、スポーツ、指導実績だ。これらは加点ではなく、選考で考慮される事項として入力する。
ここからは、要項に書かれた事実ではなく、一般論だ。
岡山市は、第1次で教科等専門試験と個人面接、第2次で集団活動・個人面接・模擬授業(模擬場面指導)・口頭試問と、人物を見る試験が多い。小論文は無いが、課題作文が第2次に別途ある。 評価の観点は、要項に「コミュニケーション能力」「意欲的態度、使命感」「教育的愛情、向上心」「社会性、協調性」などと書かれている。自分の言葉で、教育への思いと経験を話せるように準備しておきたい。
声に出して話し、時間を測る練習を重ねるほど、言葉が出やすくなる。論作AIでは、面接の練習と、論文の添削ができる。
2027年実施の第1次は7月3日から始まる。ただし、出願期間は、令和9年1月頃の実施概要が出るまで分からない。前年の出願は4月1日〜5月15日だったが、2027年実施で同じになるとは限らない。 最新の情報は、岡山市教育委員会教職員課のホームページ「岡山市 学校お仕事ナビ」で確認できる。問い合わせ先は、教職員課(企画係 086-803-1563、人事係 086-803-1586)だ。
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