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愛媛県の二次試験は、「どの校種を受けるか」で対策がまるごと変わる。
小学校・中学校・養護教員・栄養教員を受ける人は小論文(60分・1,000〜1,200字)。 高等学校を受ける人は模擬授業。 特別支援学校(小学部・中学部・高等部すべて)を受ける人は場面指導。
この三分岐が、愛媛の最大の特徴です。
「とりあえず小論文対策しておけばいいよね」と思って当日ガイダンスで初めて気づく人を、私は何人か見てきました。 元小学校教員として断言しますが、愛媛は「自分が受ける校種の試験形式」を最初に確認するのが、対策のスタートラインです。
二次試験は 8月18日(火)〜21日(金)の4日間、松山市と大阪府の2会場で実施されます。 1次の貯金がそのまま配点に乗ってくる構造なので、1次の出来が良かった人はその優位を活かす戦略が取れ、1次ギリギリだった人は2次の個別試験で逆転を狙う構造になっています。
この記事では、校種別の三分岐の全体像から、小論文・模擬授業・場面指導それぞれの対策、面接・実技・直前1週間の動き方まで、ひとつにまとめます。
愛媛の二次試験で最初に押さえるべきは、この表です。
| 校種・区分 | 小論文 | 模擬授業 | 場面指導 | 実技 | 面接 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小学校教員 | ○ | — | — | — | ○ |
| 中学校教員(実技なし教科) | ○ | — | — | — | ○ |
| 中学校教員(実技あり教科) | ○ | — | — | ○ | ○ |
| 高等学校教員(実技なし教科) | — | ○ | — | — | ○ |
| 高等学校教員(実技あり教科) | — | ○ | — | ○ | ○ |
| 特別支援学校(小学部) | — | — | ○ | — | ○ |
| 特別支援学校(中学部・高等部・実技なし) | — | — | ○ | — | ○ |
| 特別支援学校(中学部・高等部・実技あり) | — | — | ○ | ○ | ○ |
| 養護教員 | ○ | — | — | ○ | ○ |
| 栄養教員 | ○ | — | — | — | ○ |
※ 全校種共通で 適性検査 が課される。配点には含まれないが、受験必須。
校種別差分の構造が似ている県として、栃木県の二次試験ガイドも参考になります(ただし愛媛とは分岐の方向が逆で、栃木は小中=面接のみ/高・特=面接+論作文の構造)。
二次試験は 2026年8月18日(火)から21日(金) にかけて実施されます。
試験会場は2か所です。
大阪会場が設定されているのは、関西圏在住の受験者や、他府県で働きながら愛媛を受験している人への配慮です。 どちらを選ぶかは出願時に指定します。 自分の居住地・就業地に合わせて選べる点は、社会人受験者にとって地味にありがたい設計です。
4日間のうち自分の試験がどこに入るかは受験票で確認します。 校種・教科によって割り当て日が異なるため、日程が確定したら逆算して1週間前から直前調整モードに入れるよう、今のうちからスケジュールに枠を空けておくのがおすすめです。
愛媛の二次試験の配点は、合計150点満点です。 ただし内訳は校種によって異なり、「実技あり」と「実技なし」で主科目の配点が変わります。
| 項目 | 配点 |
|---|---|
| 1次総得点換算 | 50点 |
| 小論文 / 模擬授業 / 場面指導 | 80点 |
| 個人面接 | 20点 |
| 合計 | 150点 |
| 項目 | 配点 |
|---|---|
| 1次総得点換算 | 50点 |
| 小論文 / 模擬授業 / 場面指導 | 60点 |
| 実技試験 | 20点 |
| 個人面接 | 20点 |
| 合計 | 150点 |
どちらの区分も合計は150点で揃います。 実技あり区分では主科目(小論文等)が80点から60点に下がり、代わりに実技20点が加わる構造です。
ここが愛媛の二次試験で最も理解しておきたい部分です。
2次試験の150点のうち 50点は1次の得点から換算されて加算されます。
具体的には、前期1次選考試験の総得点(500点満点+加点)を 10分の1に換算 した値が2次に持ち越されます。 つまり1次で420点取っていれば42点、480点なら48点が2次開始時点で手元にある計算です。
元小学校教員として現場で採用される人を見てきた立場から言うと、この仕組みが意味するのは**「2次だけのプレッシャーで臨まなくていい」**ということです。 1次でしっかり貯金できていれば、2次は小論文か模擬授業か場面指導を80点満点(または60点満点)の試験として着実に積み上げれば足ります。
逆に、1次がギリギリだった人は2次の主科目と面接で稼ぐ必要があります。 自分の1次得点の換算値を把握したうえで、「あと何点取れば合格ラインに届くか」を逆算してから対策に入るのが合理的です。
なお、1次換算50点が最大値になるのは1次が500点満点の場合で、実際にはほとんどの受験者が30〜45点台に収まる想定です。 したがって、2次の主科目(80点区分)がほぼ合否の主役になります。
愛媛の二次試験には 適性検査 があります。
ただし、配点には一切含まれません。
受験必須であることは変わりませんが、「適性検査の点数が低かったから落ちた」という話は基本的に成立しません。 実質的には、著しく問題がある結果が出た場合の参考情報として扱われるものと考えられています。
対策に時間をかける必要はなく、当日落ち着いて受験できれば問題ありません。 精神的な余裕を保つために、前日は早めに就寝する。 それだけで十分です。
150点満点の内訳をもう一度整理します。
この構造を見ると、主科目(小論文・模擬授業・場面指導)をどれだけ積み上げるかが結果を左右することは明確です。
元小学校教員として言い切れますが、面接20点は「人として最低限のコミュニケーションが取れる」という水準をクリアすれば大きく崩れません。 本当の勝負は小論文・模擬授業・場面指導の80点(実技なし区分)です。
また、小論文を書く区分の受験者にとっては、小論文(論作文)を繰り返し書いて添削を受けるサイクルが最も効果的な対策になります。 「書いてみたけど自分の答案のどこが問題かわからない」という状態が最も時間を無駄にします。 文章の質の問題なのか、構成の問題なのか、論点の問題なのかを早めに特定することが、2ヶ月弱の対策期間を最大化するカギです。
このセクションは、小学校教員・中学校教員・養護教員・栄養教員を受験する人に向けた内容です。
高等学校(模擬授業)と特別支援学校(場面指導)の対策はSection 3・4に別途まとめています。 自分の校種を確認してから読み進めてください。
愛媛の小論文は 60分・1,000〜1,200字 が標準的な条件です(公式では「26行〜30行」という表記になっています)。
「26行〜30行ってどのくらい?」と感じた人のために、補足すると、試験で配られる答案用紙は1行あたり40字前後が一般的です。 26行なら約1,040字、30行なら約1,200字に相当します。 1,000〜1,200字という換算が妥当な目安です。
60分でこれをこなすのは、初見だと結構タイトです。 私が現場でよく聞いた失敗談が「書き始めてから止まった」という類のものです。 何を書くか決まっていない状態で書き出すと、途中で詰まって結局構成を変えながら書き直し、最後が尻切れになる。
それを防ぐために、時間配分の骨格を先に持っておく必要があります。
推奨時間配分
| フェーズ | 時間 | やること |
|---|---|---|
| 構想 | 10分 | 問いを分解、立場決定、骨子メモ |
| 執筆 | 40分 | 序論→本論→結論を通しで書く |
| 見直し | 10分 | 論点ズレ・誤字脱字・字数確認 |
この10/40/10の感覚を、練習の段階から体に叩き込んでおくことが先決です。
他県との比較で愛媛の位置を知る
参考として、近い条件の他県を並べます。
| 自治体 | 時間 | 字数目安 |
|---|---|---|
| 愛媛県 | 60分 | 1,000〜1,200字 |
| 山口県 | 60分 | 1,100字程度 |
| 山梨県 | 50分 | 800字程度 |
山口は愛媛とほぼ同条件(山口県の二次試験対策はこちら)。 山梨は10分短く字数も少ないため、愛媛の方がやや余裕があると言えます。 ただし「余裕がある」=「雑に書いていい」ではありません。 字数が増えた分、論の密度と構成のしっかりさが問われます。
この数字を配点表の中に戻して見てください。
実技なし区分で言うと、150点満点のうち80点が小論文です。 面接20点、1次換算50点と並べると、小論文が単独で最大の得点源です。
実技あり区分でも60点を占めており、面接20点・実技20点を合わせた40点よりも大きい。
元小学校教員として採用試験の現場を近くで見てきた立場から言えば、ここで差がつきます。 面接は「ごく普通の受け答え」ができれば大きくは崩れません。 実技も、対象教科の基礎レベルを持っていれば大崩れはしにくい。 でも小論文は、書く力と構成力と教育観を持っていないと点が出ません。
言い換えると、小論文を本番レベルまで仕上げた人と、ぶっつけ本番で挑んだ人の間には、それなりの点差が生まれます。 他の科目でその差を埋めるのは難しい。 だから今から書いて、フィードバックをもらって、書き直すサイクルを回してほしい、というのが率直な話です。
愛媛の小論文採点は 「課題把握」「実践意欲」「文章構成」 の3観点が基本軸です。 この3つは全国の教員採用試験で広く使われる標準観点ですが、それぞれに何が問われているかをきちんと分けて意識している受験者は少ない印象です。
課題把握: 設問の論点を正確に分解できているか
「〇〇について論じなさい」という問いに対して、何が問われているかをズレなく読み取れているかを見られます。 たとえば「個別最適な学びとは何か、あなたの考えを述べよ」という設問で、個別最適な学びの定義だけ書いて終わるのは課題把握ができていない答案です。 「なぜ今それが求められているのか」「教師として何をするのか」まで含めて論じないと、論点がズレたまま終わります。
実践意欲: 教師としての具体的な行動・施策が書かれているか
「〜が大切だと思います」で止まるのではなく、「だから私は授業でこう動きます」「学級でこんな取り組みをします」という具体的なアクションまで書けているかです。 私が現場で新任の先生を見ていたとき、採用後に伸びる人は「どうすれば子どもに届くか」を常に具体で語れる人でした。 小論文もその延長線上です。 抽象的な理念だけでなく、行動レベルに落とした言葉で書くことで実践意欲が伝わります。
文章構成: 序論・本論・結論の論理が通っているか
「話の順番がバラバラ」「結論が最初と矛盾している」「同じことを3回言っている」というのは、文章構成の問題です。 この観点は書く前の設計段階で9割が決まります。 書き始める前の10分で骨子を固めることが、文章構成得点を取るための最短ルートです。
上記の3観点を踏まえると、答案の骨格はこうなります。
序論(約150字) 問題提起 + 自分の立場宣言。 設問が問うているテーマに正面から向き合い、「私は〜と考える」で立場を明示します。
本論(700〜800字) 具体的な施策・取り組みを2〜3本立てで論じます。 各施策には必ず理由と具体例を添えます。 愛媛県独自の教育方針・地域性を1か所以上入れると、課題把握と実践意欲の両方に効きます。
結論(150〜200字) 教師としての決意表明で締めます。 本論で述べた施策を受け、「だから私は〜という教師を目指す」という着地点に向かわせます。 序論の立場宣言と論旨が一致していることを確認してから書いてください。
愛媛県の教員採用試験の小論文(論作文)は、毎年「愛媛県の教育施策に沿ったテーマ」が出されることが多い。 以下の5軸を頭に入れておくと、どんなテーマが出ても軸がブレません。
1. 愛媛県教育振興大綱「愛のくに 愛顔(えがお)あふれる愛媛県」
愛媛県の教育施策の根幹にあるキーワードです。 「愛顔」は「えがお」と読みます。 施策全体のベースにある理念なので、どんなテーマで書いても最後に接続できる言葉として持っておくといい。 「この取り組みを通じて、子どもたちが愛顔で学び続ける学校をつくりたい」という一文を結論に使うだけで、愛媛の教育方針との接続が自然に生まれます。
2. ICT・GIGA端末活用
全国的に「配備後の活用の深化」フェーズに入っており、愛媛も例外ではありません。 「配備された端末をどう授業で活かすか」「家庭との格差をどう埋めるか」「過剰依存をどう防ぐか」といった切り口が予想されます。 単に「ICTを使います」ではなく、どの場面でどう使うかを具体的に書けるかどうかで差がつきます。
3. インクルーシブ教育
小学校・中学校を受ける人にも出題可能性があります。 通常学級の中で特別な支援が必要な子どもにどう向き合うか、合理的配慮をどう実践するかを答案に盛り込む準備をしてください。 「みんなが同じ授業を受けられるよう工夫した経験」や「個別対応と集団指導の両立」が書けると強い。
4. 地域連携(東予・中予・南予の地域性)
愛媛県は東予・中予・南予で産業・文化・地域課題が異なります。 「地域と協働する教育」「地域の人材を授業に活かす」「地域の課題を学びのテーマにする」という方向が出題されたとき、愛媛の地域性に触れた答案は説得力が増します。 「愛媛の豊かな自然・産業・文化を子どもの学びに接続する」という文脈で使いやすいテーマです。
5. 読書・読み聞かせ(松山の文学的土壌)
松山は正岡子規と夏目漱石ゆかりの地であり、読書推進・言語活動への意識が他県より強い傾向があります。 「言語能力の育成」「読書習慣の形成」「国語科を軸にした表現力向上」などが出題されやすいテーマです。 松山の文学的背景を知っているという姿勢を一文で示すだけで、地域への関心の深さが伝わります。
本番でまず書く序論の最初の数行が詰まると、時間がみるみる消えます。 テーマ別に書き出しパターンを持っておくと、構想10分の中で素早く動き出せます。
パターン1: 「愛顔(えがお)あふれる学校づくり」テーマ
学校は、子どもが毎日通いたいと思える場所でなければならない。愛媛県が掲げる「愛顔あふれる愛媛県」の実現には、まず目の前の子どもが学校で笑顔でいられるかどうかを問い直すことが必要だと私は考える。
パターン2: 「ICT活用で学びを深める」テーマ
GIGAスクール構想によって端末の配備は進んだ。しかし、機器があるだけでは学びは深まらない。端末を「道具」として子ども自身が選んで使いこなす力を育てることが、今教師に求められていると私は考える。
パターン3: 「個別最適な学びと協働的な学び」テーマ
一人ひとりの学びのペースや興味が異なる以上、全員に同じ内容を同じ速度で教えることには限界がある。個別最適な学びを実現しながら、学び合いの豊かさも損なわない授業をつくることが、これからの教師に問われていると私は考える。
テーマ: 「ICT活用で学びを深めるために、教師として何をするか」
[序論]
GIGAスクール構想によって学校に端末が整備され、授業でのICT活用は標準的な光景になりつつある。 しかし私が現場で感じてきたのは、「使っている」と「学びが深まっている」は別のことだという現実だ。 タブレットを開いているだけで思考が止まっている子どもも、検索で調べた情報をそのままスライドに貼り付けて満足している子どもも見てきた。 ICTをただの道具として使わせるのではなく、子どもが「考えるために使う」状態をつくることが、今教師に求められていると私は考える。
[本論]
そのために私が取り組みたいことは、大きく二つある。
一つ目は、「問いを立てる場面」でICTを活かすことだ。 調べ学習をただの情報収集に終わらせないために、まず子ども自身が「なぜ?」「どうして?」という問いを立ててから端末を開く授業設計にする。 たとえば理科の単元では、実験前に自分の予想をタブレットのノートアプリに記録させ、実験後に結果と照らし合わせる流れにする。 端末が「考えた記録を残す道具」になることで、思考のプロセスが可視化される。 これは紙のノートでもできることだが、ICTを使うと後から見返しやすく、グループで共有しやすいという強みがある。
二つ目は、「協働する場面」でICTを活かすことだ。 クラス全員の考えを一画面に集約できるツールを使えば、「自分と違う考えを持っている人が何人いるか」が一目でわかる。 私が担任をしていた頃、子どもたちは自分の意見を発表するのをためらうことが少なくなかった。 でも画面に匿名で表示されることで、「こんなことを書いてもいいんだ」と感じて発言が増えた経験がある。 ICTは、発言しにくい子どもが参加できる入り口を広げる力を持っている。
愛媛県が推進する「個別最適な学びと協働的な学び」の実現には、この二つのアプローチが有効だと考える。
[結論]
ICTを正しく使うために必要なのは、技術の習得よりも教師自身の授業観だ。 「この場面でICTを使うと、子どもの思考がどう動くか」を常に問いながら授業をつくる教師でありたい。 愛媛県が目指す「愛顔あふれる学校」は、子ども一人ひとりが自分の学びに手応えを感じられる場所だと思う。 そのためにICTを選び、使い、改善し続ける教師を目指すことが、私の二次試験後の出発点でもある。
字数目安: 約900字(本番では序論・結論をやや膨らませて1,000〜1,050字に収める)。
この模範解答のポイントは3つです。
小論文(論作文)を書く際の構成と観点については、小論文の書き方完全ガイドと愛媛県 論作文・小論文の書き方もあわせて読むと、よりイメージが固まります。
実際に書いた答案を、愛媛県の採点観点をもとにAIが採点・添削します。 「どこが課題把握で減点されているか」「実践意欲の具体性が足りているか」をフィードバックで確認しながら、本番レベルに仕上げてください。
高等学校を受験する人は、次のSection 3で模擬授業の準備に入ります。 場面指導を受ける特別支援学校(中高)の人はSection 4へ進んでください。
このセクションは、高等学校教員を受験する人に向けた内容です。 配点は80点(実技なし教科)または60点(実技あり教科)で、模擬授業が二次試験の主役になります。
小論文を受ける校種の人はSection 2を、場面指導を受ける特別支援学校志望者はSection 4を参照してください。
愛媛の高等学校受験者にとって、模擬授業は配点上の最大科目です。
実技なし教科なら80点満点、実技あり教科でも60点満点が模擬授業に割り当てられます。 面接は20点、実技は20点(対象者のみ)。 配点の比率を見れば、模擬授業の出来が合否を左右する構造は明らかです。
模擬授業では、学習指導略案を用いながら実際に「授業をする」場面を見られます。 評価されるのは「正確な知識を持っているか」だけではなく、**「教師として子どもに向かえるか」**という総合的な力です。 教材研究の深さ、発問の設計、板書の構造化、子どもの反応を拾う感度、そして時間内に収める段取り力。 これだけの要素が一度に問われる試験です。
模擬授業対策の参考として、山口県の模擬授業対策も併せて読んでおくと、他自治体との共通点と差異が見えてきます。 また模擬授業と集団討議を同時に対策している自治体として、山梨県の二次試験対策も参考になります。
模擬授業では、学習指導略案を持参または事前に準備して臨むことが基本です。
「略案」という名称ですが、手を抜いていいわけではありません。 採点者はその略案を手元に持ちながら授業を見ることがあります。 略案の精度と授業の実際が乖離していれば、そのギャップ自体が評価対象になります。
略案に盛り込むべき要素は以下のとおりです。
単元名・本時の題材
何の教科・何の単元の何時目かを明示します。 「第3学年 現代文 『羅生門』第2時」のような書き方が標準的です。
本時の目標
「〜することができる」という行動目標の形式で書きます。 目標が曖昧だと、授業の方向が定まらず、評価者にも「何を目指した授業なのか」が伝わりません。
展開(導入・展開・まとめ)
| 段階 | 時間目安 | 教師の動き | 生徒の動き |
|---|---|---|---|
| 導入 | 3〜5分 | 前時の振り返り、本時の問いの提示 | 既習事項の想起 |
| 展開 | 10〜15分 | 発問・説明・グループ活動の促し | 考え、発言、記録 |
| まとめ | 3〜5分 | 本時の学びの整理 | ノートまとめ、振り返り |
試験での模擬授業は15分前後に設定されることが多いため、展開の比重を厚くしつつ、導入とまとめを短く設計するのが現実的です。
板書計画
授業中に黒板に書く内容を事前に配置しておきます。 本時のタイトル・キーワード・問いの構造・まとめの文を、左から右の流れで設計します。 略案に板書計画のスペースを確保しておくと、試験当日に頭が整理された状態で板書に向かえます。
評価
「本時のどの場面で、何をもって目標達成を確認するか」を書きます。 「発言を聞いて確認」「ワークシートの記述で確認」など、具体的な評価場面を明示することで、目標と授業のつながりが見えます。
私が現場で見てきた模擬授業の試験や研究授業を振り返ると、受験者がやってしまいがちな失敗には共通点があります。
失敗1: 略案の精緻さに執着して、当日固まる
事前に略案を完璧に仕上げることに時間をかけすぎて、当日は「略案通りにやらなければ」という意識が強くなるパターンです。 模擬授業は台本を読む場ではありません。 略案はあくまで「授業の設計図」であり、当日の動きは生徒役の反応に応じて柔軟に変わることが前提です。 略案を覚えすぎた人ほど、予想外の問いかけが来たときに止まります。
失敗2: 一方通行の講義になる
板書しながら説明する、という流れをひたすら繰り返す授業です。 評価者が見たいのは「教師が知識を持っているか」だけでなく、「生徒が考える場面を作れるか」です。 発問を投げて、生徒役が考える間を取る。 その沈黙を怖がって埋めてしまうと、授業が教師の独演会になります。
失敗3: 板書がガタついて読めない
緊張すると字が乱れます。 日頃の練習で、「大きく・まっすぐ・構造的に」書く癖をつけておかないと、本番で評価者が板書を読めない状態になります。 略案に板書計画を書いておき、何を・どこに・どの順番で書くかを事前に固めておくことが対策の基本です。
模擬授業の評価者が最も注視する場面のひとつが、導入の最初の3分です。
ここで生徒役が「今日の授業に引き込まれるかどうか」が決まります。 導入が弱いと、その後の展開がどれだけよくても、授業全体の印象がぼんやりしたまま終わります。
子どもの興味を引く問いの立て方
「今日は〜について学びます」と宣言して始めるのは最低限の導入です。 そこに「なぜ今これを学ぶのか」「どんな疑問が生まれそうか」という引きを加えることで、生徒が前のめりになります。
たとえば国語の授業で『羅生門』を扱うなら、「もしあなたが雨の夜に食べるものも住む場所も失ったとき、どうしますか?」という問いから入ることで、作品のテーマと自分事が接続します。 正解を問う発問ではなく、考えることを促す問いが導入には合っています。
既習との接続
「先週学んだ〇〇と、今日学ぶ△△はどこがつながっているでしょう」という問いかけは、生徒の記憶を引き出しながら本時への橋渡しをする技術です。 単元の中での「位置づけ」を示すことで、学習の見通しが立ちます。 模擬授業の短い時間の中でも、この接続を1文入れるだけで授業の文脈が生まれます。
授業中の発問は、「閉じた発問」と「開いた発問」の2種類があります。 この使い分けを意識しているかどうかで、授業の深さが変わります。
閉じた発問: 答えが一つに定まる問い
「この漢字の読み方は?」「この計算の答えは?」のように、正解が決まっている問いです。 確認や定着の場面では有効ですが、これだけだと生徒が考える余地がありません。
開いた発問: 複数の答えが成立する問い
「なぜ主人公はこの選択をしたと思いますか?」「もし自分だったらどう考えますか?」のように、生徒それぞれの解釈や意見が出る問いです。 授業の深まりはほぼここで決まります。
模擬授業で有効なのは、閉じた発問で知識を確認した直後に、「なぜそう思う?」と開いた発問を重ねる流れです。 単純な知識確認から「考える」場面に移行するための一言が、「なぜそう思う?」です。 この一言を意識的に使うだけで、発問の質は上がります。
私が現場で数多くの授業を見てきた中で、「この人に来てほしい」と感じる授業には共通点がありました。 採点者もおそらく同じ視点で見ています。
条件1: 子どもの反応を拾っている
生徒役が発言したとき、その言葉をちゃんと受け取って返している授業です。 「そうですね」で流すのではなく、「今〇〇さんが言ったことは、この単元の核心に触れていますね」と拾うことで、授業が生きた対話になります。
条件2: 教材研究の厚みが伝わる
説明に「この教材を深く読んだ人だけが気づく視点」が混ざっている授業です。 表面的な解説ではなく、教科書の一歩先を見せられるかどうかは、準備量が如実に出ます。
条件3: 板書が構造化されている
授業が終わったときに黒板を見れば「今日何を学んだか」がわかる板書です。 問い・考え・まとめの三層が左から右に流れるように配置されていると、視覚的に整理された授業に見えます。
条件4: 発問の質が高い
生徒が「考えたくなる問い」を投げられているかどうかです。 開いた発問が適切な場面で使われていると、授業の密度が上がります。
条件5: 時間管理ができている
「時間が余って何もすることがない」や「まとめを言えないまま終わった」という授業は、準備不足が丸見えです。 15分の模擬授業であれば、12分で展開を終えて残り3分でまとめに入る、という逆算ができているかどうかを評価者は見ています。
このセクションは、特別支援学校(小学部・中学部・高等部すべて)を受験する人に向けた内容です。 配点は80点(実技なし区分)または60点(実技あり教科)で、場面指導が二次試験の主役です。 ※特別支援学校 小学部は実技試験の対象外、中学部・高等部は対象教科のみ実技あり。
「どちらも実技系の試験でしょ」と思って対策が甘くなるのが、この二つを混同するパターンです。
模擬授業が問うものは、「教科指導の力」です。 教材研究、発問設計、板書構造化、時間管理。 授業という「準備できる場面」での専門的な実力を見られます。
場面指導が問うものは、「即興対応力・組織連携力・教育観」です。 想定される学校現場の場面が提示され、「あなたはどう動くか」を即座に言葉にする力が問われます。 準備した「正解の型」を当てはめるのではなく、目の前の場面を読んで、子どもや保護者や同僚との関係の中でどう動くかを示す試験です。
特別支援学校の場面指導が特に求めるのは、**「一人で抱え込まず組織として動く姿勢」と、「目の前の子どもの実態に基づいた判断力」**の二軸です。 この二軸を持っていない回答は、どれだけ流暢に話しても薄く聞こえます。
特別支援学校の場面指導でよく出る場面を、回答の方向性とともに整理します。 本番では問いが変わることがありますが、以下の軸を頭に入れておけば応用できます。
場面1: ASD傾向のある生徒の自己刺激行動への対応
授業中に手を動かし続ける・声を出す・飛び上がるなど、自己刺激行動が見られる生徒への対応場面です。 回答の軸は「行動の背景を理解した上で環境調整を行い、担任・支援員・保護者と情報共有する」です。 まず「なぜその行動が起きているか」を観察・記録し、感覚的な刺激を求めているのか不安の表れなのかを見立てたうえで、注意で止めるのではなく代替行動や環境整備で応じる視点を示します。
場面2: 支援計画への不満を訴える保護者への対応
「先生の対応では子どもが伸びない」「こんな計画では意味がない」という保護者からの申し出への対応場面です。 回答の軸は「保護者の不安を受け止め、管理職・特別支援コーディネーターと連携して計画の見直しプロセスに入る」です。 一人で抱え込んで言い返したり、その場で計画を変更する約束をしたりするのは避けます。 「まずお話を聞かせてください」という姿勢から入ることが起点です。
場面3: 通常学級との交流学習でのトラブル
交流学習の場で特別支援学校の生徒が通常学級の生徒と摩擦が生じた場面への対応です。 回答の軸は「双方の安全確保を最優先にしながら、通常学級の担任と連携して事実確認と関係修復を進める」です。 交流学習はインクルーシブ教育の実践の場ですが、感情的な対立が生じたときに特別支援側の生徒だけを一方的に守る姿勢は逆効果です。 双方の気持ちを受け止め、交流そのものを継続するための次の手を考える視点が求められます。
場面4: 合理的配慮の現場判断(評価方法の変更要望)
「うちの子はテストを受けるのが難しいので、別の方法で評価してほしい」という要望への対応場面です。 回答の軸は「合理的配慮の趣旨を踏まえ、評価の目的を変えずに方法を工夫する可能性を、管理職・学校全体で検討する」です。 保護者の要望を即座に受け入れるのも、「それはできません」と断るのも不適切です。 学習の目標達成を確認するという評価の本質は変えずに、筆記以外の方法(口頭・実技・ポートフォリオ等)で代替できるかを組織的に検討する姿勢を示します。
場面5: 緊急時対応(パニック発作・てんかん発作)
授業中に生徒がパニック状態になる・てんかん発作を起こすという緊急場面への対応です。 回答の軸は「まず生徒の安全確保(二次被害防止)、すぐに管理職・養護教諭へ報告、その後保護者へ連絡」です。 私が現場で見てきた中で、緊急時に一人で何とかしようとして判断が遅れるケースが少なくありませんでした。 「何かあったらすぐに声をかける」という組織的な動きが前提にある、という姿勢を言葉にできるかどうかが問われます。
場面6: 高等部卒業後の進路相談(就労・進学)
「うちの子は一般就労できますか?」「進学できますか?」という保護者からの進路相談への対応場面です。 回答の軸は「生徒の実態と本人の意向を中心に、進路担当・関係機関と連携しながら一緒に考える」です。 「できます/できません」を断言することは避けます。 生徒本人が何を望んでいるかを起点にしながら、就労支援機関や進学先との接続をチームで模索する姿勢を示します。
場面指導は即興の試験ですが、「何も準備しない即興」と「フレームを持った上での即興」では、回答の質がまったく違います。 以下の5ステップを頭に入れておくと、どんな場面が来ても最低限の筋道が立てられます。
ステップ1: 場面確認
「今何が起きているのか」を正確に把握します。 誰が、どんな状態で、何を訴えているかを整理することが起点です。 焦って動く前に、場面を落ち着いて読む。 これが最初の一手です。
ステップ2: 児童生徒理解
「その子の実態・背景・今の感情状態は何か」を考えます。 支援計画・普段の様子・保護者との関係など、既にある情報をもとに「なぜこうなっているか」を推測します。
ステップ3: 即時対応
今この場でできる最初の動きを示します。 安全確保・声かけ・場の落ち着きを取り戻す行動です。 ここで大事なのは「今すぐできること」に絞ること。 長期的な支援方針をここで語りすぎると、即時対応が曖昧になります。
ステップ4: 組織連携
「誰に、何を、いつ報告・相談するか」を示します。 管理職・特別支援コーディネーター・担任・養護教諭・保護者のどこに繋ぐかを、場面に応じて具体的に言えることが重要です。 「一人で抱え込まない」という姿勢を、言葉にして見せることが場面指導の肝です。
ステップ5: 振り返りと改善
対応後に「何が良かったか/何を改善するか」を記録・共有し、次につなげる視点を示します。 場面指導の回答としては短く触れる程度で十分ですが、「この対応で終わり」ではなく「チームで振り返る」という姿勢を一言入れるだけで、組織性が伝わります。
どれだけ流暢に話しても、以下のパターンに当てはまると評価が下がります。
NG1: 「自分で何とかする」という回答
「私が直接話し合って解決します」「私が責任を持って対応します」という回答は、一見主体的に聞こえますが、特別支援教育の現場では組織連携なしの単独判断はリスクです。 評価者は「この人は一人で抱え込むタイプだ」と受け取ります。
NG2: 教科書通りの言葉で終わる回答
「合理的配慮を行います」「個別の支援計画に基づいて対応します」という言葉だけで止まる回答です。 何を・どう・誰と・どのタイミングでするのかが見えないと、言葉だけが浮いた回答になります。 「合理的配慮として、具体的には〇〇を検討します」という一段深い言葉まで言えるかどうかが分かれ目です。
NG3: 保護者を一方的に批判する回答
「保護者の要望が過剰です」「保護者の理解が不足しています」という表現が入ると、その時点で評価が下がります。 保護者の不安や訴えには必ず理由があり、それを受け止めた上で連携を築く姿勢が問われています。 対立ではなく協働という前提で言葉を選んでください。
場面指導の対策は、想定場面を声に出して練習することが最も効果的です。 頭の中で「こう答えるつもり」という状態と、実際に声にした状態は別物です。 フレームを使いながら声に出す練習を繰り返すことで、本番の即興に余裕が生まれます。
次のSection 5では、全校種共通の個人面接について整理します。
個人面接は全校種共通・配点20点です。 小論文や模擬授業が80点(または60点)を占める構造の中で、面接の20点をどう位置づけるかが対策の出発点です。
配点20点という数字を見て、「面接は軽視していい」と判断するのは半分正しくて半分危険です。
正しい部分は、合否の主役は小論文・模擬授業・場面指導であるという点です。 1次換算50点と主科目60〜80点が出揃った段階で、すでに大半のウェイトが決まっています。 面接20点は、配点比率だけで見れば150点満点の13%です。
危険な部分は、面接で大きく崩れると取り返しがつかないという点です。 20点満点の試験で著しく低い点数が出た場合、主科目で積み上げた点数との合計でも逆転できないケースがあります。 「足切りリスクを避ける」という意識が、面接対策の正しいスタンスです。
元小学校教員として採用試験の近くに長くいた経験から言えば、面接で落ちる人には共通点があります。 「聞かれていないことを延々と話す」「緊張で声が出なくなる」「質問の意図を全く読み取れていない」。 これらは対策以前の問題で、事前に練習すれば十分に防げます。 高得点を狙うより、水準を割らないことを目標にする。 それが面接20点の正しい向き合い方です。
愛媛の面接は個人面接のみです。 集団面接や集団討論はありません。 これは栃木県と同じ形式で、1対複数の面接委員と1対1の対話形式で進みます。
公式に時間は明示されていませんが、一般的な個人面接の構成から推測すると15〜20分程度が想定されます。 面接委員は2〜3名構成が多く、それぞれが異なる観点で質問を投げることがあります。
進行の流れとしては、
という流れが一般的です。 すべての質問に完璧に答えようとするより、「聞かれたことにまず正面から答える」ことを最優先にしてください。
Q1. 愛媛県を志望した理由を教えてください
「愛媛に縁がある」「松山出身」という地縁がある人はそのまま使えます。 縁がない人は「愛媛県の教育振興大綱が掲げる〇〇に共感した」「愛媛の教育環境で自分の教育観を実践したい」という軸で答えます。 ポイントは、「愛媛でなければならない理由」を具体的に一つ挙げること。 「どこでもいいけど縁があった」という回答にならないように気をつけてください。
Q2. 自分の長所を、教育現場でどう活かしますか
長所を述べるだけで終わらず、「だから学級で〇〇をする」「授業で〇〇という場面で発揮できる」まで言葉を続けます。 自己分析が仕事論に接続している回答が、評価者には刺さります。
Q3. この校種を志望した理由を教えてください
小学校なら「子どもの人格形成の根幹に関わる段階に携わりたい」、高校なら「専門性の高い教科指導と進路支援を通じて生徒と向き合いたい」、特別支援なら「一人ひとりの実態に即した個別支援を丁寧に積み上げたい」といった軸が使いやすい。 「なぜその校種か」だけでなく「なぜ他の校種ではないか」まで頭の中で整理しておくと、深掘り質問にも対応できます。
Q4. 保護者から学校への強いクレームを受けた場合、あなたはどう対応しますか
面接でも場面指導と同様の保護者対応が問われることがあります。 「まず保護者の話を全部聞く→事実確認→管理職に報告して組織で対応を決める」という流れが基本です。 「自分一人で解決しようとしない」という点を明示することが評価の分かれ目です。
Q5. 同僚と意見が割れたとき、どう動きますか
「相手を論破する」でも「自分が黙って引く」でもなく、「目的に立ち返る」という軸が有効です。 「何のためにその判断をするのかを確認しながら、お互いの考えを出し合う。それでも結論が出ない場合は管理職に相談する」という流れで話せると、チームプレーができる人という印象が生まれます。
Q6. 愛媛県の教育施策で、関心を持っているものは何ですか
「愛のくに 愛顔(えがお)あふれる愛媛県」という教育振興大綱の理念を前提に、ICT活用推進・読書教育・地域連携・インクルーシブ教育の中から一つ選んで具体的に話せると説得力が出ます。 「知っています」で止まらず、「その施策を自分はどう授業に落とし込むか」まで言えると、理解の深さが伝わります。
Q7. 趣味・特技を教えてください
ここは素直に話して構いません。 ただし「趣味は読書です」で終わると印象が薄い。 「読書が趣味で、最近は〇〇という本を読みました。その中で子どもの学習意欲について書かれた部分が印象に残り、授業設計に活かしたいと思っています」のように、教師として働く自分と接続できると話が広がります。
Q8. 1分間で自己PRをお願いします
1分間は、実際に声に出して話すと意外と長いです。 「自分が持っている強み1〜2点」「それを裏付ける経験」「教師としてどう活かすか」の三層で組み立てると、1分が自然に埋まります。 練習なしで本番に臨むのが最もリスクが高い質問です。 必ず声に出してタイムを測って練習してください。
私が面接の練習を見てきた中で、評価者に好印象を与える人には共通したパターンがあります。
1. 聞かれたことに正面から答えている
「質問に答えてから補足を加える」順番を守っている人は、それだけで話が聞きやすくなります。 補足から話し始めて最後まで質問の答えが出てこない人は、評価者がイライラします。
2. 抽象論に具体例を1つ必ず添えている
「子ども一人ひとりを大切にします」という言葉は、具体例が一つあるだけで重みが変わります。 「たとえば私が〇〇で経験したときに〜」という一文を差し込む癖をつけておくと、回答全体の説得力が上がります。
3. 表情・声量・姿勢の基本3点が崩れていない
緊張していても、口角が上がっている人と下がっている人では印象がまったく違います。 面接が怖いのは当然ですが、「怖さを顔に出す」と損をします。 声は少し大きめ、姿勢は背筋が伸びている、目線は面接委員の顔をまんべんなく見る。 この3点だけで「落ち着いて見える」という印象が生まれます。
愛媛を受験する場合、以下のような切り口で深掘りが来ることがあります。
「愛のくに 愛顔(えがお)あふれる愛媛県」大綱への共感
「愛媛県の教育振興大綱の理念をどう思いますか」という形で聞かれることがあります。 「愛顔」を「えがお」と読めるかどうか、そしてその言葉の背景にある施策を理解しているかどうかが問われています。
地域貢献意識(東予・中予・南予の三地域)
「愛媛の地域特性をどう教育に活かしますか」という質問は、愛媛県への理解度を測る定番の切り口です。 東予・中予・南予それぞれの特色(産業・自然・文化)を大まかに把握しておき、「地域の豊かさを授業に接続する」という方向で答えられると、地域への関心が伝わります。
離島・へき地勤務への姿勢
愛媛には中島や興居島など、離島の学校があります。 「離島や山間部に赴任になった場合、どう考えますか」という質問が来ることは珍しくありません。 私自身も離島のような環境での教員経験を持つ立場として言えば、この問いに「前向きに受け止める」姿勢を言葉にできる人と、言葉に詰まる人の差は大きいです。 「どんな環境でも子どもと向き合える」という軸を持っておくだけで、この質問には十分対応できます。
実技試験は、対象教科を受験する校種の受験者のみに課されます。 配点は20点で、実技あり区分の場合は小論文/模擬授業/場面指導が60点に下がり、代わりにこの20点が加わる構造です。
実技試験の対象教科は以下のとおりです。
| 校種 | 実技対象教科 |
|---|---|
| 中学校 | 音楽/美術/技術・家庭/保健体育/英語 |
| 高等学校 | 音楽/美術/書道(国語に含む)/家庭/情報/農業/工業/水産/福祉 |
| 特別支援学校(中学部・高等部) | 上記の中学・高校に対応する教科 |
| 養護教員 | 救急処置等 |
| 栄養教員 | R9(令和9年度採用)から実技廃止 |
実技の内容は教科によって異なります。 音楽であれば演奏や声楽、保健体育であれば実技パフォーマンス、英語であれば口頭表現が課されることが一般的です。 自分の教科の実技内容は、選考要項または採用担当窓口に確認してください。
配点20点は決して小さくありませんが、「実技で大幅に加点する」よりも「最低限の水準を確保して小論文/模擬授業に集中する」という配分が現実的です。 実技を持っている人はその強みを活かし、あとは主科目に時間を使う。 その優先順位を最初に決めておくことが、対策期間の使い方を整理します。
二次試験の初日(8/18 火曜)に向けて、1週間前の8/11(火)から逆算した動き方を校種別に整理します。
| 日付 | 主なタスク |
|---|---|
| 8/11(火) | 過去問テーマ3本を見直し、頻出テーマを再確認。構成テンプレを声に出して確認 |
| 8/12(水) | 愛媛固有テーマ(愛顔・ICT・インクルーシブ)の書き出し1本を実際に書く |
| 8/13(木) | 論作AIまたは自己添削で答案の課題を特定。修正ポイントを1点決める |
| 8/14(金) | 60分本番想定で1本通し書き。時間配分(10/40/10)を体で覚える |
| 8/15(土) | 書いた答案を読み直して語彙・表現を整える。面接の想定質問5問も声に出す |
| 8/16(日) | 体調と睡眠の調整日。会場までのルートと所要時間を最終確認 |
| 8/17(月) | 持ち物を揃える。受験票・身分証・筆記用具・時計・水分を前夜に確認。早めに就寝 |
| 日付 | 主なタスク |
|---|---|
| 8/11(火) | 学習指導略案を最終版に仕上げる。目標・展開・板書計画・評価を確認 |
| 8/12(水) | 15分通し模擬授業を1本。導入3分で生徒役を引き込む問いが機能するか確認 |
| 8/13(木) | 板書を実際に書く練習。「大きく・まっすぐ・構造的に」の3点を意識 |
| 8/14(金) | 発問パターン(閉じた→開いた)の流れを再確認。もう1本通し練習 |
| 8/15(土) | 面接想定質問5問を声に出す。校種志望理由・愛媛の教育施策への回答を固める |
| 8/16(日) | 体調・睡眠調整日。会場ルート確認。略案を紙で持参するか最終確認 |
| 8/17(月) | 持ち物確認。受験票・略案・筆記用具・身分証を前夜にそろえて就寝 |
| 日付 | 主なタスク |
|---|---|
| 8/11(火) | 場面指導の想定場面6本を見直す。5ステップのフレームを口頭で言えるか確認 |
| 8/12(水) | 保護者対応場面を声に出して1本練習。「まず聞く→組織連携」の流れを体に入れる |
| 8/13(木) | 発達障害対応・緊急時対応の場面を1本ずつ練習。NG回答に引っかかっていないか確認 |
| 8/14(金) | 想定していなかった場面が来たときのフレームで即興1本。柔軟性を確認する |
| 8/15(土) | 面接想定質問(離島・へき地勤務への姿勢/愛媛教育振興大綱)を声に出す |
| 8/16(日) | 体調・睡眠調整日。会場ルート・日程を受験票で最終確認 |
| 8/17(月) | 持ち物確認。受験票・身分証・筆記用具を前夜にそろえて早めに就寝 |
書類・持ち物
会場確認
服装・体調
当日朝の頭の中の整理
過去問を見ることで、「愛媛が毎年どんなテーマを出すか」「面接ではどんな質問が繰り返されているか」のパターンが見えてきます。 小論文(論作文)対策は「書いて添削を受ける」サイクルが前提ですが、過去問を知らずに書き続けるのは、的外れな方向で練習を積み上げるリスクがあります。 1冊持っておくだけで、対策の方向性が絞れます。
愛媛の二次試験の中心にある小論文(論作文)は、書いて・フィードバックをもらって・書き直すというサイクルでしか実力がつきません。
論作AIでは、愛媛県の採点観点(課題把握・実践意欲・文章構成)をもとにAIが60分・1,000〜1,200字の答案を採点・添削します。 「どこで課題把握が浅いか」「実践意欲の具体性が足りているか」「序論と結論が矛盾していないか」を一本ずつフィードバックで確認しながら、本番レベルに近づけていくことができます。
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