「豊能地区」という名前は、大阪府の北部の5市町が、府とは別に教員を採用していることを知らないと、分かりにくい。大阪府の情報を見ていても、豊能地区の日程や倍率は出てこない。
この記事は、大阪府豊能地区教職員人事協議会の公式資料だけをもとに、豊能地区の教員採用試験を整理したものだ。2026年実施の受験案内と結果、年度別の推移、そして2027年実施の筆答テストが共通問題になり、6月12日に行われる予定であることを扱う。
最初に、年度の呼び方を確認しておく。豊能地区は、「採用する年度」で呼ぶ。
| 豊能地区の表記 | 実施する年 | 採用 |
|---|---|---|
| 令和9年度(2027年度)テスト | 2026年 | 2027年度採用 |
| 令和10年度(2028年度)テスト(R10テスト) | 2027年 | 2028年度採用 |
制度は毎年変わる。2027年実施の受験案内は、まだ公表されていない。受験する年の最新の資料で、必ず確認してほしい。
確認できなかったことは「確認できなかった」と書く。面接の質問例など、公式資料に載っていないものは補っていない。
受験案内の冒頭には、このテストは、大阪府豊能地区(豊中市・池田市・箕面市・豊能町・能勢町)の公立小学校、中学校、義務教育学校の教員採用候補者を選考するために実施する、と書かれている。実施するのは、大阪府豊能地区教職員人事協議会だ。問い合わせ先は、豊中市役所内にある。
募集の校種は、小学校、中学校(国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術・家庭・英語)、養護教諭だ。2026年実施では、栄養教諭の採用予定は無かった。高校や特別支援学校は、募集に含まれていない。
大阪府の面接と教職教養は、別の記事で整理している。
受験案内には、「求める人物像」として、次の3つが書かれている。
豊能地区教職員人事協議会のページ(2026年8月28日付)によると、2027年実施のR10テストでは、共同実施自治体協議会が作成した共通問題を使って、筆答テスト(教養・教科専門)を行う。
共通化の仕組みは、教員採用試験の共通化とはで整理している。文部科学省が示した、共同実施に参画する51自治体の一覧(令和8年4月時点)には、「大阪府豊能地区」が入っている。
共同実施自治体協議会が示した出題方針と問題の構成は、次のとおりだ。
| 区分 | 内容 | 問題数 |
|---|---|---|
| 一般教養 | 人文・社会・自然分野(時事問題を含む) | 5問程度 |
| 一般教養 | 数的推理・資料解釈・判断推理 | 5問程度 |
| 教職教養 | 教師として職務を遂行する上で必要な、教育に関する法令、理論、知識等 | 30問程度 |
| 教科専門 | 教科(科目)で必要とされる専門知識等と、学習指導要領・指導法に関する問題 | 25問程度 |
小学校の教科専門は、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、体育、家庭、外国語が対象とされている。数学は、共通問題20問程度と、選択問題5問程度という構成だ。難易度は、一般教養が地方公務員採用試験(上級)、教職教養が教員資格認定試験、教科専門が文部科学省の委託事業のモデル問題と、同様のものを想定していると書かれている。
ただし、方針には、試験問題を各自治体で独自に改編する場合があること、自治体によっては一般教養または教職教養を実施しない場合があることも書かれている。豊能地区の実際の問題数や試験時間、第2次の内容は、確認した範囲では公表されていない。
出願期間と面接の日程も、まだ分からない。受験を考えている人は、受験案内が出るまで、豊能地区教職員人事協議会のページを確認してほしい。
2026年実施(令和9年度テスト)の流れを、参考に整理する。
| 区分 | 日程 |
|---|---|
| 出願 | 令和8年3月23日(月)10時〜4月24日(金)17時(電子申込) |
| 第1次 筆答テスト | 6月13日(土)9時30分〜12時。予備日6月14日(日) |
| 第1次 集団面接 | 6月30日(火)〜7月5日(日)のうち、指定した1日 |
| 第1次の結果発表 | 7月24日(金)予定 |
| 第2次 筆答テスト | 8月8日(土)。予備日8月9日(日) |
| 第2次 個人面接 | 8月18日(火)〜22日(土)のうち、指定した1日 |
| 第2次 実技(中学校の一部の教科) | 8月1日・3日・8日・23日(教科により異なる) |
| 最終結果の発表 | 9月29日(火)10時 |
| 試験 | 内容 | 時間 |
|---|---|---|
| 筆答テスト | 教職教養、教育関連の法規、教育公務員の倫理(服務規律)、教育時事、思考力・判断力を問う問題(文章理解、判断推理、資料解釈、数的処理等)。択一式30問。英文を含む問題も出題 | 90分 |
| 集団面接 | 受験者が複数で行う面接 | 概ね30〜40分 |
集団面接には、写真を貼ったエントリーシートを、4部(原本1部、コピー3部)持参する。様式は、協議会のホームページからダウンロードできる。
第1次選考の主な評価の観点は、受験案内に次のとおり書かれている。
| 試験 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 筆答テスト | 小学校は、国語・社会・算数・理科・英語の専門テスト(択一式・90分)。中学校は、出願した教科の教科専門テスト(択一式及び記述式)。国語・社会・数学・理科・技術・家庭と養護教諭は90分、音楽・美術・保健体育・英語は70分 | 全校種 |
| 個人面接 | 計20分 | 全校種 |
| 実技 | 中学校の音楽・美術・保健体育・英語のみ | 該当教科 |
受験案内の「今年度の主な変更点」には、次の2つが書かれている。
第2次の個人面接は、20分だ。面接個票は、第2次の受験対象者にメールで案内される。当日は、4部(原本1部、コピー3部。受験案内の表記はA3サイズ)持参する。
第2次の個人面接の主な評価の観点は、次の5つだ。
2026年実施の受験案内には、小論文や論作文のテストは無い。筆記は択一式(と、中学校の第2次の記述式)で、人物を見る試験は、第1次の集団面接と第2次の個人面接になる。
選考結果概要には、配点の割合も載っている。
| 選考区分 | 第1次 | 第2次 |
|---|---|---|
| 一般選考・障害者対象 | 面接300点+筆答300点=600点 | 面接400点+筆答400点=800点(※) |
| 大学3年生対象(小学校) | 面接300点+筆答300点=600点(第1次のみ) | ― |
| 豊能地区常勤講師等・教諭等経験者・大学等推薦者対象 | 面接600点(筆答なし) | 面接400点+筆答400点=800点(※) |
※ 中学校の音楽・美術・保健体育・英語は、面接400点+筆答200点+実技200点=800点。
合否は、選考区分ごとに、各テストの合計得点で決まる。筆答、面接、実技のいずれかで基準に達しないものがあると、不合格になる。点数の基準や合格点は、確認した範囲では公表されていない。
受験資格の共通要件は、地方公務員法第16条と学校教育法第9条に該当しないこと、出願に必要な免許状を持つこと(令和9年4月1日までに取得できなければ、合格で得た資格を失う)などだ。国籍は問われない。
選考区分ごとの要件は、2026年実施では次のとおりだ。
| 選考区分 | 主な要件 |
|---|---|
| 一般選考 | 昭和40年(1965年)4月2日以降に出生していること |
| 障害者対象の選考 | 上の生年月日に加えて、障害者手帳の交付を受けていること |
| 豊能地区常勤講師等対象の選考 | 令和6年4月〜令和8年3月に、豊能地区内の公立小学校・中学校・義務教育学校で、講師または養護助教諭(常勤)として通算12月以上の勤務経験があること |
| 教諭等経験者対象の選考 | 令和3年4月〜令和8年3月に、国立・公立・私立学校で、教諭等として通算24月以上の在職経験があること |
| 大学等推薦者対象の選考 | 課程認定を受けた大学等の在籍者で、学長等が推薦する人。出願は大学等を通じて行う |
| 大学等推薦者小中チャレンジ対象の選考(小学校) | 小学校と中学校の両方の免許状(取得見込みを含む)を持つ、推薦要件を満たす人 |
| 大学3年生対象の選考(小学校) | 大学3年次で、令和10年3月31日までに卒業見込みの人。第1次選考のみ受験できる |
大学3年生対象の選考で第1次に合格した人は、次年度に小学校の一般選考か障害者対象の選考を受ける場合、第1次選考が免除される。ただし、次年度も出願の手続きは必要だ。
年齢制限は、教員採用試験の年齢制限で自治体別に整理している。推薦制度は教員採用試験の大学推薦とは、大学3年次の受験は大学3年次受験(前倒し選考)とはにまとめている。
令和8年9月29日に発表された結果だ。倍率は、受験者数を最終合格者数で割った値で、受験者数には、第1次選考の免除を受けた受験者も含まれる。
| 校種 | 志願者 | 受験者 | 最終合格者 | 倍率(前年度) |
|---|---|---|---|---|
| 小学校 | 266 | 223 | 66 | 3.4(4.6) |
| 中学校 | 244 | 206 | 47 | 4.4(5.5) |
| 養護教諭 | 29 | 25 | 2 | 12.5(13.5) |
| 合計 | 539 | 454 | 115 | 3.9(5.1) |
別に、大学3年生対象の選考(小学校、第1次選考のみ)は、志願者48人、受験者42人、第1次合格者28人で、倍率1.5倍(前年度2.6倍)だった。この選考は、上の表には含まれていない。
第1次選考の合格者は242人(合格率54.6%)で、第2次選考の合格率は48.1%だった。
採用予定数と最終倍率の推移は、選考結果概要に載っている。令和3年度から令和9年度のテストまでだ。
| テスト | 令和3 | 令和4 | 令和5 | 令和6 | 令和7 | 令和8 | 令和9 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 合計の採用予定数(約) | 140 | 130 | 150 | 160 | 140 | 90 | 110 |
| 合計の志願者 | 939 | 829 | 712 | 676 | 657 | 598 | 539 |
| 合計の最終合格者 | 168 | 134 | 160 | 165 | 138 | 93 | 115 |
| 合計の最終倍率 | 4.2 | 4.8 | 3.7 | 3.4 | 4.0 | 5.1 | 3.9 |
| 小学校の最終倍率 | 3.2 | 3.7 | 2.8 | 2.8 | 3.4 | 4.6 | 3.4 |
| 中学校の最終倍率 | 6.3 | 7.1 | 4.9 | 4.0 | 4.4 | 5.5 | 4.4 |
| 養護教諭の最終倍率 | 15.0 | 10.5 | 13.5 | 12.5 | 15.0 | 13.5 | 12.5 |
志願者は、令和3年度の939人から、令和9年度の539人まで、毎年減っている。一方で、採用予定数が令和8年度に約90人まで下がり、倍率は5.1倍に上がった。令和9年度は、採用予定数が約110人(小学校約60人、中学校約50人)に戻り、倍率は3.9倍になった。倍率は、志願者の数だけでなく、採用予定数の増減で大きく動く。 養護教諭は、毎年、最終合格者が2人で、倍率は10倍を超えている。
この数字から、豊能地区の難易度が高いか低いかは判断しない。他の自治体との比べ方は、教員採用試験の倍率・難易度ランキングで整理している。
選考区分によって、最終合格者の数と倍率は、かなり違う。
| 選考区分 | 最終合格者 | 倍率 |
|---|---|---|
| 一般選考 | 43 | 4.3 |
| 一般選考(第1次選考免除) | 8 | 1.3 |
| 豊能地区常勤講師等対象 | 28 | 6.4 |
| 教諭等経験者対象 | 14 | 2.4 |
| 大学等推薦者対象 | 21 | 2.1 |
| 大学等推薦者小中チャレンジ | 1 | 1.0 |
| 障害者対象 | 0 | ― |
| 合計 | 115 | 3.9 |
最終合格者115人のうち、一般選考は43人だ。豊能地区常勤講師等対象の選考は、受験者が多く、倍率は6.4倍(小学校6.5倍、中学校6.1倍)だった。校種別の一般選考の倍率は、小学校が4.0倍、中学校が4.1倍だ。第1次選考の免除の倍率は、最終合格者数を第2次選考の受験者数で割って出されている。
| 教科 | 受験者 | 最終合格者 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 21 | 7 | 3.0 |
| 社会 | 39 | 6 | 6.5 |
| 数学 | 29 | 6 | 4.8 |
| 理科 | 11 | 6 | 1.8 |
| 音楽 | 6 | 3 | 2.0 |
| 美術 | 4 | 2 | 2.0 |
| 保健体育 | 69 | 6 | 11.5 |
| 技術 | 1 | 1 | 1.0 |
| 家庭 | 6 | 3 | 2.0 |
| 英語 | 20 | 7 | 2.9 |
保健体育(11.5倍)と社会(6.5倍)が高く、理科(1.8倍)は低い。養護教諭は、受験者25人に対して最終合格者2人で、12.5倍だった。
結果の発表資料には、最終合格者の平均年齢などが載っている。
受験案内には、令和4年度(2022年度)から令和8年度(2026年度)までのテスト問題が、協議会のホームページで公開されていると書かれている。令和9年度(2027年度)についても、2026年7月24日に第1次の問題集と正答、9月29日に第2次の問題と解答例が、ホームページの更新情報として公表された。
令和6〜8年度のテスト問題は、豊中市の市政情報コーナー、池田市の行政情報コーナー、箕面市教育委員会の教職員人事室、豊能町の行政情報コーナー、能勢町の住民情報コーナーでも、閲覧できる(コピーは有料)。
2027年実施は、筆答が共通問題に変わる。共通問題の形式は、共同実施自治体協議会が公表しているモデル問題で確認できる。豊能地区が、問題数や時間をどう設定するかは、受験案内が出るまで分からない。
ここからは、受験案内に書かれた事実ではなく、一般論だ。
豊能地区は、小論文が無い。人物を見る試験は、第1次の集団面接と、第2次の個人面接(20分)だ。評価の観点は公表されているので、「場面に応じた適切な対応ができるか」「組織の一員としての自覚をもち、他者と協力しながら教育活動をすすめていこうとする姿勢はあるか」といった言葉に沿って、自分の答えを点検できる。
第2次では、模擬対応が廃止されて、個人面接が20分になった。面接個票に書いた内容をもとに、話を深めていく練習を重ねておくと、言葉が出やすくなる。声に出して、時間を測りながら話すことが大切だ。論作AIでは、面接の練習ができる。
最終合格者の現況では、講師(常勤・非常勤)が43.5%を占める。豊能地区内の公立学校で常勤講師を経験した人は、豊能地区常勤講師等対象の選考を受けられる。この選考は、第1次が面接のみで、倍率も一般選考とは違う。自分がどの選考区分の要件を満たすかは、受験案内の要件を、細かく読んで確認するとよい。
筆答は、6月12日(土)に、共通問題で行われる予定だ。その他の日程や内容は、受験案内の公表を待つことになる。最新の情報は、大阪府豊能地区教職員人事協議会のホームページで確認できる。問い合わせ先は、協議会(豊中市役所内)だ。
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