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広島県・広島市の教員採用試験は、県教育委員会と市教育委員会が共同で実施している。
1つの試験を受けて、県か市、どちらかの採用候補者名簿に載る仕組みだ。
令和8年度の第2次選考試験は、8月18日(火)から20日(木)までの3日間のうち、指定された2日若しくは3日で行われる。
第1次選考の結果通知が7月31日(金)なので、この記事を読んでいるということは、結果を待っているか、すでに結果が出て2次に向かっているところだと思う。
広島の面接には、他の自治体と比べて決定的に違う点が2つある。
1つ目は「模擬授業面接」という試験項目。
模擬授業と面接が別々の試験ではなく、1つの項目として設計されている。
当日提示される資料をもとにその場で学習指導案を作り、授業か場面指導のどちらかを行い、そのまま個人面接に入る。
「授業になるか、場面指導になるかは当日までわからない」——これが広島を受ける人の一番の不安点だと思う。
2つ目は、県と市の共同実施であるがゆえに、「求められる教職員像」が県と市で別々に定義されていること。
とくに広島市には「平和を希求する心」という、他の自治体にはない項目がある。
県を受けるのか、市を受けるのか、あるいはどちらでもいいのか——立場によって、志望動機の組み立て方が変わってくる。
この記事は、広島県教育委員会が公表している令和9年度(来年度)選考の実施要項PDFをもとに書いている。
推測で埋めるより、実施要項に書かれている情報だけを頼りにしたほうが、当日の落ち着きにつながると思うからだ。
実施要項に記載がない項目については、正直に「記載なし」と書く。
集団討論や集団面接があるかのように書いている情報を見かけたら、まずこの記事と実施要項を照らし合わせてほしい。
県と市の共同実施であること、第2次選考が8月18日〜20日の3日間のうち指定日で行われることを、まず押さえてほしい。
| 項目 | 期日 |
|---|---|
| 受付期間 | 令和8年4月6日(月)〜5月7日(木)17:00まで |
| 第1次選考試験(一般選考等) | 令和8年7月11日(土) |
| 第1次選考試験(社会人・臨時的任用等教職経験者特別選考) | 令和8年7月12日(日) |
| 第1次選考結果通知 | 令和8年7月31日(金) |
| 第2次選考試験 | 令和8年8月18日(火)〜20日(木)(3日間のうち2日若しくは3日) |
| 現職教員を対象とした特別選考 | 令和8年8月22日(土) |
| グローバル人材を対象とした特別選考【教職経験者】 | 令和8年8月22日(土) |
| 最終結果通知 | 令和8年9月25日(金) |
出典: 令和9年度広島県公立学校教員採用候補者選考試験 実施要項PDF
3日間のうち何日を指定されるかは受験者によって異なる。
自分がいつ何を受けるのか、通知が届いたらすぐに確認してほしい。
第2次選考試験の内容は、一般選考・障害のある者を対象とした特別選考・グローバル人材【外国人留学生等】を対象とした特別選考が同じ枠組みで実施される。
社会人を対象とした特別選考、臨時的任用等教職経験者を対象とした特別選考、大学等推薦による特別選考についても、実施要項には「第2次選考試験は一般選考と同様」と明記されている。
つまり、この記事で書く模擬授業面接・個人面接の中身は、ほとんどの受験区分に共通する話だと思っていい。
現職教員・グローバル人材【教職経験者】の特別選考は個人面接が2回になるなど扱いが異なるので、これは記事後半で別に触れる。
実施要項に明記されている第2次選考試験の項目は、次の3つだ。
| 試験項目 | 教諭 | 養護教諭 | 栄養教諭 | 試験内容 |
|---|---|---|---|---|
| 教科等実技 | ○(該当校種・教科等のみ) | ○ | — | 教科等ごとに設定された実技課題 |
| 模擬授業面接 | ○ | ○ | ○ | 当日提示する資料に沿って学習指導案を作成し、児童生徒を想定した授業若しくは場面指導を行った後、個人面接を実施 |
| 個人面接 | ○ | ○ | ○ | 受験者1人につき1回実施 |
出典: 実施要項PDF
栄養教諭は教科等実技の対象外だが、模擬授業面接と個人面接は他の校種と同じように課される。
3本立てのうち、模擬授業面接と個人面接の中身を厚く見ていく。
教科等実技は教科ごとに内容が大きく異なるので、後半の校種別対策のところで扱う。
集団討論・集団面接という言葉は、この実施要項のどこにも出てこない。
「1次を突破したら次は集団討論だ」という思い込みで対策を進めている場合は、一度立ち止まって実施要項を見直してほしい。
論作文・小論文も同じで、広島県の教員採用試験には試験項目として存在しない。
一次選考は教職に関する専門教育科目・教科に関する専門教育科目のマークシート・記述式が中心で、作文を書く試験は入っていない。
「広島は作文がない分、面接で人物を見る配分が大きい」——そう捉えたほうが、これからの対策の解像度が上がると思う。
当日提示される資料をもとにその場で指導案を作り、授業か場面指導のどちらかを行い、そのまま個人面接に入る。この一連の流れそのものが1つの試験項目になっている。
多くの自治体では、模擬授業と個人面接は別の試験として日程が分かれているか、少なくとも別の枠として設計されている。
広島県・広島市の実施要項を見ると、この2つが1つの試験項目として明記されている。
当日提示する資料に沿って、学習指導案を作成し、児童生徒を想定した授業若しくは場面指導を行った後、個人面接を実施
出典: 実施要項PDF
この一文を分解すると、当日の流れは次の4段階になる。
指導案の作成時間や、授業・場面指導の実施時間について、実施要項に具体的な分数の記載は見当たらない。
「◯分で指導案を作れ」「◯分で授業をしろ」という情報を見かけても、実施要項の裏づけがない数字なので鵜呑みにしないでほしい。
受験する年度の実施要項・第2次選考の案内文書で、時間配分が明示されているかどうかを必ず確認してほしい。
広島の模擬授業面接を受ける人が一番不安に感じるのは、おそらくここだと思う。
授業の指導案のつもりで準備していたら、当日「場面指導をしてください」と言われるかもしれない。
逆に、場面指導を想定して身構えていたら、普通に授業をすることになるかもしれない。
この構造を前提にすると、対策の方向性は「授業用」と「場面指導用」を別々に仕上げることではなく、どちらが来ても対応できる土台を作ることになる。
論作AI制作チームの元小学校教員は、模擬授業と場面指導は「教える」か「向き合う」かの違いはあっても、根っこの部分は同じだと考えている。
児童生徒の実態を想定し、発問や声かけで考えを引き出し、表情や態度で引き付け、出てきた反応に共感的に対応する——この動きは、授業でも場面指導でも変わらない。
だからこそ、事前の準備は「決まった1つの指導案を丸暗記する」方向ではなく、「その場で出された資料に対して、自分がどう反応するか」の型を作る方向に寄せたほうがいい。
指導案作成の練習を重ねる中で、次の3つを言語化しておくと、当日どちらが来ても崩れにくくなる。
指導案の書き方そのものをもう少し丁寧に確認したい場合は、教員採用試験 模擬授業 完全攻略に評価観点や指導案の型がまとまっている。
場面指導が来た場合の頻出テーマや対応の組み立て方は、教員採用試験 場面指導 完全攻略を合わせて確認しておくと、どちらに転んでも準備の抜けが少なくなる。
実施要項に明記されている模擬授業面接の評価項目は、次の3つだ。
出典: 実施要項PDF
1. 児童生徒の考えを引き出す発問ができ、専門的な知識・技能など十分な指導力をもっている
「説明が上手にできるか」ではなく、「児童生徒の考えを引き出せるか」が問われている点に注意してほしい。
一方的に知識を伝える発問(「これは何ですか」で終わる発問)よりも、「なぜそう思ったのか」「他にはどんな考え方があるか」まで踏み込める発問のほうが評価につながりやすい。
専門的な知識・技能についても触れられているので、扱う内容そのものの正確さは当然の前提として持っておく必要がある。
2. 児童生徒を引き付ける表情、動作ができるなど表現力が豊かである
声のトーン、間の取り方、身振り——このあたりが評価対象になっている。
指導案の中身がどれだけ練られていても、無表情・単調な声のまま進めると、この観点では評価されにくい。
1人で練習するときも、実際に声に出し、身振りをつけながらやってみることを勧める。
鏡の前や、スマートフォンで自分を撮影しながらの練習は、想像以上に自分の癖に気づける。
3. 児童生徒に共感的、受容的な対応ができる
これは模擬授業(または場面指導)の中で、児童生徒役がいない状況でも問われる観点だと考えられる。
「児童生徒がいると想定して」進める以上、「もしここで児童生徒がこう反応したら」という一言を挟みながら、その反応をどう受け止めるかを言葉にして見せる姿勢が評価につながりやすい。
場面指導が出た場合は、この観点がより直接的に問われる。
児童生徒(または保護者)の言葉をどう受け止め、どう応答するかが、そのまま評価の中心になる。
実施要項に持ち込み物や補助資料についての記載は見当たらない。
不明な点は、受験する年度の実施要項・第2次選考の案内文書で確認してほしい。
準備として確実にできることは、次の3つだと思う。

模擬授業面接の直後に入る個人面接とは別に、単独の「個人面接」が1回ある。評価観点は3つ、いずれも「人としてどう働くか」を見る質問設計になっている。
広島の面接を整理するときに混乱しやすいのがここだ。
「個人面接」という言葉が2か所に出てくる。
1つは、模擬授業面接の一部として、授業(または場面指導)の直後に行われる個人面接。
もう1つは、試験項目として独立している「個人面接」で、受験者1人につき1回実施される。
実施要項の書きぶりからは、この2つが同じ場で連続して行われるのか、別の時間帯・別の面接官で行われるのかまでは判断できない。
不明な点は、受験する年度の実施要項・第2次選考の案内文書で確認してほしい。
ただし対策の面では、どちらの「個人面接」であっても評価される観点は同じ方向を向いていると考えて差し支えない。
独立した「個人面接」の評価項目として、実施要項には次の3つが明記されている。
出典: 実施要項PDF
1. 児童生徒に対する愛情、教育に対する熱意、意欲等をもっている
「なぜ教師になりたいか」「なぜ広島(県・市)なのか」という質問は、この観点を確かめるためのものだと考えると答えの組み立て方が定まる。
抽象的な理想論だけで終わらせず、自分が児童生徒と関わってきた具体的な場面(教育実習・部活動の指導・塾講師のアルバイトなど)から、なぜその子たちのために働きたいと思ったのかを話せると説得力が増す。
2. 自ら進んで事にあたり、より効果的に行おうとする意思がある
指示を待つ人材ではなく、自分から動き、かつ「もっとよくできないか」を考え続ける姿勢が見られている。
「これまでにどんな課題を見つけて、自分から動いたか」「その結果どう改善されたか」という具体的なエピソードを1つ持っておくと、この観点への回答がぶれない。
3. 組織の中で自己の役割を認識し、良好な人間関係を築くことができる
学校は1人で完結する職場ではない。
「同僚や管理職とどう連携してきたか」「意見が対立したときにどう折り合いをつけたか」という経験は、教育実習・アルバイト・部活動・サークル活動のどこからでも引き出せる。
「自分の役割を自覚したうえで、周囲とどう関わってきたか」という角度で1つエピソードを整理しておく。
3つの評価観点に沿って、準備しておきたい想定質問と、回答を組み立てる骨格を整理する。
いずれも実施要項の評価観点から論理的に導かれる想定質問であり、広島県・広島市で実際に出題されたという記録が確認できているものではない。
受験する年度に実際に問われる質問とは異なる可能性がある前提で、あくまで準備の型として使ってほしい。
「愛情・熱意・意欲」に関する想定質問
回答の骨格は「きっかけとなった具体的な経験」→「そこで感じたこと」→「教師としてどう体現したいか」の3段階が基本になる。
「自ら進んで、より効果的に」に関する想定質問
回答の骨格は「気づいた課題」→「自分が取った行動」→「結果と、そこから学んだこと」の3段階。
長時間労働についての質問は、単に「問題だと思う」で止めず、「自分ならどう動くか」まで踏み込めると意思の強さが伝わる。
「組織の中での役割・人間関係」に関する想定質問
回答の骨格は「自分の特性」→「それが組織の中でどう発揮されたか(またはどう課題になり、どう向き合ったか)」→「学校現場でどう活かしたいか」の3段階。
短所については、隠すよりも「自覚していて、こう向き合っている」という姿勢のほうが、2番目の観点(自ら進んでより効果的に行おうとする意思)にもつながる。
授業(または場面指導)を終えた直後、間を置かずに個人面接が始まる。
この切り替えの速さに慣れておくことも、準備のうちだと思う。
授業の手応えがどうであれ、次の質問には冷静に答える必要がある。
「今の授業(場面指導)を自己採点すると何点か」「改善するとしたらどこか」という振り返りの質問が来ることを想定し、誠実に自分の課題を言葉にできるようにしておくと、2番目の評価観点(より効果的に行おうとする意思)にそのままつながる。
1つの試験でも、県と市では「求められる教職員像」がまったく別に定義されている。とくに広島市の「平和を希求する心」は他の自治体にない項目で、志望動機の組み立て方を左右する。
広島県教育委員会が実施要項に明記している「求められる教職員像」は次の8つだ。
出典: 実施要項PDF
加えて「広島県が特に求める資質・能力」として、次の3点が示されている。
出典: 実施要項PDF
3点を通して読むと、「1人で正解を出す力」より「他者と考えを重ねながら新しい答えを作る力」に重心があることがわかる。
広島県を志望する場合、志望動機の中に「自分1人の努力」ではなく「子どもたちと、あるいは同僚と、一緒に考えを深めていく」という要素を入れられると、この教職員像との接続が生まれる。
広島市教育委員会が実施要項に明記している「求められる教職員像」は、3つのカテゴリに整理されている。
《使命感や責任感・教育的愛情》
《専門職としての高度な知識・技能》
《総合的な人間力》
出典: 実施要項PDF
さらに「広島市が特に求める資質・能力」として、「広島市のこどもたちに以下の資質・能力を育成する力」が示されている。
出典: 実施要項PDF
この項目は、広島市の実施要項にしか出てこない。
広島市が育成したいこどもの資質・能力として挙げられているものであり、この項目を面接官に向けて語るということは、「自分がこのまちの子どもたちに平和を希求する心をどう育てたいか」という視点で話すことを意味する。
注意してほしいのは、「原爆」「平和記念公園」といった歴史的な事象を知っている、というだけで終わらせないことだ。
大切なのは、その歴史を踏まえたうえで、日常の学級経営や授業の中に「平和を希求する心」をどう組み込みたいか、という具体性だと思う。
たとえば「多様な意見を尊重し合う学級づくり」「対立を力ではなく対話で解決する経験を積ませる」といった、日々の教育活動と結びつけて語れると、この項目への理解が伝わりやすい。
同じ1つの試験を受けるとしても、志望動機を語るときに意識する軸は変えたほうがいい。
ただし、ここで必ず知っておいてほしい規定がある。 実施要項の「その他」には、こう書かれている。
広島県及び広島市の各採用見込人員の3割の範囲内においては、受験者の採用希望先である広島県又は広島市の希望を尊重します。なお、それ以外の場合においては、広島県の希望者が広島市教育委員会の採用候補者名簿に、広島市の希望者が広島県教育委員会の採用候補者名簿に登載されることがあります。
採用希望先を出すことはできる。 だが、その希望が尊重されるのは採用見込人員の3割の範囲内で、それを超えた場合は希望と逆側の名簿に登載されることがある、ということだ。
これは面接での志望動機の立て方に直結する。
「広島市の平和教育に関わりたいので、広島市を志望しました」——この言い方だけで終えると、 面接官の側からすれば「では県に配属されたらどうするのか」という問いが自然に浮かぶ。 実際に県の名簿に登載される可能性が制度として存在するのだから、当然の確認だ。
片方でなければ意味がない、という立て方は避けたほうがいい。
軸は「広島でやりたいこと」に置く。 そのうえで、市の教職員像に強く共感しているなら「特に広島市の『平和を希求する心』という項目に自分の経験が重なる」と具体を語り、 県に配属された場合も同じ軸で力を尽くせることを言葉にできる状態にしておく。 どちらに転んでも崩れない志望動機の作り方が、広島では特に効いてくる。
出願時の詳細な取り扱いは、受験する年度の実施要項・出願案内で必ず確認してほしい。
模擬授業面接の題材も、教科等実技の有無も、校種によって変わる。自分の区分に引きつけて読んでほしい。
令和8年度の志願者状況(令和8年6月26日公表)を見ると、校種によって倍率の差が大きい。
| 校種・職種 | 志願者数 | 採用見込人員 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 小学校教諭 | 820人(793人) | 340人程度(350人) | 2.4倍(2.3倍) |
| 中学校教諭 | 799人(831人) | 390人程度(350人) | 2.0倍(2.4倍) |
| 高等学校教諭 | 654人(711人) | 207人程度(235人) | 3.2倍(3.0倍) |
| 特別支援学校教諭 | 159人(158人) | 115人程度(80人) | 1.4倍(2.0倍) |
| 養護教諭 | 273人(289人) | 33人程度(36人) | 8.3倍(8.0倍) |
| 栄養教諭 | 39人(43人) | 若干名 | — |
出典: 志願者状況(広島県教育委員会)
かっこ内は前年度の数字。
第1次受験者数(令和8年7月28日公表)では、小学校教諭の受験者は758人、受験率91.8%であることが公式に確認できている。
他校種の内訳は公式PDFを直接確認してほしい。
小学校教諭(および特別支援学校教諭・小学部)の第1次選考における教科専門200点は、次のように配分されている。
国語28点・社会18点・算数28点・理科18点・生活18点・音楽18点・図画工作18点・家庭18点・体育18点・外国語18点。
出典: 実施要項PDF
全科をまんべんなく問われることから、模擬授業面接で提示される資料も、教科を横断した題材になる可能性を想定しておいたほうがいい。
小学校教諭の教科等実技については、実施要項の別表に小学校区分向けの実技課題は見当たらない。
音楽・図画工作など特定教科の専科を志望する場合の扱いは、受験する年度の実施要項の別表で必ず確認してほしい。
小学校教諭は志願者数が820人で校種の中でも最も多く、模擬授業面接・個人面接ともに、他の受験者と差別化できる具体性を持てるかが鍵になる。
「学級担任として、児童生徒の考えを引き出す発問ができるか」という評価観点に対して、教育実習や学習支援ボランティアの経験から、実際に児童の反応が変わった場面を1つ具体的に語れるようにしておくといい。
中学校教諭は、教科担任制のため、模擬授業面接で提示される資料も自分の専門教科に関わるものになると考えられる。
志願者数799人に対して採用見込み390人程度、倍率2.0倍。
該当する教科(音楽・美術・保健体育・技術・家庭・英語など)を志望する場合は、教科等実技が課される。
出典: 実施要項PDF
教科等実技がある教科を受験する場合、模擬授業面接・個人面接に加えて実技の準備も並行して進める必要がある。
たとえば英語は「英語による面接」という形式の実技が設定されている。
模擬授業面接とは別の場面で英語での応答力が問われるため、日頃から英語で自分の教育観・志望動機を話す練習をしておくと安心材料になる。
場面指導が出た場合、中学生の発達段階(思春期特有の反発・プライド)を想定した対応を意識しておきたい。
高等学校教諭は志願者数654人に対して採用見込み207人程度、倍率3.2倍と、他の校種と比べても高い水準にある。
教科担任制である点は中学校と同じで、教科等実技の対象になる教科(音楽・美術・保健体育・書道・情報・農業各分野・工業各分野・商業・看護・福祉など)も幅広い。
出典: 実施要項PDF
保健体育の実技課題は、高校区分では「ストレスへの対応」を除く構成になっている点が、他校種との違いとして実施要項に明記されている。
模擬授業面接では、大学入試を意識した知識偏重の授業にならないよう、生徒が自分の頭で考える場面をどう組み込むかを意識しておきたい。
倍率が高い分、個人面接での「なぜこの教科を、なぜ広島県(市)で教えたいのか」という問いに対する言葉の精度が、他の受験者との差になりやすい。
特別支援学校教諭は志願者数159人に対して採用見込み115人程度、倍率1.4倍。
前年度の倍率2.0倍と比べると、採用見込み人員が80人程度から115人程度へと大きく増えている。
出典: 志願者状況(広島県教育委員会)
教科等実技については、該当する校種・教科等に応じて実施される。
模擬授業面接では、どの障害種の学校を志望するかによって想定する児童生徒像が変わってくる。
知的障害・肢体不自由・視覚障害・聴覚障害など、自分が志望する障害種に応じた指導案の骨格を、複数パターン用意しておくと当日の資料に対応しやすい。
「児童生徒に共感的、受容的な対応ができる」という評価観点は、特別支援教育においてとくに重視される部分だと考えられる。
一人ひとりの実態に合わせた関わり方を、具体的な言葉で説明できるようにしておきたい。
養護教諭は志願者数273人に対して採用見込み33人程度、倍率8.3倍と、小学校・中学校・高校・特別支援と比べて突出して高い。
出典: 志願者状況(広島県教育委員会)
養護教諭は教科等実技の対象で、「保健管理のうち当日指示する課題」が課される。
評価項目は「保健管理は適切である」ことが明記されている。
出典: 実施要項PDF
模擬授業面接では、保健室での対応や保健指導の場面が資料として提示される可能性がある。
「保健室に来る子どもの言葉を、まず受け止める」という姿勢は、模擬授業面接の評価観点(共感的、受容的な対応)にも、個人面接の評価観点(児童生徒に対する愛情)にも直結する。
倍率の高さは採用枠自体が少ないことが背景にあるため、対策の量よりも、一回一回の準備の精度が問われる選考だと捉えたほうがいい。
栄養教諭は志願者数39人に対して採用見込みが若干名で、他校種のような倍率の数値は公式には示されていない。
出典: 志願者状況(広島県教育委員会)
栄養教諭は教科等実技の対象外で、模擬授業面接と個人面接が中心になる。
出典: 実施要項PDF
模擬授業面接で提示される資料は、食育に関する題材になることが想定される。
給食管理という栄養教諭独自の職務にも触れながら、「食を通じて子どもの成長を支える」という自分の言葉を1つ持っておくと、個人面接での深掘りにも対応しやすい。
採用枠が少ない校種のため、他校種以上に「なぜ栄養教諭として広島(県・市)で働きたいか」の解像度が問われると考えたほうがいい。
現職教員とグローバル人材【教職経験者】の特別選考は、模擬授業と個人面接をそれぞれ2回行う点が一般選考と異なる。
現職教員を対象とした特別選考は、第2次選考試験として「模擬授業及び個人面接を受験者1人につき2回」実施すると実施要項に明記されている。
試験日は令和8年8月22日(土)。
出典: 実施要項PDF
一般選考の「模擬授業面接+個人面接」という組み合わせが、現職教員特別選考では2セット行われる形だと理解しておくといい。
現職経験があるからこそ、日々の実践を抽象的な理想論で語るのではなく、実際に担任・教科担当として行ってきた具体的な指導や、児童生徒・保護者との関わりの中で得た手応えを、2回分の模擬授業・面接それぞれで一貫して語れるように準備しておきたい。
グローバル人材を対象とした特別選考のうち、教職経験者向けの区分では、模擬授業を「日本語又は英語で学習指導案を作成」したうえで実施し、個人面接も2回行うと実施要項に明記されている。
試験日は現職教員特別選考と同じ、令和8年8月22日(土)。
出典: 実施要項PDF
日本語・英語のどちらで指導案を作成するかを選べる設計になっている点が特徴だ。
自分がより専門性を発揮しやすい言語を選び、その言語で「児童生徒の考えを引き出す発問」ができるレベルまで練習を重ねておく必要がある。
社会人を対象とした特別選考、臨時的任用等教職経験者を対象とした特別選考、大学等推薦による特別選考は、いずれも第1次選考の内容や配点に特徴があるものの、第2次選考試験は「一般選考と同様」と実施要項に明記されている。
出典: 実施要項PDF
つまり、これらの特別選考を受ける場合も、この記事で書いてきた模擬授業面接・個人面接の対策がそのまま当てはまる。
自分の受験区分が一般選考と同じ枠組みなのか、現職教員・グローバル人材【教職経験者】のように2回実施される枠組みなのか、まず実施要項で確認するところから始めてほしい。
第2次選考試験(8月18日〜20日のうち指定日)の直前に確認しておきたいことを4つのカテゴリに整理した。
頭の中で組み立てた答えは、声に変換されて初めて面接の得点になる。
広島の場合はとくに、模擬授業面接という「授業か場面指導かわからない」状態から個人面接に切り替わる構造そのものに慣れておく必要がある。
論作AIの面接練習AIは、登録すればいま4問まで無料で試せる。
クレジットカードの登録は不要だ。
AI面接官から届く質問に声で(あるいは文字で)答えると、5観点100点の採点と改善コメントが返ってくる。
「なぜ広島(県・市)を志望するか」「児童生徒に対する愛情・熱意」「組織の中での役割」——この記事で整理してきた評価観点に沿った想定質問を、その場で壁打ちできる。
広島は論作文(小論文)を実施しない自治体なので、教育観を文字で鍛える機会がない分、面接で口に出して鍛える練習の比重が他の自治体より大きくなると思う。
模擬授業(または場面指導)の骨格を作ったら、その直後に来る個人面接の質問も一緒に声に出しておく——この一連の流れを、本番前に一度でも通しておくと、当日の切り替えの速さに慣れやすくなる。
一次選考の教職教養の傾向や配点を確認したい場合は、広島県教員採用試験 教職教養 完全対策、広島の選考全体の流れをもう一度俯瞰したい場合は広島県教員採用試験 完全ガイドも参考にしてほしい。
面接カードや自己申告書の書き方に不安がある場合は、教員採用試験 面接カードの書き方と記入例も合わせて確認しておくといい。
広島県・広島市の自治体情報を横断的に見たい場合は、広島県 教員採用試験ハブページも活用してほしい。
登録してすぐ使えて、想定質問を1つずつ声に出して固めていく——本番までの時間が限られている今、この一巡を済ませておく価値はあると思う。
広島県・広島市の教員採用試験の面接について、よく聞かれる質問をまとめた。
公式の実施要項には、集団討論・集団面接という試験項目の記載がない。
第2次選考試験の項目として明記されているのは「教科等実技」「模擬授業面接」「個人面接」の3つ。
年度によって運用が変わる可能性があるため、受験する年度の実施要項で最終確認してほしい。
実施されていない。
広島県教育委員会の実施要項に論作文・小論文の試験項目は記載がなく、第1次選考は教職に関する専門教育科目・教科に関する専門教育科目、第2次選考は教科等実技・模擬授業面接・個人面接という構成になっている。
広島県独自の試験項目で、模擬授業と個人面接が1つの枠として設計されている。
当日提示される資料に沿ってその場で学習指導案を作成し、児童生徒を想定した授業若しくは場面指導を行った後、そのまま個人面接に入る。
授業になるか場面指導になるかは、当日までわからない。
希望を出すことはできるが、完全には選べない。
実施要項には「広島県及び広島市の各採用見込人員の3割の範囲内においては、受験者の採用希望先である広島県又は広島市の希望を尊重します。なお、それ以外の場合においては、広島県の希望者が広島市教育委員会の採用候補者名簿に、広島市の希望者が広島県教育委員会の採用候補者名簿に登載されることがあります」と明記されている。
つまり希望が通るのは採用見込人員の3割の範囲内までで、それを超えると希望と逆側の名簿に載ることがある。
面接で志望動機を語るときも、片方でなければ意味がないという立て方は避けたほうがいい。
出願時の項目や運用の詳細は、受験する年度の実施要項・出願案内で確認してほしい。
実施要項には具体的な制限時間の記載がない。
「不明」として扱い、受験する年度の実施要項・第2次選考の案内文書で必ず確認してほしい。
公式に公表されているのは第1次選考試験の配点(教職に関する専門教育科目50点、教科に関する専門教育科目200点など)のみ。
第2次選考試験の配点は実施要項に記載がない。
不明な点は受験する年度の要項で確認してほしい。
広島県教員採用試験の教職教養(教育原理/心理/法規/時事)の傾向、配点、広島市との分離関係を元教員が解説。よく出るテーマと学習法を網羅。
広島県・広島市の教員採用試験対策の完全ガイド。2021年から小論文が廃止され、択一式筆記試験に全面移行した経緯と現行試験の全体像を整理。個人面接・模擬授業面接の対策法、広島版「学びの変革」アクションプランへの対応、西日本豪雨を踏まえた防災教育の視点まで、元教員の知見をもとに解説。
教員採用試験の面接カード(面接シート・自己申告書)の書き方を、欄ごとの記入例つきで整理。自己PR・志望理由・教育観・特技・学生時代の経験をNG例とOK例で対比し、面接当日にどう掘り下げられるかまで踏み込む。自治体ごとの様式差も収録。
教員採用試験の模擬授業を徹底解説。評価5観点・当日の流れ・校種別(小学校/中学校/高校/特別支援)攻略ポイント・教科別指導案と発問例・採点者視点の挽回事例まで、元小学校教員がまとめました。
教員採用試験の場面指導を完全攻略。1分構想テンプレ・頻出テーマ20例・校種別(小学校/中学校/高校/特別支援/養護教諭)例文22選・NG行動5パターン・採点者が見る5観点・主要自治体の傾向まで、元小学校教員が実体験をもとに解説。
千葉県教員採用試験の面接カードと自己申告票の書き方を公式様式で整理。自己アピール(教員として生かせること)・志願の理由・採用希望地区6地区・志願の状況の各欄から、二次の個人面接でどう深掘りされるかまで解説。
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