香川県の二次試験は8月19日(水)から8月25日(火)の間で実施日が指定される。 一次選考の結果発表は2026年8月上旬。
発表から二次までの猶予は、正味2週間ほどしかない。
しかも二次選考で当日提出する「学習指導略案」は、一次の結果を待たずに今から準備を始められる。 テーマ(課題)が校種ごとに、すでに事前公表されているからだ。
香川県の教員採用試験には、論作文も小論文もない。 一次にも二次にも、原稿用紙に向かって書く試験は存在しない。
その代わり、二次は模擬授業と個人面接だけで合否が決まる。 しかも令和9年度から、その模擬授業の実施方法が大きく変わった。
この記事では、令和9年度採用(2026年夏実施)の香川県教員採用試験について、一次の集団面接から二次の模擬授業・個人面接まで、公式資料に書かれている事実だけを整理する。 公式が公表していない部分は、「公表されていない」とそのまま書く。 推測を事実のように書くことはしない。
香川の選考は一次(筆記+集団面接)と二次(模擬授業+個人面接)の二段構え。 論作文はどちらにも存在せず、書く試験の代わりに面接系の比重がそのまま重くなる。
一次選考は、適性検査・筆記試験(総合教養・専門教養)・集団面接がセットで行われる(教科によっては実技試験も加わる)。 二次選考は、模擬授業と個人面接2回(第1面接・第2面接)がセットで行われる。 個人面接は全校種で2回。ただし1回あたりの時間が校種で違う。
一次にも二次にも、独立した論作文・小論文の科目はない。 書く試験がない分、香川県の選考は「話す・伝える」比重がかなり高い設計になっている。
| 段階 | 内容 | 日程 |
|---|---|---|
| 一次選考(筆記等) | 総合教養・専門教養 | 7月18日(土)〜7月19日(日) |
| 一次選考(集団面接) | 自由討議30分間程度 | 7月18日(土)・7月20日(月・祝)・7月21日(火)・7月25日(土)のうち指定1日 |
| 一次選考 結果発表 | 受験者全員に通知/県庁掲示/HP掲載 | 2026年8月上旬 |
| 面接カード提出 | 専用サイトからの電子申請のみ | 一次発表日〜8月14日(金)17時 |
| 二次選考 | 模擬授業+個人面接(+英語面接該当者) | 8月19日(水)〜8月23日(日)・8月25日(火)のうち指定1日 |
| 二次選考 結果発表 | ‐ | 2026年9月中旬 |
※7月19日は小学校専願者を対象に大阪会場でも実施。7月25日と8月23日は小・中志願者対象の大阪会場。
出典: 香川県教育委員会 採用スケジュール / 令和9年度実施要項
香川県の教員採用試験には、一次にも二次にも独立した論作文・小論文の科目がない。
この点は香川県に小論文はある?という記事で詳しく整理してある。 書く試験がないぶん、二次選考の合否は模擬授業と個人面接だけに集約される。 この記事では、その二次の中身、特に令和9年度から大きく変わった模擬授業を中心に扱っていく。
令和9年度採用の出願実人数は1,034名、採用予定数は327名程度。 割ると約3.2倍になる。
ただしこの3.2倍は「出願者数÷採用予定数」であって、実際に受験した人数で割った受験倍率でも、一次・二次を通過した人数を反映した実質倍率でもない。 出願はしたが受験しなかった人、一次で不合格になった人も含めた数字だ。 「3.2倍」という数字だけを見て、必要以上に気負う必要はない。
出典: 出願者数(香川県教育委員会)
見落とすと詰む実務情報を、先に独立して書いておく。
面接カード(用紙1)の提出は、一次選考の結果発表があった日から8月14日(金)17時までの期間限定。 しかも専用サイトからの電子申請のみで、紙での提出は想定されていない。 (職歴欄が足りない場合は、職歴追加用紙を別途使う扱いになる)
一次発表を待っている間に「二次に進んだらどう書くか」を先に固めておくと、発表後の限られた日数を電子申請の作業だけに充てられる。 学習指導略案の準備と並行して、面接カードの下書きも今のうちに進めておきたい。
グループ5〜8名程度の自由討議30分。 小中養栄は個人への質問も加わるが、高・特支は自由討議のみという校種差がある。
一次選考はすでに終了している(7月18日〜25日のうち指定日)。 この記事を読んでいる人の多くは、結果を待ちながら二次の準備を進めている段階だと思う。 来年度以降に香川県を受ける人は、ここでの傾向を踏まえて次の一次に備えてほしい。
1グループ5〜8名程度、時間は30分間程度。 与えられたテーマについて自由討議を行う。
ここが、香川の集団面接で押さえておきたいポイントだ。
小中養栄は討議の中での発言に加えて、個人としての受け答えも見られる。 一方の高・特支は、討議そのものの中での立ち回りがすべてになる。
公式要項にこの2パターンが明記されている以上、対策の力点も校種で分けたほうがいい。 小中養栄を受ける人は、討議中の発言だけでなく「個人に振られたときにどう答えるか」まで準備しておく必要がある。 高・特支を受ける人は、討議の中でどう立ち回るかに集中して準備できる。
香川県が一次の集団面接について公表している評価観点は、次の5つだ。
出典: 令和9年度実施要項
この5観点から逆算すると、討議の中で見られているのは「正しい結論を出せるか」ではなく、「他者と関わりながらどう振る舞うか」だとわかる。
論作AI制作チームの元小学校教員はこう見ている。 「柔軟性と協調性が並んでいる時点で、一人だけ強く主張して場を仕切るタイプは評価されにくい設計になっていると思う。他の受験者の意見を受けて、自分の考えを一段深める発言ができるかどうかが見られている気がする。」
討議中の立ち回りの型
香川県は集団面接で実際に出されたテーマを公表していない。 この記事でも、香川県の集団面接で過去に出たテーマとして特定のものを挙げることはしない。
ここまで見てきた「豊かな人間性、積極性、柔軟性、社会性、協調性」という公式の評価観点から逆算すると、想定されるテーマの傾向は、不登校・いじめなど生徒指導に関わるもの、ICT活用や個別最適な学びなど教育時事に関わるもの、地域や家庭との連携に関わるもの——といった、全国の教採で共通して出やすい教育課題の範囲に収まると考えられる。
ただしこれはあくまで公表されている評価観点からの推測であって、香川県が公表した過去テーマではない。 断定的な過去問として扱わないよう、ここは注意してほしい。
令和9年度から模擬授業のやり方が変わった。 対象は小・中・養護・栄養の4区分のみ、高・特支は変更の対象外という点をまず押さえてほしい。
最初に、一番混乱しやすいポイントをはっきりさせておく。
令和9年度から模擬授業の実施方法が変わったのは事実。 ただし公式Q&Aには、変更の対象は小学校教諭・中学校教諭・養護教諭・栄養教諭の志願者であり、県立学校(高等学校・特別支援学校)の志願者はこの変更の対象外、とはっきり書かれている。
つまりこの先の「テーマ事前公表」「略案4部持参」「面接官が指定する場面」といった話は、小・中・養護・栄養を受ける人向けの情報になる。 高校・特別支援学校を受ける人は、この記事の模擬授業の章をそのまま自分の対策に当てはめないでほしい。 校種を間違えて読み進めると、準備の方向自体がズレてしまう。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)に関するQ&A Q1
では高校・特別支援学校はどうなるのか。
誤解しないでほしいのは、高校・特別支援学校でも模擬授業そのものは実施される、ということ。 実施要項の二次選考の表を見ると、模擬授業は全校種が対象で、時間も同じく15分間程度と書かれている。
ただし高校・特別支援学校は、今回公表された「模擬授業のテーマ(課題)」の一覧に含まれていない。 学習指導略案を事前に作成して当日4部持参する、という手続きの対象にも入っていない。
高校・特別支援学校の模擬授業について、テーマがいつ・どう示されるのかを、香川県は現時点で公表していない。 公表されていない以上、ここで推測を書くことはしない。 受験票や二次選考の案内に記載される指示を、必ず自分で確認してほしい。
一方で、模擬授業が15分間程度であること、評価観点が全校種共通で示されていることは要項に書かれている。 なお「授業5分+説明・質問10分程度」という内訳は、実施方法が変更された小・中・養護・栄養向けの資料に書かれているもので、高校・特別支援学校の内訳として公表されているわけではない。 ただし後述する評価観点3つの読み解き方自体は、校種を問わず使える。
香川県の模擬授業がほかの自治体と大きく違うのは、テーマ(課題)が事前に、しかも校種ごとに公表されているという点だ。 「当日その場でテーマを渡されて考える」形式ではない。
| 種別 | 模擬授業のテーマ(課題) | 学習指導略案の授業時間設定 |
|---|---|---|
| 小学校教諭 | 小学校「算数」を対象とした授業とし、学年・領域は指定しない | 45分授業の設定 |
| 中学校教諭 | 出願する教科の授業とし、学年・内容・領域・分野等は指定しない | 50分授業の設定 |
| 養護教諭 | 小学校体育(保健領域)、中学校保健体育(保健分野)、高等学校(保健)のいずれか、出願する校種を対象とした授業とし、学年は指定しない | 小45分/中50分/高50分の設定 |
| 栄養教諭 | 小学校家庭(B衣食住の生活:食生活)又は中学校家庭分野(B衣食住の生活:食生活)を対象とした授業とし、学年・内容は指定しない(学級担任とのティーム・ティーチングによる指導) | 小45分/中50分の設定 |
小学校教諭は「算数」という教科だけが固定されていて、学年・領域は自分で選べる。 中学校教諭は自分が出願した教科であれば、学年・内容・領域・分野まで自由。 養護教諭は保健領域(保健分野・保健)という範囲の中で、出願した校種に合わせて選ぶ。 栄養教諭は家庭科の「食生活」という単元領域が固定されていて、しかも学級担任とのティーム・ティーチングを想定した授業になる。
栄養教諭を受ける人にとって、これは見落としやすい注意点だ。 1人で完結する授業ではなく、担任と役割分担しながら進める授業として組み立てる必要がある。
テーマ(課題)は公表されているが、単元名などのさらに詳しい内容が当日までに示される予定はない、と公式Q&Aに明記されている。
つまり「テーマは決まっているが、学年・単元・教材はすべて自分で決めて用意しておく」という状態が、今この瞬間からずっと続く。 一次の結果発表を待つ間、手が空いているように見えて、実は模擬授業の準備は今日から始められる。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)に関するQ&A Q2
ここが香川県の模擬授業でいちばん重要な数字だと思う。
全体の所要時間は15分間程度。 その内訳は「授業に関する説明・質問10分程度」と「授業5分」に分かれる。 そして説明は、授業の前に位置づいている。
つまり流れはこうなる。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)に関するQ&A Q12
「模擬授業」と聞くと、15分間まるまる授業をするイメージを持ってしまいがちだが、香川県の場合、実際に授業として動くのは5分だけ。 残りの10分程度は説明と質問に使われる。
この事実は、対策の組み立て方をそのまま規定する。 15分間の完成度の高い授業を用意するのではなく、「5分間で完結する、密度の濃い授業」を作る、という発想に切り替えたほうがいい。
当日提出した学習指導略案をもとに、面接官が指定する学習活動場面(導入・展開・終末)について授業を行う。
つまり受験者は、導入・展開・終末のどれを指定されるかを、当日その場まで知らない。 どの場面を振られても5分で成立するように、3パターン(導入5分・展開5分・終末5分)を用意しておく必要がある、ということになる。
準備の実践論
「展開」「終末」を指定された場合、そこに至るまでの板書は不要で、指定された場面から板書を始めればいい、とQ&Aに明記されている。 導入から丁寧に板書を再現する必要はない。 指定された場面の板書だけを、その場で作ればいい。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)に関するQ&A Q7
会場に用意されているのは、ホワイトボードと黒・青・赤のホワイトボードマーカーのみ。 定規は用意されておらず、板書の線や図はフリーハンドで書いてよい、とされている。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)に関するQ&A Q13
自作の提示資料(フリップ・掲示物など)の持ち込みは不可(Q&A Q10)。 教具やICT機器の実物は用意されないが、使用を想定した授業展開自体は認められている。 教室に児童生徒がいるものとして進める、という前提も忘れないでほしい。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)について 2(5)(6)
つまり練習しておくべきなのは次のようなことになる。
模擬授業室に持ち込めるのは「模擬授業メモ」A4サイズ1枚・表面のみ。 提出の必要はなく、内容も自由に書いてよい。 付箋を貼ってもいいが、表面のみ・はみ出しは不可、というルールがある。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)に関するQ&A Q6
「内容自由」だからこそ、何を書くかで差が出る。 論作AI制作チームの元小学校教員は、このメモの使い方についてこう話している。 「略案をそのまま縮小コピーして貼っても、たぶん本番では見る余裕がない。それより、指定されそうな3場面それぞれの『最初の一言』と『時間の目安』だけを大きい文字で書いておくほうが、実際に助けになると思う。5分間って自分が思っているより短いから、時計代わりの一枚として使う発想でいいはず。」
香川県が二次の模擬授業について公表している評価観点は、次の3つだ。
出典: 令和9年度実施要項
抽象的な言葉に見えるが、5分間という短い枠の中で考えると、それぞれ具体的にやることが決まってくる。
1. ねらいを的確にとらえ、わかりやすく指導できているか
5分間のどこかに、「この授業で何を身につけさせたいのか」が言葉として透けて見える瞬間を、意図して作っておく。 導入を指定されたなら最初の発問の言葉選びの中に、終末を指定されたならまとめの一言の中に、ねらいが自然に乗るようにしておくと、この観点は拾いやすくなる。
2. 意欲や関心を引き出し、課題解決へ導く工夫があるか
発問を投げっぱなしにせず、児童生徒(という設定)の反応を待つ「間」を作る。 5分は短いが、その短さの中でも「聞く→間を取る→つなげる」の形を1回でも見せられると、一方的な説明だけの授業と差がつく。
3. 表現力が豊かで、ひきつける魅力があるか
声の抑揚、板書に使う言葉の選び方、児童生徒への語りかけの口調。 5分しかないからこそ、最初の一声のトーンがそのまま第一印象になる。 淡々と説明を始めるより、児童生徒に語りかける口調で入ったほうが、この観点では評価されやすいはずだ。
導入・展開・終末の3パターンをそれぞれ5分で演じてみて、この3つの観点を意識できているか、自分で(あるいは誰かに見てもらって)チェックする練習を、今のうちから繰り返しておきたい。
学習指導略案は当日4部持参して、模擬授業会場で面接官に提出する。 評価の対象にはならないが、面接官が指定場面を選ぶための「地図」として機能する。
学習指導略案は、当日4部を持参して、模擬授業会場で面接官に提出する。 A4サイズで作成する。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)に関するQ&A Q14
小・中の併願で両方合格した場合、二次では両方の種別で模擬授業・面接試験を受けることになる。 その場合、略案も校種ごとに用意して、それぞれ4部ずつ持っていく必要がある。 1種類だけ用意して当日焦る、ということがないようにしたい。
学習指導略案はA4用紙1枚・表面のみで作成する。 上下左右の余白は1.5cmとする決まりがある。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)に関するQ&A Q3
所定の欄に、次の4項目を必ず記入する。
この4項目の記入漏れは、内容以前の問題として避けたい。 略案を書き終えたあと、最後にもう一度、この4項目が埋まっているかだけを確認する習慣をつけておくといい。
文字サイズやフォントについて、公式の指定はない。 ただし面接官がその場で内容を確認するため、極端に小さい文字だと確認できない、と留意点に書かれている。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)に関するQ&A Q4
カラー・モノクロのどちらで作成してもよい。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)に関するQ&A Q5
「自由」だからといって詰め込みすぎると、面接官がその場でぱっと確認できる情報量を超えてしまう。 5分間の授業に対応する分量として、読みやすさを優先した文字サイズを選んでおきたい。
授業で想定している資料(写真・イラストなど)を、略案に貼り付けてよい。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)に関するQ&A Q8
板書のデータを貼り付けることも可能で、PCで作成したものでも、実際に書いた板書を写真に撮ったデータでもどちらでもよい、とされている。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)に関するQ&A Q9
会場にあるのはホワイトボードとマーカーだけで、自作の提示資料そのものは持ち込めない。 その代わりに、「授業でこういう板書・資料を使う予定です」という設計図としての貼り付けは、略案の中でなら認められている。 この違いを取り違えないようにしたい。
「学習指導過程」の欄について、記入上の留意点を満たしていれば、枠(項目)を増やしてもよい、とされている。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)に関するQ&A Q11
決められたフォーマットの枠に無理やり収めるのではなく、導入・展開・終末それぞれの中身が伝わるように、必要であれば項目を足してよい、ということになる。 ただしA4 1枚・表面のみという制約は変わらないので、枠を増やすほど1項目あたりの文字量は減る、という前提は意識しておきたい。
栄養教諭は、主担当として指導する学習場面の授業を行う、と決まっている。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)に関するQ&A Q15
学級担任とのティーム・ティーチングを想定した授業の中で、自分が主担当を務める場面を略案に落とし込む、という書き方になる。
ここが、香川県の模擬授業を理解するうえでいちばん大事な逆説かもしれない。
当日提出した学習指導略案そのものは、評価の対象とはしない、と公式の実施要領に明記されている。
出典: 第2次選考試験(模擬授業)について 2(4)
略案は評価されないのに、なぜ4部も準備して、余白1.5cmだの枠の増減だのを気にする必要があるのか。 論作AI制作チームは日頃、論作文の添削で「読み手に伝わる文章になっているか」を見ているが、この略案にも近い発想が使える。 評価されるのは文章としての完成度ではなく、読んだ人(面接官)がそれをもとに次の行動——ここでは「どの場面を指定するか」を決められるかどうかだ。
つまり学習指導略案は、面接官が「導入・展開・終末のどこを指定しよう」と判断するための地図であり、受験者自身にとっては「どの場面を振られても5分で授業を成立させられるか」を確認するための設計図になる。 評価されているのは略案の見た目の完成度ではなく、略案どおりに、あるいは略案を土台にして、実際に5分間の授業を成立させられるかどうか。 そう捉えると、略案作りに時間をかけすぎて肝心の「5分間を演じる練習」が手薄になる、という本末転倒を避けやすくなる。
ここまでの内容を、実際の準備の順番として並べ直しておく。
一次の結果発表を待っている間の2週間弱、この5ステップを順番に進めておけば、二次選考の指定日が来たときに焦らず動けるはずだ。
模擬授業のあとに待っているのが、個人面接。 香川県は個人面接を第1面接・第2面接の2回に分けていて、この2回構成自体は全校種共通だ。 ただし1回あたりの時間は、校種によってはっきり違う。
| 校種 | 第1面接 | 第2面接 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 小学校・中学校・養護教諭・栄養教諭 | 10分間程度 | 5分間程度(特別選考Ⅲの志願者は10分間程度) | 15分(特別選考Ⅲは20分) |
| 高等学校・特別支援学校(小学部/中学部/高等部) | 15分間程度 | 10分間程度 | 25分 |
出典: 令和9年度実施要項
合計時間で見ると、高・特支は25分、小中養栄は15分(特別選考Ⅲは20分)。 高・特支のほうが個人面接の総時間が10分長い。
この差から、対策の量そのものを逆算できる。 高・特支を受ける人は、25分間、複数のテーマを掘り下げられても答えを保てるだけの引き出しの数を準備しておく必要がある。 小中養栄を受ける人は、限られた時間の中で自分の考えを的確に、かつ簡潔に伝える訓練を優先したほうが効率がいい。 時間の長さがそのまま「どれだけ広く・深く準備すべきか」の目安になる、と捉えておくといい。
中・高(該当種別)の英語志願者には、個人面接とは別に、英語による面接が10分間程度課される。
出典: 令和9年度実施要項
英語志願者は、日本語での第1面接・第2面接に加えて、この英語面接の準備も必要になる。 面接官の意向や考え方を正確に聞き取る力、英語で自分の意向や考え方を正確に伝える力、英語教員としての指導力——この3つが評価観点として公式に示されている。 英語での自己表現の練習は、日本語の面接対策と並行して、早めに時間を確保しておきたい。
一次選考で第1志望・第2志望の両方に合格した「小」「中」の併願者は、二次選考でも両方の種別で模擬授業・面接試験を受験する。
出典: 令和9年度実施要項
つまり併願者は、模擬授業の略案を校種ごとに2種類用意するだけでなく、個人面接の準備も小・中それぞれの視点で組む必要がある。 「小学校教員として何を大事にしたいか」と「中学校教員として何を大事にしたいか」を、別々の言葉で語れるようにしておくと、二次当日にどちらの面接室に入っても迷わない。
香川県が二次の個人面接について公表している評価観点は、次の3つだ。
出典: 令和9年度実施要項
香川県は、この3観点をそれぞれ第1面接・第2面接のどちらで確認するのか、内訳までは公表していない。 ここから先は、論作AI制作チームが公式の評価観点だけを手がかりに考える、あくまで準備のための仮説として読んでほしい。
第1面接は時間が長く設定されている(小中養栄10分・高特支15分)。 時間が長い分、「教育に対する情熱・素養」と「専門的な知識・指導力」の2観点を、志望動機や教育観の深掘りを通じて確認する場になっている可能性がある。 第2面接は時間が短い(小中養栄5分・高特支10分)分、「連携・協働しながら学校運営に参画する力」のように、チームの中での立ち位置を短く端的に確認する場になっている可能性がある。
これはあくまで時間配分と観点数の対応関係から導いた仮説であって、香川県が公表した割り振りではない。 実際にどちらの面接でどの観点を重点的に聞かれるかは、公式に示されていない以上、どちらの観点が来ても答えられるように、3つとも均等に準備しておくのが安全だ。
はっきり書いておく。 香川県は、二次選考の個人面接で実際に出された質問を公表していない。 この記事でも、香川県で過去に聞かれた質問として特定の文言を挙げることはしない。
そのうえで、公表されている評価観点から逆算した「想定質問」を、断ったうえで挙げておく。 これは香川県の過去問ではなく、評価観点をもとにした準備用の仮説であることを、繰り返し断っておきたい。
これらはすべて、公式の評価観点から逆算した想定質問であって、香川県が公表した過去問ではない。 面接カードに書いた内容と矛盾しないように、この想定質問への答えを事前に言葉にしておくと、当日の受け答えが安定する。
一次発表後〜8月14日(金)17時までに電子申請する面接カード(用紙1)は、そのまま個人面接の土台になる。 面接官は、この面接カードに書かれた内容をもとに質問を組み立てると考えるのが自然だ。
面接カードに書いたことと、個人面接で話す内容がずれていると、面接官にちぐはぐな印象を与えかねない。 一次発表を待つ間に、面接カードの下書きと、想定質問への回答を、セットで準備しておくといい。
二次選考の結果が不合格だった場合に限り、選考結果の総合ランクと個人得点の情報提供を受けられる。 それぞれの合格発表の日から1か月間という期間限定になっている。
出典: 令和9年度実施要項
合格した場合の得点開示については、実施要項に記載がない。 不合格だった場合の情報提供は、次に向けた振り返りの材料として使える制度、と捉えておくといい。
ここまでの内容を、6つの校種別に整理し直す。 すべて香川県の公式資料に基づく事実だけを土台にしている。
模擬授業のテーマは「算数」に固定されていて、学年・領域は自由に選べる。 集団面接では自由討議に加えて個人への質問もある。
出願する教科であれば、学年・内容・領域・分野まですべて自由に選べる。 6区分の中でもっとも選択の自由度が高い。
模擬授業の実施方法変更の対象には含まれていない。 一方で個人面接は第1面接15分間程度・第2面接10分間程度と、6区分の中でもっとも長い。
高等学校と同じく、模擬授業の実施方法変更の対象外。 採用区分は小学部・中学部・高等部で分かれている。
模擬授業は保健領域(小学校体育の保健領域・中学校保健体育の保健分野・高等学校の保健)から、出願する校種に合わせて選ぶ。 小中・高特支の併願者は、第1志望の校種の略案のみを作成する。
模擬授業は家庭科の「食生活」領域で、学級担任とのティーム・ティーチングを想定した授業になる。 採用予定数は2名程度と、6区分の中でもっとも狭き門だ。
8月19日(水)〜8月25日(火)のうち指定される二次選考の日に向けて、確認しておきたいことをまとめる。
香川県の教職教養・専門教養の対策については香川県 教職教養の記事も、一次対策として合わせて確認しておきたい。 面接そのものの答え方の基本は教員採用試験 面接対策の書き方ガイドにまとめてある。 隣県を併願している場合は徳島県の面接対策も参考になる。
香川県には論作文も小論文もない。 だからこそ、頭の中で組み立てた教育観を、そのまま「声」で出す訓練が、そのまま得点につながる設計になっている。
書いて終わりにできない分、練習の仕方も変える必要がある。 想定質問に対する答えを言葉にして、声に出して、フィードバックを受けて直す——このサイクルを、一人で黙々と繰り返すのは正直しんどい。
論作AIの面接練習機能を使うと、この記事で挙げた想定質問(教育に対する情熱・専門性・連携協働の3観点をもとにしたもの)に答え、その回答に対するフィードバックを受け取ることができる。 一度で終わらせず、直しては答え直す、を繰り返せる形になっている。
面接練習は登録後2回まで無料で、クレジットカードの登録も不要。 略案そのものの添削機能ではないが、「話す内容を言葉として固める」段階の練習には使いやすいはずだ。
一次発表を待つ間の時間は、誰にとっても手持ち無沙汰なものだ。 その時間を、学習指導略案の下書きと、個人面接の想定問答づくりに充てておくと、二次選考の指定日が来たときの落ち着き方が変わってくる。
福島県教員採用試験の二次試験(面接)を元教員が解説。論作文(小論文)を実施しない福島県は、模擬授業(養護は場面指導)と個人面接の2つに配点が集中する構造。A〜E5段階評価の観点、名簿A・B制度、地域採用枠まで小中高特支養護の校種別に整理した。
愛媛県教員採用試験の個人面接(配点20点・全校種共通)対策を校種別にまとめた完全ガイド。二次試験は8月18日(火)〜21日(金)、松山市・大阪府の2会場から選択。小学校・中学校・養護教諭・栄養教諭は面接に加えて小論文(論作文)、高校は模擬授業、特別支援学校は場面指導が課される三分岐構造を踏まえて、校種ごとの面接対策ポイントと直前チェックリストを元教員がまとめました。
山形県教員採用試験 二次試験の面接対策。個人面接1(場面指導等含む・210点)と個人面接2(140点)で配点の87〜88%を占める面接偏重の構造、模擬授業なしの分だけ集中できる場面指導対策、作文(論作文・小論文)との時間配分を校種別に元教員が解説。
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