教員採用試験には、夏の通常の試験とは別に、秋に行われる追加の採用選考がある。名前は自治体によって「秋選考」「秋期選考」「秋期試験」「秋選考(追加募集)」などと違い、対象や試験内容も自治体ごとに異なる。
2026年10月13日時点で出願を受け付けているのは、北海道(2026年10月30日まで)と新潟県(2026年10月21日まで)だ。川崎市、名古屋市、神奈川県は、すでに受付を終了している。
この記事は、令和9年度(2027年度)採用のための、令和8年(2026年)秋の選考を、各自治体の公式資料で整理したものだ。取り上げたのは北海道、新潟県、川崎市、名古屋市、神奈川県の5自治体にとどまる。来年以降は、実施の有無も内容も変わりうる。出願の前には、受験する自治体の最新の資料を必ず確認してほしい。
秋選考は、夏の通常の採用試験とは別に、秋に行う追加の採用選考である。今回確認した5自治体の試験日は、いずれも2026年10〜11月だ。ただし、全国で共通の制度があるわけではない。実施するかどうか、募集する校種や教科、受験資格、試験の内容は、自治体ごとにまったく違う。
呼び名も一様ではない。今回確認した5自治体では、次のとおりだった。
募集の範囲が限られる点も特徴だ。名古屋市は特別支援学校と中学校の技術・英語・美術、神奈川県は特別支援学校のみを募集している。一方で北海道は約400名を募集しており、規模は小さくない。
採用の時期が明記されている例もある。名古屋市は、令和9年4月以降、12月末日までに採用する人を選考するものと示している。「秋に受けて、いつ採用されるのか」は自治体の資料で確かめたい点だ。
2026年10月13日時点で確認した内容を、表にまとめる。
| 自治体 | 名称 | 募集(令和9年度採用) | 出願期間 | 試験日 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 秋選考 | 小学校100名・中学校96名・高等学校103名・特別支援学校96名(いずれも程度) | 2026年10月7日〜10月30日(受付中) | 2026年11月15日 | 確認していない |
| 新潟県 | 秋選考(追加募集) | 小学校50人・中学校50人・高校30人・特別支援学校30人(いずれも程度)、障害者特別選考は別枠10人程度 | 2026年10月6日〜10月21日(受付中) | 2026年11月14日・15日 | 12月初め頃 |
| 川崎市 | 秋期選考 | 小学校50名ほか | 2026年8月25日〜9月24日(受付終了) | 1次 2026年10月17日、2次 2026年11月8日〜 | 2026年12月2日(水)予定 |
| 名古屋市 | 秋選考 | 特別支援学校10人・中学校技術5人・同英語5人・同美術若干人(いずれも程度) | 2026年9月15日〜10月5日(受付終了) | 2026年11月7日 | 12月上旬 |
| 神奈川県 | 秋期試験 | 特別支援学校のみ | 2026年9月17日〜9月30日(受付終了) | 1次 2026年10月17日、2次 2026年11月14日 | 確認していない |
北海道の特別支援学校96名程度の内訳は、小学部10・中学部10・高等部74・自立活動2名程度である。教科ごとの詳細は、各自治体の要領・要項で確認してほしい。
川崎市の募集は、小学校50名のほか、中学校・高等学校(国語5・数学10・理科10・音楽5・美術5・技術5・家庭5・英語20名)、特別支援学校5名などだ。主幹教諭・総括教諭選考もある。また、令和10年度採用を対象に、大学3年生等を対象とする早期選考が新設された(小学校50名程度)。
新潟県の中学校・高校は教科ごとに募集人数が分かれている。小学校には英語専科指導教員の若干人枠、特別支援学校には通級指導教室担当教員の若干人枠も含まれる。
各自治体の公式ページと要項へのリンクは、記事末尾の「参考にした公式資料」にまとめた。
秋選考で最も注意したいのは、夏の試験の結果が受験資格にどう関わるかだ。ここは自治体によって扱いが分かれる。
北海道の受検資格の(3)は、「夏選考(令和9年度北海道・札幌市選考検査)で北海道に出願し、不合格となっていない者」である。第1次・第2次検査の欠席者は、不合格者として扱わない。
つまり、夏に北海道へ出願して不合格となった人は、この条件を満たさない。一方で、夏に北海道へ出願していて欠席した人は、不合格扱いにならない。
昨年度の北海道は、受検対象者を「第2次検査未受検者」としていた。今年度はこれを「当該年度の選考検査の不合格者以外」に拡大した、と要領に記されている。
混同しやすい点を一つ補っておく。北海道の要領では、アスリート、社会人、セカンドキャリア、ALT、小学校教諭の各特別選考について、受検区分に応じた免許(4)を満たさなくても受検できるとされている。これは免許の要件の話であり、夏の結果を問う(3)とは別の条件だ。
名古屋市は、令和8年度実施の名古屋市の試験で同じ選考区分を受けて不合格だった人は、その区分では受験できないとしている。また、全区分で合格・補欠となった人も受験できない。
受験資格は、次のいずれかを満たす必要がある。
(6)により、他府県等の試験で2次受験(最終選考)の対象者になった人、つまり他の自治体の1次を通過した人も受験資格を持つ。
新潟県、川崎市、神奈川県については、確認した範囲では、夏の不合格者を除く記載は見当たらなかった。ただし、受けられると明記されているわけでもない。
したがって、「夏に落ちても受けられる」と断定はできない。夏の結果が心配な人は、出願前に教育委員会へ確認してほしい。
新潟県には別の条件もある。新潟県の国公立学校(新潟市立を除く)の現職教諭は受検できない。他県や新潟市立の教員は受検できる。
生年月日の条件は、次のとおりだ。
| 自治体 | 条件 |
|---|---|
| 北海道 | 昭和40年4月2日以降に生まれた者 |
| 新潟県 | 昭和40年4月2日以降に生まれた者 |
| 川崎市 | 昭和40年4月2日以降に生まれた人(早期選考は昭和41年4月2日以降) |
| 神奈川県 | 昭和40年4月2日以降に出生 |
| 名古屋市 | 50歳未満(昭和52年4月2日以降に生まれた人)。受験資格(1)〜(4)の人は60歳未満 |
年齢制限の考え方は、教員採用試験の年齢制限は何歳まで?|東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知・大阪の要項で比較【2026年実施版】で別の自治体も含めて整理している。
試験内容は、確認できた範囲で見ると、面接を中心に組んでいる自治体が多い。ただし川崎市は、1次と2次の両方で幅広い内容を課している。
一般選考は、SPI3検査(能力・適性)、面接Ⅰ、面接Ⅱで構成される。面接は、教員としての使命感や倫理観等をみるものとされている。音楽と英語は実技がある。音楽はピアノ伴奏・移調とコールユーブンゲンの歌唱、英語は自由会話と英文読解だ。
今年度の変更点として、論文検査がSPI3検査に変わった。地域枠と特別選考の多くは、SPI3の代わりに適性検査(質問紙法の性格検査)を行う。
筆答検査60分と、個人面接40分程度だ。筆答検査は出願教科に関するもので、小学校教諭は国語と算数が対象になる。
判定は、筆答100点、個人面接120点で行う。それぞれ基準に達しない者は不合格となり、そのうえで得点と提出書類をもとに一件ごとに審査される。配点は面接のほうが大きい。
筆答検査には免除がある。国公立学校の正規教員や正規教員経験者などが対象で、要件は要項で確認してほしい。
小論文と、個人面接を2回行う。個人面接2では模擬指導がある。模擬指導の課題は、受験票の交付時にホームページで公開される。
1次試験は、一般選考(小学校)の場合、一般教養・教職専門(マークシート60分)と小論文Bだ。中学校・高等学校・特別支援学校の一般選考は、これに教科専門が加わる。小論文Bと、中学校・高等学校の教科専門は、いずれも600字以内の論述で、時間は60分である。小論文Bは第2次試験の扱いだが、1次の日に全員が受ける。
2次試験は、場面指導(学級担任役)、個人面接、一部で実技が行われる。早期選考は集団討論があり、場面指導は実施しない。場面指導のテーマは受験票の交付時に通知され、面接カードは1次の当日に提出する。
神奈川県の秋期試験の試験内容は、この記事では確認していない。実施要項で確かめてほしい。
確認できた範囲では、面接や小論文の比重が高い自治体が多い。面接の準備は【2026年最新】教員採用試験 面接対策|個人・集団・場面指導の頻出質問と回答例を完全解説、小論文は教員採用試験 論作文(小論文)の書き方|800字の構成・採点基準・頻出テーマを元教員が解説、場面指導は教員採用試験 場面指導 完全攻略|頻出テーマ20例・校種別例文22選・1分構想の手順・NG行動を元教員が解説を参考にしてほしい。
自治体別の対策記事もある。【2026年版】新潟県 教員採用試験 面接対策|個人面接2回の頻出質問と回答例・評価観点、【2026年版】名古屋市 教員採用試験 個人面接対策|面接2回制・模擬指導の攻略と頻出質問15問、川崎市教員採用試験 二次面接対策|場面指導・面接カード・小論文B(論作文)を一次日の「仕込み」から読み解く、【2026年最新】川崎市 教員採用試験 小論文対策|600字60分の傾向・過去問・模範解答がある。
北海道の秋選考は、2026年10月13日時点で出願を受け付けている。募集は小学校100名程度、中学校96名程度、高等学校103名程度、特別支援学校96名程度で、合計は約400名にのぼる。
地域枠は、小学校または中学校(国語・数学・理科・英語)が対象だ。日高、留萌、宗谷、オホーツク、根室の管内のいずれかに限って勤務できる人が受ける。採用1年目から、地域枠の管内で勤務する。出願時にレポートの提出が必要である。
特別選考には、障がい者、難病患者、スポーツ・芸術、アスリート、社会人、現職教員、登録辞退者、期限付教員、キャリア・リターン、教職大学院修了者、セカンドキャリア、ALT、小学校教諭の各特別選考がある。今年度は昨年度に比べて、一般選考(地域枠)と特別選考の区分が追加され、難病患者特別選考が新設された。
対象や条件は、要領で確認してほしい。社会人から受ける場合の制度の見方は、教員採用試験の社会人枠とは|免除される試験・加点・必要な勤務年数を自治体別に比較【2026年実施版】でも整理している。
北海道の面接そのものは、北海道 教員採用試験 面接対策|個人面接2回体制の頻出質問と「なぜ北海道か」の答え方【2026年】で扱っている。
秋選考を受けるかどうか迷っている人は、次の点を順に確認するとよい。
この記事で調べた5自治体以外の秋選考は、確認していない。受験する自治体のサイトで確認してほしい。
夏の試験の結果が出たあとの進路は、教員採用試験の合格後の流れ|採用候補者名簿・補欠合格・辞退・大学院進学の猶予を自治体別に整理【2026年実施版】と、教員採用試験に落ちた翌年に合格する4つのルート【元教員が解説】にまとめている。
秋選考は、確認できた範囲では面接の比重が高い。北海道は面接が2回あり、新潟県は面接の配点が筆答より大きく、名古屋市は面接2回のうち1回が模擬指導だ。川崎市と名古屋市は小論文もある。短い準備期間でも、面接と小論文の練習は、試験日までにできる準備のひとつになる。
論作AIでは、論文の添削と面接の練習ができる。想定される質問に自分の言葉で答える練習や、600字・60分といった時間の枠での論述の練習に使ってもらえれば幸いだ。
2026年10月13日時点で確認した、令和8年(2026年)秋の選考に関する公式ページと要項。
教員採用試験の2次に合格した後どうなるのかを、令和8年(2026年)実施の7自治体の要項で整理。合格者は採用候補者名簿に登載され、神奈川・千葉は原則全員採用と明記している。愛知県の補欠合格の扱い、大学院進学による辞退・猶予の申出期限、不合格でも成績上位なら載る講師名簿までまとめた。
教採不合格から翌年合格までの1年をどう使うか。臨任講師・塾講師・私立教員・教職大学院の4ルートを元教員が比較。論作AIで論作文を継続練習する方法も。
教員採用試験の年齢制限を、令和8年(2026年)実施の7自治体の要項で比較。多くは昭和40年4月2日以降生まれ(令和9年4月1日時点で満61歳以下の目安)だが、愛知県は昭和42年4月2日以降、東京都の一般選考は昭和62年4月2日以降と大きく違う。東京で40歳以上が受ける特例選考の仕組みもまとめた。
北海道教員採用試験の面接対策を元教員視点で解説。個人面接2回体制の傾向、頻出質問30選、「求める教師像3つ」への答え方、「なぜ北海道か」5軸(アイヌ文化・北方領土・へき地・教育推進計画・体力課題)まで網羅。校種別対策も掲載。
教員採用試験 面接対策の完全攻略ガイド。個人面接・集団面接・場面指導の3形式の頻出質問・模範回答例・採点基準・対策スケジュールを、元教員が完全解説。これ一本で面接対策の全体像がつかめます。
教員採用試験の「社会人枠」を、令和8年(2026年)実施の東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知・大阪府・大阪市の要項で比較。筆記が免除される型、10点加点の型、試験は一般と同じ型の3つに分かれる。必要な勤務年数(2〜5年)、正規職員に限るか、免許が無くても受けられるかまで一覧にした。
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