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1次試験を通過した安堵感は、2次試験の全体像を知った瞬間に吹き飛ぶことが多い。
茨城県の2次試験は、個人面接・模擬授業・集団活動という三つの柱で構成される。 面接だけ対策すれば終わりではないし、模擬授業は「授業のうまさ」だけを見ているわけでもない。 それぞれに評価の観点があり、準備の仕方が違う。
このページでは茨城県の2次試験の全体像を整理した上で、各試験種目の対策を具体的に書く。 1次合格の通知を受け取ってから2次試験当日まで、何をどの順序で準備するかのロードマップも示すので、参考にしてほしい。
茨城県の教員選考試験は、1次試験と2次試験の二段階構成で進む。
1次試験は例年6月(一部校種は5〜6月)に実施され、一般教養・専門科目・教職専門(教職教養)が課される。 ただし茨城県は令和7年度実施(令和8年度採用)から、教職専門試験の廃止を段階的に進めるなど、選考形式の見直しを積極的に行っている自治体でもある。 最新の実施要項は必ず茨城県教育委員会の公式サイトで確認すること。
2次試験は例年7月(小・中・高・養護・栄養)または7月下旬(特別支援学校)に実施される。 令和8年度採用(令和7年度実施)では、小・中・高・養護・栄養が7月11日(土)・12日(日)、特別支援学校が7月18日(土)・19日(日)で実施された。 最終合格発表は8月上旬が目安だが、年度によって変動するため公式情報を優先してほしい。
2次試験では以下の種目が実施される。
| 試験種目 | 対象 | 評価の観点 |
|---|---|---|
| 個人面接 | 全校種 | 使命感、堅実性、判断力 等 |
| 模擬授業 | 全校種 | 表現力、伝える力、創意工夫 等 |
| 集団活動 | 全校種(特支は独自形式) | 態度、協働性、コミュニケーション力 等 |
| 口述試験 | 中高英語のみ | 英語運用能力 |
| 実技試験 | 保体・音楽・美術・書道・家庭・技術 等 | 実技能力 |
評定は「設定した評価基準に基づき、3名の面接員が7段階で評定する」形式が採られている。 7段階評定という点は茨城県の特徴として覚えておくといい。 多くの自治体が5段階や10段階を用いる中、7段階の評定はより細かい差分を拾おうとしている設計だ。
茨城県は試験終了後に「各科目の得点合計および合格最低点」が通知される仕組みを採っている。 自分がどの種目で点数を落としたかを確認できる珍しいシステムで、翌年以降に向けた振り返りに使える。
配点の詳細は公式の実施要項PDFに記載されているため、受験前に必ずダウンロードして確認すること。 年度によって変更される場合があるため、ここでは「年度変動あり」とだけ書き、具体数値は載せない。
茨城県の個人面接では、3名の面接員が7段階で評定する。 評価の観点として公式に示されているのは「使命感、堅実性、判断力」の三つだ。
使命感とは、なぜ教員になりたいのか、なぜ茨城県なのか、という動機の純度に近い。 「とりあえず安定して」「地元だから」という動機そのものを責めるわけではないが、面接で語れるエピソードとして使えるのは「教育に対してどれだけ本気か」が伝わる話だ。
堅実性は、誠実さや誠意に近い。 問われていないことまで饒舌に話すより、聞かれたことに対して丁寧に答える。 言えないことは「わかりません」「確認が必要です」と言える誠実さも、堅実性の範囲に入る。
判断力は、特に場面指導や模擬授業後の質疑応答で問われる。 「こういう場合はどうするか」という追加の問いに、場面の状況を踏まえて答えられるかどうかだ。
茨城県の個人面接で繰り返し問われるテーマは以下の通りだ。
志望動機・茨城県を選んだ理由
「なぜ教員になりたいのか」と合わせて「なぜ茨城県か」も聞かれる。 他の自治体とも受験している受験生は多いが、茨城県ならではの教育施策や特色と自分の志向をつなげた答えが作れると差がつく。 (後の章で触れる「いばらき教育プラン」や「つくばのICT教育」はここで使える。)
理想の教師像
「どんな教師になりたいか」という問いは定番だが、茨城県の実施要項に記載された「求める教師像」と自分の言葉をすり合わせておくことが大切だ。 茨城県が公式に示す教師像は後の章でまとめるので、そこと照合して準備してほしい。
不登校・いじめへの対応方針
「不登校の子どもにどう関わるか」「いじめを発見したらどうするか」は、茨城県でも頻繁に問われるテーマだ。 「担任一人で解決しようとしない」「組織的な対応を取る」「本人の気持ちを中心に置く」という三つの軸を持ちながら、自分の経験と結びつけて語れると説得力が出る。
ICTを使った授業づくり
茨城県はICT環境の整備に力を入れている自治体だ。 「タブレットをどう活用するか」「個別最適な学びをどう実現するか」という問いは、面接でも頻繁に登場する。 具体的な授業場面のイメージ(「算数の○○の単元で、子どもの考えをタブレットに入力させてから、学級全体で共有する」という形)まで語れると、現場での活用イメージを持っていることが伝わる。
学級経営・保護者対応
「どんな学級を作りたいか」「保護者から相談を受けたらどうするか」も定番の質問だ。 保護者対応については、「最初に受け止める」「一人で判断せず、管理職に相談する」「解決を急がず、継続的につながる」という姿勢を軸に話せると安心だ。
茨城県の個人面接では、出願時に提出した書類が面接の材料として使われることがある。 志望動機・特技・自己PR等の記述が、当日の質問の起点になることを想定して準備してほしい。
面接シートの書き方全般については教員採用試験 面接シート・自己PR 書き方ガイドも参照してほしい。
茨城県の2次試験には「集団活動」がある。 よくある「集団討議(グループディスカッション)」とは少し形式が異なるため、注意が必要だ。
集団活動は「指定されたテーマに沿って、8名程度のグループで協働作業を行う」形式だ。 討議して意見をまとめるのではなく、グループで実際に何かを「作る」「まとめる」といった協働の過程そのものが評価される。
特別支援学校教諭を受験する場合は独自の形式があり、「2名程度のグループを2グループに分け、当日示された特別支援教育に関するテーマについてグループワークに取り組み、まとめた結果をプレゼンテーション形式で発表する」という流れだ(試験時間は約60分、グループワーク45分・プレゼン各7分が目安)。
年度や校種によって形式が変更されることがあるため、公式の実施要項で最新の詳細を確認してほしい。
公式に示されている評価の観点は「態度・協働性・コミュニケーション力」だ。
態度とは、グループの中でどう振る舞っているかだ。 積極的すぎて場を支配するのも問題だし、引きすぎて存在感がないのも問題だ。 「その場に必要なことをする」という姿勢が、態度として評価される。
協働性は、他のメンバーの意見を拾えるかどうかだ。 自分の意見を主張するだけでなく、「○○さんの意見はこういうことですよね」と確認したり、進みにくくなった話し合いを整理したりする動きが、協働性の高さとして見える。
コミュニケーション力は、伝わる言葉を使えているかどうかだ。 難しい言葉を並べるより、「今このグループがやるべきことは○○だと思うんですが、どうですか」とシンプルに話せる方が、グループ全体の動きをよくする。
集団活動で評価が高い受験生には共通点がある。
グループが止まりかけたときに動く。 話し合いが膠着したとき、「一度整理しましょうか」とまとめに入れる人は、グループ全体からも面接官からも評価される。
発言が少ない人に振る。 「○○さんはどう思いますか」と声をかけることは、協働性として見られている。 ただし、無理やり引き出そうとすると逆効果になるため、自然なタイミングで振れるかどうかが大事だ。
時間を意識する。 残り時間を確認しながら「そろそろまとめの方向に入りましょうか」と提案できる受験生は、教育現場での時間管理能力も評価される。
逆に、やってはいけないのは「他の人の意見を遮る」「自分の意見だけを押し通す」「発言が全くない」の三つだ。
茨城県の模擬授業は、個人面接と並んで2次試験の核心に位置する。 全校種で実施される点、そして模擬授業終了後に指導内容についての質疑応答があることが特徴だ。
持ち込み可能なものは「模擬授業メモ(A4用紙1枚)」のみ。 黒板(またはホワイトボード)とチョーク(または同用マーカー)の使用が認められている。
令和7年度採用(令和6年度実施)の模擬授業テーマは以下のように公表されている(茨城県教育委員会の公式ページより)。
小・中・高等学校 「主体的・対話的で深い学びの実現へ向けて、単元等の導入場面において、児童生徒が学習の見通しを立てられるように工夫された授業」
養護教諭 「心身ともに健康で安全な生活態度や習慣の形成に向けて、学級活動やホームルーム活動の導入場面において、児童生徒の健康・安全に関する興味・関心を高めるなど指導の効果を高めるために工夫された授業」
栄養教諭 「食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成に向けて、学級活動の導入場面において、児童生徒の食に関する興味・関心を高めるなど指導の効果を高めるために工夫された授業」
テーマは年度ごとに公式発表される。 最新テーマは茨城県教育委員会の公式サイトで確認すること。
評価の観点は「表現力・伝える力・創意工夫」だ。
表現力は、声の大きさ・板書の見やすさ・動き方に出る。 小さな声で板書を向いたまま話し続けると、表現力が低いと判断される。 「子どもたちを見ながら」「届く声で」「板書と口頭説明を使い分けながら」進めることが基本だ。
伝える力は、難しい内容をわかりやすく言い換えられるかどうかだ。 専門用語をそのまま並べるのではなく、「たとえば○○の場合を考えてみましょう」という具体化の言葉が使えるかどうか。
創意工夫は、「導入場面で子どもの興味をどう引き出すか」に最も現れる。 テーマに「導入場面において」と毎年指定されているのは偶然ではない。 最初の一手——問いの立て方、子どもへの投げかけ、驚きや気づきを生む仕掛け——がどれだけ工夫されているかが見られている。
茨城県の模擬授業の特徴の一つが、終了後に質疑応答があることだ。
「今の授業でなぜその発問にしたのか」「子どもの反応が想定と違ったらどうするか」「この授業のねらいはどこに置いているか」といった問いが来ることが多い。
ここで問われているのも判断力だ。 模擬授業の設計意図を自分の言葉で語れるかどうか。 「なんとなくこうしました」ではなく、「子どもたちが問いを自分ごととして捉えるには、最初に身近な場面から入ることが有効だと考えたので、○○から入りました」という説明ができると、意図を持った授業設計ができる教員として評価される。
茨城県の場面指導は、個人面接の中に組み込まれる形で実施される。 独立した試験枠ではなく、個人面接の流れの中で課題が提示され、受験者が実演する形だ。
場面指導の頻出テーマは全国共通の部分が多いが、茨城県でも繰り返し登場するのは以下の三つだ。
場面指導の頻出テーマ20問と全体的な準備の流れについては教員採用試験 場面指導 完全攻略ガイドもあわせて使ってほしい。
場面指導には「正解」はない。 しかし、採点官が高く評価する動き方の型は存在する。
1段目:受け止める 相手の言葉や状況を、まず受容する。 「そうでしたか」「それは大変でしたね」「話してくれてよかった」——こうした受け止めの言葉を飛ばして解決策に入ると、相手は「聞いてもらえていない」と感じる。
2段目:確認する 事実関係や相手の気持ちを確認する。 「いつ頃から気になっていましたか」「どんな場面でそういうことが起きましたか」——ここで情報を整理することで、次の対応に説得力が生まれる。
3段目:動く・つなぐ 自分ができることを伝え、必要であれば他の教員や専門機関につなぐことを明示する。 「今日この場で私からお伝えできることと、さらに確認が必要なことを整理させてください」「担任の先生や養護教諭にも情報を共有して、連携して対応します」——組織的対応を語れるかどうかが評価を大きく左右する。
この3段を守れるだけで、準備していない受験生との差は明確に出る。
課題提示例(イメージ) 「あなたは4年生の担任です。ある日、女子生徒の保護者から電話がかかってきました。『最近、うちの子が学校の話を全くしなくなって、朝も登校を渋るようになりました。何かご存じですか』という内容です。保護者に対応してください。」
実演の流れ(例)
「お電話ありがとうございます。担任の○○です。 登校を渋るようになったこと、お家で気づいていただいてありがとうございます。 いつ頃から、そういった様子が見られるようになりましたか。 ……そうですか、2週間くらい前から変わった感じがするのですね。
学校での様子をお伝えすると、授業中は普通に参加できていますし、給食も一緒に食べています。ただ、お話しいただいた内容は、担任として重要に受け止めています。 今日の放課後、本人に声をかけてみます。何か話してくれたらあらためてご連絡しますね。 もし本人が話しにくそうな様子だったら、養護教諭にも相談して、複数の目で見ていきます。
お家でも、何か変化があればすぐ教えていただけますか。学校と家庭で一緒に見守っていきましょう。」
採点官が見るポイント
茨城県の実施要項には、「本県の求める教師像」として以下の5つが明記されている。
(出典:茨城県公立学校教員選考試験実施要項)
これらの5つを丸暗記して答えても意味がない。 採点官は「茨城県の教師像を知っているかどうか」ではなく、「その人自身がそこに近いかどうか」を見ている。
大事なのは、自分のエピソードと結びつけることだ。
たとえば「子どもとともに考え、子どもの気持ちを理解できる教師」という像に対して、「ボランティアで小学生と関わる中で、正解を教えるよりも一緒に考える過程が子どもを動かすことを経験しました。その経験から、答えを渡すより問いを共有する教師になりたいと思っています」という形で語ると、教師像と自分がつながって見える。
「明るく積極的」「使命感に燃え」という部分は、面接でそう見せようとするより、自分の動機のどこかにある本音を引き出す方がずっと伝わる。
茨城県は「いばらき教育プラン(茨城県教育振興基本計画)」を策定し、県全体の教育の方向性を示している。 令和8年3月には次期プランが策定されており、以下の方向性が掲げられている。
茨城県の教育理念として「茨城県の未来をつくる『人財』を育て、日本一子どもを産み育てやすい県を目指す」という方向性が示されている。 (出典:茨城県教育委員会 いばらき教育プラン関連資料)
茨城県はICT環境の整備に力を入れている。
公立学校教職員の情報共有基盤として「茨城県教育情報ネットワーク」が整備されており、全職員にメールアドレスが付与されるなど、組織的な情報共有の基盤がある。 令和6年度の学校教育指導方針でも「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」が重点として示されており、ICTを使って一人ひとりの習熟度に応じた学びを実現することが求められている。 (出典:令和6年度 学校教育指導方針 茨城県教育委員会)
面接でICT活用を聞かれたときは、「タブレットを使って何ができるか」という道具の話だけにとどまらず、「個別最適な学びをどう実現するか」という視点と結びつけて語れると、茨城県の方向性と自分が一致しているように見える。
茨城県の中でも、つくば市はICT教育の先進地域として知られる。 独自のプログラミング教育・STEAM教育に取り組んできた文脈があり、茨城県全体の教育でもICTリテラシーや探究的な学びへの関心は強い。
つくば市内の学校への赴任を希望している受験生は、地域の教育的特色を把握しておくことで面接の説得力が高まる。 ただし、受験する校種・地域によって具体的な状況は異なるため、最新の情報を公式資料で確認してほしい。
茨城県の面接で自然に盛り込めるキーワードをまとめておく。
「個別最適な学び」——子ども一人ひとりの習熟度や興味に応じた学びを実現するという、学習指導要領改訂の文脈とも連動するキーワード。ICT活用と合わせて語れる。
「協働的な学び」——個別最適と対になる概念。「一人の最適」と「みんなで学ぶ力」を両立させることが、茨城県の教育の目指す方向と重なる。
「不登校・いじめへの組織的対応」——茨城県のいばらき教育プランでも「不登校・いじめ対策の充実」が掲げられている。担任一人で抱えず、チームで動く姿勢を語れることが評価につながる。
「子どもの可能性を引き出す」——茨城県の教育特設サイトでも用いられている表現で、求める教師像とも重なる。
これらを「借りてきた言葉」として使うのではなく、自分の経験や具体的な授業のイメージと結びつけて語れるかどうかが、面接官に伝わるかどうかの分岐点だ。
茨城県は個人面接・模擬授業・集団活動の実出題を年度別・校種別には公式公開していない。以下は評価観点(使命感・堅実性・判断力/表現力・伝える力・創意工夫/態度・協働性・コミュニケーション力)と各校種の試験構成そのものから、校種ごとに重心の置き方がどう変わるかを整理したものだ。「◯◯年度にこう聞かれた」という年度特定の事実はここでは扱わない。
7段階評定・集団活動・模擬授業という試験の骨格、いばらき教育プランの方向性はどの校種を受けても共通の土台になる。 ただし、その土台のどこに重心が寄るかは校種ごとに違う。 6校種それぞれで、校種の違いがどこに評定として現れるかを見ていく。
個人面接の3観点(使命感・堅実性・判断力)は、単発の質問への回答力というより、学級を一年間支えられる総合力として評定に響きやすい。模擬授業「単元等の導入場面で学習の見通しを持たせる工夫」は小・中・高共通テーマだが、全教科を一人の担任が担う分、教科をまたいだ見通しの持たせ方が問われやすい。
学年・教科ごとに担当が分かれる中学校・高校と違い、小学校は生活指導も保護者対応も学級担任が一人で背負う。 3名の面接員が7段階で評定する使命感・堅実性・判断力は、単発の質問への答え方以上に、一年間学級を回せる一貫性として見られていると考えた方がいい。 集団活動(8名程度のグループでの協働作業)でも、普段学級で子ども同士の関係を調整している経験がそのまま活きる。
面接で聞かれやすいのは志望動機・理想の教師像に加えて、不登校・いじめへの対応方針、ICTを使った授業づくり、学級経営・保護者対応の4つ。 小学校の場合はこの4つが「学級経営」という一つの塊として問われる傾向がある。
答え方で気をつけたいのは、理想像だけで終わらせないことだ。 面接官が学級経営を聞くとき、知りたいのは目指す学級像そのものより、そこへ向かう日々の小さな判断の積み重ねのほうだ——論作AI制作チームの元小学校教員は、質問の意図をそう読み解いている。 給食の時間の声かけ一つでもいい、自分の言葉で言える具体的な場面を一つ持っておくと、7段階評定の中で堅実性の評価につながりやすい。
教科の専門性を教科指導者としてどう見立てるかがまず問われ、そのうえで思春期の生徒への生徒指導力が重ねて評定される。英語科受験者は個人面接に加えて口述試験も課される分、準備の配分がそのまま点数に響く。
志望動機・理想の教師像、不登校への対応方針といった全校種共通のテーマに加えて、中学校では場面指導の頻出テーマとして挙げた「生徒同士のトラブル(いじめ疑い・SNS問題)への対応」の重心が高くなりやすい。 発達段階を考えると、思春期特有のトラブルへの対応力が判断力の評定と直結しやすい校種だからだ。
英語科を受験する場合は、個人面接に加えて口述試験で英語運用力そのものが試される。 限られた準備期間の中で面接対策と口述試験対策のどちらに時間を割くか、早めに配分を決めておいた方がいい。
答え方の軸になるのは、場面指導の3段(受け止める・確認する・動く/つなぐ)だ。 判断力を問う「こういう場合はどうするか」という追加の問いに対しては、頭ごなしに指導する前に事実確認を丁寧に行う姿勢を先に示すと、堅実性の評価にもつながる。
保体・音楽・美術・書道・家庭・技術等は実技試験、英語は口述試験が個人面接・模擬授業・集団活動に加わる。種目数がどの校種よりも多くなりやすい分、時間配分の設計がそのまま準備の質に直結する。
高等学校は、実技試験の対象教科や口述試験の対象教科(英語)が加わる分、選考の種目数が多くなりやすい校種だ。 模擬授業のテーマ「単元等の導入場面で学習の見通しを立てられるように工夫された授業」は小・中・高共通で公表されており、高校も例外ではない。
志望動機・理想の教師像、不登校・いじめへの対応方針、ICTを使った授業づくりといった全校種共通のテーマは他校種と変わらないが、該当教科の受験者はここに実技試験・口述試験の準備が上乗せされる。 教科の専門性を土台に、模擬授業終了後の質疑応答で発問の意図を自分の言葉で説明できるかが判断力として見られる。 「なんとなくこうしました」で終わらせず、「子どもたちが問いを自分ごととして捉えるには、最初に身近な場面から入ることが有効だと考えたので、○○から入りました」というように、意図を語れる状態を模擬授業の練習と同時に作っておきたい。
集団活動が独自形式(2名程度のグループを2グループに分け、特別支援教育に関するテーマでグループワーク45分・プレゼンテーション各7分)になる、記事内で唯一の校種。試験実施日も他校種より遅い7月18日(土)・19日(日)。
特別支援学校教諭の集団活動は、討議して意見をまとめる形式ではなく、グループワークとプレゼンテーションという構成そのものが評価対象になる。 評価観点(態度・協働性・コミュニケーション力)は他校種と同じだが、「発表としてまとめる」工程が加わる分、時間配分と結論を形にする力まで見られる。 個人面接の評定(使命感・堅実性・判断力)、模擬授業の評価観点(表現力・伝える力・創意工夫)は他校種と共通で、志望動機・理想の教師像、不登校・いじめへの対応方針といった質問も他校種と変わらない。
グループワーク+プレゼン形式では、話し合いを進める人だけでなく発表としてまとめる人の動きも評価に含まれる。 残り時間を意識して「そろそろ発表の形にまとめましょうか」と声をかけられると、時間管理能力の面でも評価されやすい。 試験日程が他校種よりおよそ1週間遅い7月18日・19日である分、準備期間の使い方を計画に組み込んでおくといい。
模擬授業のテーマが養護教諭区分として個別に公表されている校種。「心身ともに健康で安全な生活態度や習慣の形成」に向けた保健指導の工夫が、個人面接での回答にもそのまま流用できる軸になる。
養護教諭の模擬授業は、令和7年度採用(令和6年度実施)で「心身ともに健康で安全な生活態度や習慣の形成に向けて、学級活動やホームルーム活動の導入場面において、児童生徒の健康・安全に関する興味・関心を高めるなど指導の効果を高めるために工夫された授業」というテーマが公表されている。 教科の授業ではなく保健指導の場面設計力が問われる分、表現力・伝える力・創意工夫をこのテーマにどう落とし込むかが見どころになる。
個人面接でも志望動機・理想の教師像、不登校・いじめへの対応方針が聞かれやすいが、養護教諭の場合はそこに「保健室からどう情報をつなぐか」という視点が重なる。 論作AI制作チームの元小学校教員は「担任をしていると、保健室から様子の変化を伝えてもらえるだけで対応が早くなる場面が何度もあった」と話す。 健康・安全の指導そのものだけでなく、担任との情報共有の姿勢まで含めて語れると、模擬授業と個人面接の両方で一貫した軸になる。
模擬授業のテーマが栄養教諭区分として個別に公表されている校種。「食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成」に向けた授業の工夫が軸になる。
栄養教諭の模擬授業は、令和7年度採用(令和6年度実施)で「食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成に向けて、学級活動の導入場面において、児童生徒の食に関する興味・関心を高めるなど指導の効果を高めるために工夫された授業」というテーマが公表されている。 学級活動の導入場面という指定は他校種と共通しており、給食という日常の実践と食育の授業をどう結びつけて語れるかが見られやすい。
個人面接では志望動機・理想の教師像、不登校・いじめへの対応方針に加えて、食に関する興味・関心をどう高めるかが問われやすい。 最初の一手——子どもがどんな給食の経験や疑問から入るか——を具体的に描けるかどうかが、創意工夫の評価につながる。 栄養教諭は日々の給食運営という実務があるからこそ、模擬授業の「導入」を絵空事ではなく、実際の給食の場面と結びつけて語れると説得力が増す。
茨城県の2次試験は例年7月上〜中旬に実施される。 1次試験が6月であれば、1次合格発表から2次試験まで約3〜4週間程度しかない年もある。
時間がない中で何を優先するかが、2次試験対策の核心だ。
まず自分の「面接の軸」を整理する。
これら四つをA4で1枚にまとめる。 完璧な文章でなくていい。 箇条書きと短い文章で、自分の考えを言語化しておくことが最初のステップだ。
この作業は、論作AIの添削機能を使って400〜600字で書いてみることでやりやすくなる。 書いて→添削を受けて→自分の言葉の穴を見つけて、を繰り返すことで、面接で突然聞かれても詰まらない「自分の軸」ができてくる。
模擬授業は「型」さえあれば大幅に改善できる。
導入の構造を決める 茨城県のテーマは「導入場面」が指定されていることが多い。 「問いを立てる→子どもを揺さぶる→学習の見通しを持たせる」という導入の三段構造を自分の授業で使えるか練習する。
板書とセットで練習する 紙に板書内容を書きながら、声を出して進める練習を最低5回はやる。 本番では黒板(ホワイトボード)を使うが、自宅では模造紙や大きめのノートで代用できる。
質疑応答に備える 模擬授業終了後の質疑応答用に、「この授業でなぜその発問にしたか」を30秒で説明できるようにしておく。 授業の意図を語れることが、質疑応答の評価を決める。
集団活動は一人では練習できない。 大学の友人や教採仲間を集めて、実際にグループワーク形式で練習するのが一番効果的だ。
個人面接は、自分が準備した軸をもとに模擬面接を繰り返す。 答えられなかった質問は書き出して、翌日に自分なりの答えを作る。 「完璧な答え」ではなく「自分の言葉で答えられる状態」を目指す。
前日に新しいことは仕込まない。 当日の会場・アクセス・持ち物を確認して、早めに就寝する。
「面接では自分の経験を話せばいい」という意識を持てると、当日の緊張が少し和らぐ。 採点官は「教科書的な答え」を聞きたいのではなく、「この人と一緒に働けるかどうか」を判断しようとしている。
面接は、頭で分かっているだけでは通らない。 「言葉にして、相手に伝わる形で返す」ところまで練習して初めて本番で使える。
いまなら論作AIの面接練習AIが無料で開放されている。 茨城県の傾向を踏まえた想定質問がAI面接官から出され、あなたの回答には5観点100点の採点と改善フィードバックが返る。 「理想の教師像」「不登校の子どもへの関わり方」「ICTを使った授業づくりで大切にしたいこと」——この記事で見てきた頻出質問を、その場で壁打ちできる。
茨城県の二次は個人面接(7段階評定)・模擬授業・集団活動の3本柱だ。 どれも「自分の教育観を、その場で言葉にして返せるか」が問われる。 回答を書いて整理してから声に出す練習を1周しておくと、面接での軸が安定する。
なお、茨城県に論作文はない。 二次の詳細は茨城県に小論文はある?(結論: 実施なし)で確認してほしい。
茨城県の2次試験の前に、想定質問をAI面接官と壁打ちして、自分の言葉を仕上げてほしい。 登録後すぐ、クレジットカード登録も不要で使える。
集団討議は「テーマについて意見を出し合い、結論をまとめる」形式が一般的だ。 茨城県の集団活動は「指定テーマに沿ってグループで協働作業を行う」という形式で、討議・合意形成のプロセスだけでなく、実際の協働の動き方が見られる点が異なる。 特別支援学校教諭を受ける場合は、グループワーク+プレゼンテーションという形式が採られている。 詳細は公式実施要項を確認してほしい。
茨城県は前年度の秋〜冬頃に次年度の模擬授業テーマを公表することが多い。 茨城県教育委員会の採用情報ページや公式X(旧Twitter)アカウントで確認できる。 最新の公表状況を定期的にチェックしておくことを勧める。
基本的には担当校種・教科に沿ったテーマで実施する。 小学校全科の場合は「単元等の導入場面」というテーマに沿って教科を選択する。 どの教科で実施するかは受験申込み時や当日の指示に従う。 公式の実施要項で確認すること。
正直に答えてよい。 「他の自治体との掛け持ち受験をしていること」は減点対象ではない。 ただし「なぜ茨城県か」は改めて問われることになるため、茨城県の教育施策や求める教師像と自分のつながりを語れる準備を先にしておく方が安心だ。
「少し考えさせてください」と一言断ることは減点にならない。 問題は黙り続けることだ。 「○○という経験から考えると……」とエピソードから入れば、言葉は続く。 「正しい答え」を思い出そうとするのではなく、「自分の経験の中から答えを引き出す」という方向に切り替えると詰まりにくくなる。
「受け止めの言葉」を先に言う、という一点を決めておくと最初の一言は出やすくなる。 「そうでしたか」「話してくれてありがとう」「それは大変でしたね」——これらは状況を問わず使えるため、構想時間に「最初はこれを言う」と決めておくことで沈黙を防げる。
「発言の量」より「発言の質」と「聴き方」が評価される。 グループの中で意見が詰まったタイミングで「一度まとめましょうか」と整理に入ったり、発言が少ない人に「○○さんはどう思いますか」と振ったりする動きは、発言量が少なくても協働性・コミュニケーション力として高く評価される。
茨城県の2次試験は、個人面接・模擬授業・集団活動という三つの種目で構成される。 それぞれに異なる評価の観点があり、準備の仕方も変わってくる。
個人面接では「使命感・堅実性・判断力」が7段階で評定される。 自分のエピソードと茨城県が示す教師像をつなげて語れるかどうかが、他の受験生との差になる。
模擬授業では「表現力・伝える力・創意工夫」が見られる。 導入場面での工夫と、授業後の質疑応答での説明力が勝負だ。
集団活動では「態度・協働性・コミュニケーション力」が評価される。 グループを動かせる人ではなく、グループと一緒に動ける人になることを意識してほしい。
1次試験が終わってから2次試験まで時間は短い。 最初の1週間で面接の軸を作り、模擬授業の型を固め、集団活動の練習を重ねること。 仕上げとして、茨城県の教育施策(いばらき教育プラン・ICT教育の方向性)と自分の言葉をつなげる練習をする。
茨城県の試験まで、一緒に準備を進めよう。
参考資料
茨城県は個人面接・模擬授業・集団活動と、2次試験の種目が多い自治体だ。 面接全体のフレームを書籍で押さえた上で、本記事の各種目の対策と組み合わせて練習してほしい。
茨城県の個人面接では場面指導が組み込まれる。 テーマを見た瞬間に頭が真っ白になることが最大の失敗パターンで、1冊やり切ることで回答の骨格が瞬時に浮かぶ状態に近づける。
岐阜県教員採用試験2次試験の個人面接・プレゼンテーション面接(場面指導)の構成と評価観点を解説。「なぜ岐阜県か」「清流の国ぎふ」を軸にした頻出質問15問と回答の組み立て方、場面指導の切り返し方を具体的にまとめた。
三重県教採の個人面接を元教員が解説。評価3軸(基礎力素養・実践的指導力・教育的素養)と頻出質問15問の回答骨格、三重県教育ビジョン×人権教育×外国にルーツの子どもという三重独自の文脈を踏まえた回答の作り方をまとめた。7月25日〜8月1日の本番に向けて直前期に使える。
教員採用試験の場面指導を完全攻略。1分構想テンプレ・頻出テーマ20例・校種別(小学校/中学校/高校/特別支援/養護教諭)例文22選・NG行動5パターン・採点者が見る5観点・主要自治体の傾向まで、元小学校教員が実体験をもとに解説。
合格に必要なテーマ・自治体・用語を、ハブページからまとめて辿れます。