群馬県の教採を受ける人に、まず知っておいてほしいことがある。
群馬県は小論文(論作文)を廃止している。
令和6年度採用(2023年実施)から、全選考区分で小論文試験が撤廃された。 これは対策設計を大きく変える話だ。 「論作文の練習が必要か」という不安をまず手放していい。
そのうえで、群馬県の教採には別の特徴がある。
一般教養と教職教養が一体型の試験として出題される。 小・中学校教員と養護教員は60分、高校・特別支援学校教員は90分。 この時間の中で、一般的な教科知識と教職に関する知識が混在した問題を解く。
つまり「教職教養だけ仕上げれば大丈夫」という発想では立ち行かない。 一般教養と教職教養の両面を均等に仕上げるという設計が、群馬県では最初から求められている。
そして、群馬県には第4期群馬県教育ビジョンという最新の施策と、上毛かるたという郷土教育の文化的背景が存在する。 この二つへの理解が、群馬県対策を他の受験者と差別化する要素になる。
群馬県の第1次試験は以下の科目で構成されている。
| 科目 | 配点 | 備考 |
|---|---|---|
| 一般教養・教職に関する科目 | 100点 | 60分(高校・特別支援は90分) |
| 専門科目 | 200点 | 校種・教科により異なる |
試験全体で300点満点の構成だ。 一般教養・教職教養の比率は3分の1にとどまり、専門科目が2倍の200点というバランスになっている。
小論文は令和6年度採用から廃止されている。 第2次試験では面接(個人・集団)と実技試験が実施される。
一般教養と教職教養が60分の中に混在している。 問題数は非公表だが、過去問を見ると一般教養と教職教養が同程度の分量で出題されているのが特徴だ。
1問あたりに使える時間には余裕がない。 「考えればわかる」ではなく「見て即答できる」状態に仕上げることが、群馬県の試験では特に重要になる。
配点の比率からわかるとおり、専門科目200点が合否に大きく影響する。 一般教養・教職教養は満点近くを取っても100点。 専門科目はその2倍の重みを持つ。
「教職教養だけで点差をつけよう」という発想は群馬県では通用しない。 専門科目との並行対策が不可欠だ。
群馬県の教職教養で繰り返し出題されてきた分野を整理する。 一般教養と混在した試験形式のため、教職教養部分だけを取り出すと以下の分野が中心になる。
| 分野 | 出題の重さ | 特徴 |
|---|---|---|
| 教育原理(学習指導要領・生徒指導等) | 高 | 毎年出る中心分野 |
| 教育法規(教育基本法・学校教育法等) | 高 | 条文の正確な理解が必要 |
| 教育時事(最新の施策・答申) | 中〜高 | 群馬県施策との連動が特徴 |
| 教育心理(発達・学習理論) | 中 | 人名と理論の対応 |
| 教育史(西洋近代) | 低〜中 | 主要5人程度を押さえる |
学習指導要領の目標・内容・構成、生徒指導の考え方、特別支援教育に関する問題が毎年安定して出題される。
近年は「令和の日本型学校教育」答申(2021年)や生徒指導提要(2022年改訂版)からの出題も頻出だ。 これらは答申の骨子とキーワードをセットで覚える必要がある。
教育基本法・学校教育法・地方公務員法・教育公務員特例法が繰り返し出題されている。 条文を「なんとなく知っている」状態では得点できない問題が多い。 第○条と内容の対応を正確に整理することが、教育法規の得点を安定させる最短ルートだ。
全国共通の教育施策(COCOLOプラン・こども基本法等)に加えて、群馬県独自の施策が出題される可能性があるのが群馬県の特徴だ。
第4期群馬県教育ビジョン(2024〜2028年度)のキーワードは、教員採用試験に限らず群馬県の教育施策全体の文脈をつかむうえで欠かせない。 詳しくは次のセクションで説明する。
群馬県教育委員会が2024年度に策定した「群馬県教育ビジョン」は、第4期群馬県教育振興基本計画として位置づけられている計画だ。 2024年度から2028年度までの5年間にわたる群馬県教育の指針を示している。
基本理念のキーワードは「自分の可能性を切り開き、多様な他者と協働して新たな価値を創造する——ぐんまの未来を担う人材の育成」だ。
主な施策の柱として、以下がある。
面接や教育論の問題で「群馬県の教育施策」について問われた場合、このビジョンのキーワードを使えるかどうかが差になる。 第4期教育ビジョンは群馬県教育委員会の公式サイトからPDFで取得できるため、概要版を一読しておくことをすすめる。
群馬県を受ける人なら一度は名前を聞いたことがあるだろうが、上毛かるたは群馬県の教育において特別な位置を占めている。
1947年(昭和22年)に制作された44枚のかるたで、群馬県の地名・歴史・文化・人物が詠み込まれている。 当時GHQが地理や歴史の学校教育を停止していた時期に、子どもたちが郷土の歴史と文化を学べるように作られたという経緯がある。
現在も群馬県内の小中学校で授業に活用され、毎年約4万人の小中学生が大会に参加する。 「学校と地域が一体となった郷土教育」の実践例として、教育関係者の間で高く評価されている。
教員採用試験において上毛かるた自体が択一問題として直接出ることは稀だ。 ただし、面接や集団活動で「群馬県の教育の特徴は何か」「地域と連携した教育の具体例を挙げてください」と問われたとき、上毛かるたを郷土教育の実例として挙げられる受験者は印象が大きく変わる。
群馬県の教師として地域文化に根差した教育を実践できる人物であるかどうかを評価する場面で、この知識は効いてくる。
群馬県教育委員会が示している「求める教師像」は以下の要素を含んでいる。
最後の「地域や社会とともに学び続ける姿勢」は、上毛かるたに象徴される群馬県の地域密着型教育の文脈と直結している。 群馬県で教師をやるとはどういうことか、という問いへの自分なりの答えを、対策の過程で整理しておく必要がある。
最初にやるべきことは、群馬県の試験が「一般教養と教職教養の一体型・専門科目2倍」という構造を正確に理解することだ。
やること:
群馬県は専門科目200点という設計上、専門科目の対策が手薄になると教職教養をいくら仕上げても全体では厳しくなる。 この時期に「専門科目に何割の時間を使うか」を決めることが、群馬県対策の出発点だ。
教職教養の優先順位:
一般教養の優先順位:
やること:
確実に取れる問題を落とさないフェーズだ。
やること:
群馬県の直前期で特に意識すること。 「教職教養で落としてはいけない問題をゼロにする」ことと「一般教養の得意科目を崩さない」ことの両立だ。 一般教養は範囲が広いので、直前期に新しい分野を広げすぎると既存の得点力を失うリスクがある。
群馬県は小論文が廃止されているため、論作文対策の優先度は低い。 ただし、第2次試験の個人面接や集団活動では「教育課題に対して教師としてどう考えるか」という問いが課される。 思考の枠組みと語彙を体系的に整理したい人には、以下の1冊が役立つ。
群馬県の教職教養で実際に出題頻度が高いテーマを10個まとめた。 一体型試験で問題数が限られるため、出るところは決まっている。
資質・能力の三つの柱(知識・技能/思考・判断・表現/学びに向かう力)、主体的・対話的で深い学び、カリキュラム・マネジメント、社会に開かれた教育課程。 受験する校種の教科目標もセットで確認しておく。
三層の支援構造(発達支持的・課題予防的・困難課題対応的)の新設が改訂の最大のポイント。 いじめ防止対策推進法との関係も押さえる。
個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実。 答申が出た背景(コロナ禍・ICT普及・多様性への対応)を理解したうえで、キーワードを即答できるようにする。
第1条(目的)・第2条(目標)・第9条(教員)・第16条(教育行政)が特に問われやすい。 条文番号と内容の混同が典型的な失点パターン。 整理して覚える。
各学校種の目標、就学義務、義務教育の範囲。 教育基本法と学校教育法のどちらに書かれているかを正確に区別する。
信用失墜行為の禁止(第33条)・守秘義務(第34条)・職務専念義務(第35条)の三点セット。 条文番号と内容の対応を即答できるレベルにしておく。
合理的配慮の定義と提供義務、個別の教育支援計画と個別の指導計画の違い、通常学級在籍の特別支援対象割合(8.8%)。 群馬県でも特別支援教育の充実を施策として掲げているため、出題頻度が高い。
こども基本法(2023年施行)の目的と子どもの権利条約との関係。 COCOLOプランの「魅力ある学校づくり」「学びの多様化学校」のキーワード。
ピアジェの認知発達段階、ヴィゴツキーの発達の最近接領域、エリクソンの心理社会的発達。 人物名と理論名の対応を正確に整理する。
コメニウス・ルソー・ペスタロッチ・ヘルバルト・フレーベルの5人。 著作名と主張の対応を結びつけておく。
群馬県は令和6年度採用(2023年実施)から小論文を廃止している。 この情報を知らずに、他の自治体向けの論作文対策本を大量にやり込んでしまうのは時間の無駄になる。
まず受験する自治体の最新の実施要項を確認することが対策の出発点だ。 試験形式の変更は毎年ある。 前年度の情報を鵜呑みにせず、群馬県教育委員会の公式サイトで最新版を確認する習慣をつける。
群馬県の配点は専門科目200点・一般教養+教職教養100点という2対1の構成だ。 「教職教養を極めれば合格に近づく」という発想は、群馬県では成立しない。
教職教養100点分を満点取っても、専門科目で大差をつけられれば逆転は難しい。 受験校種の専門科目にどれだけの時間を投じるかを最初から計算に入れた対策設計が必要だ。
全国共通の教育施策だけを対策して、群馬県独自の施策を全く知らない状態で本番を迎えるのは、差をつける機会を捨てていることになる。
第4期群馬県教育ビジョンのキーワード、上毛かるたに象徴される郷土教育の文化的背景、求める教師像の内容——これらは1〜2時間で把握できる情報量だ。 対策の早い段階で押さえておくことで、面接で自分の言葉で語れる群馬らしさが出てくる。
群馬県の教職教養対策を一言でまとめるなら、「論作文なし・専門科目2倍・一体型試験という構造を前提に、群馬の施策を自分の言葉で語れる状態にする」だ。
小論文が廃止されているという事実は、対策の設計をシンプルにしてくれる。 論作文という不確かな要素が消えた分、筆記(一般教養・教職教養・専門科目)と面接に集中できる。
一般教養と教職教養が一体型というのは、裏を返せば「教職教養だけでなく一般教養も本気でやる必要がある」ということだ。 国語・英語・数学・社会・理科——この中で得意科目を持っているかどうかが、一般教養の得点に直接影響する。
そして専門科目200点という重みは、群馬県対策全体の設計思想を決める。 教職教養に費やす時間と専門科目に費やす時間のバランスを、早い段階で意識的に決めることが必要だ。
群馬県の地域性——上毛かるたに代表される郷土教育の実践、第4期教育ビジョンが示す子ども像——を自分の言葉で語れる状態で面接に臨むことが、他の受験者との差になる。
北関東エリアの他県の傾向も確認したい人は、栃木県の教職教養対策や茨城県教員採用試験 面接対策ガイドも参考にしてほしい。 教職教養全体の勉強法については教職教養の勉強法・完全ガイドで整理している。
群馬県は小論文が廃止されていますが、面接では「教育課題をどう考えるか」という実質的な論述力が問われます。 論作AIは群馬県の出題傾向に合わせた採点ができるAIサービス。 答案を書いて提出すれば、観点別の採点と具体的な書き直しアドバイスがその場で返ってきます。
面接の準備として、教育課題を文章でまとめる練習に使うのも一つの使い方です。
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