ブルーナー(発見学習)とは|EIS理論・スパイラルカリキュラムを教採で問われる形で整理
ブルーナー(発見学習)とは|EIS理論・スパイラルカリキュラムを教採で問われる形で整理
教育心理の理論家の中でも、ブルーナーは「発見学習」というキーワードで覚えている受験生が多い。
でも「発見学習とは何か」を説明しようとすると言葉に詰まる。 「EIS理論」「スパイラルカリキュラム」という用語が出てくると、さらにわからなくなる。
ブルーナーの考え方は、「子どもが自分で構造を発見する学習」というシンプルな軸を押さえると、他のキーワードが自然につながっていく。
ブルーナーとは
ジェローム・シーモア・ブルーナー(Jerome Seymour Bruner, 1915-2016)。 アメリカの心理学者・認知科学者。 1950年代の「認知革命」を主導した一人。
主著『教育の過程』(The Process of Education, 1960年)において、発見学習とスパイラルカリキュラムを提唱した。
発見学習とは
ブルーナーが提唱した学習形態で、教師が知識を直接教えるのではなく、学習者が自分で知識の「構造」を発見していくプロセスを重視する考え方。
「教科の構造」とはその教科の根本的な概念・原理のこと。 「どの教科でも、知的性格をそのままに保って、発達のどの段階のどの子どもにも効果的に教えることができる」というブルーナーの有名な命題は、この考え方を象徴している。
発見学習の特徴
- 学習者の内発的動機づけを重視
- 「答え」より「過程(発見するプロセス)」を重視
- 学習の転移(習ったことを別の場面に応用する力)を育てる
EIS理論(表象様式の3段階)
ブルーナーは、知識の表現・理解には3つの様式(モード)があると考えた。
| 段階 | 英語 | 内容 | 例 |
|---|---|---|---|
| 行動的(作動的)表象 | Enactive | 実際の行動・操作を通じて理解する | 積み木で足し算を体験する |
| 映像的(図象的)表象 | Iconic | 画像・図・映像を通じて理解する | 図や絵を使って足し算を理解する |
| 象徴的(記号的)表象 | Symbolic | 言語・記号・数式を通じて理解する | 「2+3=5」という式で理解する |
頭文字をとって「EIS理論」(Enactive / Iconic / Symbolic)と呼ばれる。
この3段階は「低い→高い」という固定した順序で進む必要はなく、行き来しながら理解を深めることができるとブルーナーは考えた。
ピアジェの認知発達段階と混同されやすい。 EIS理論は「知識の表現様式」、ピアジェの段階は「認知の発達段階」という違いを押さえておく。
スパイラルカリキュラム
「同じ教科の内容を、発達段階に応じて螺旋(スパイラル)を描くように繰り返し学ぶ」カリキュラム構成の考え方。
難易度・抽象度を少しずつ上げながら、同じ概念を繰り返し学ぶことで深い理解につながる。
例:小学校で「生き物のつながり」(食物連鎖の入口)→ 中学で「生態系」→ 高校で「生物多様性と生態系の保全」という形で同じテーマを深化させていく。
教採での出題ポイント3つ
1. EIS理論の3段階の名称と内容
「行動的・映像的・象徴的」の3段階の名称、頭文字(E・I・S)、それぞれの意味を覚える。 「ブルーナーが提唱したのはどれか」という問いへの対応。
2. 「発見学習」の特徴
受動的に知識を受け取るのではなく、学習者が自分で「構造」を発見する学習。 「問題解決学習(デューイ)」「プログラム学習(スキナー)」との区別が問われることがある。
3. スパイラルカリキュラムとブルーナーの対応
「スパイラルカリキュラムを提唱したのは誰か」という問いへの答えはブルーナー。 「同じ内容を螺旋状に繰り返しながら深化させる」という特徴を言える。
自治体別の力点
東京都
東京都はEIS理論の各段階の内容と、発見学習の考え方を結びつけた問題が出やすい。 「映像的表象に対応する学習活動はどれか」という形で出ることがある。
大阪府
大阪府は発見学習・問題解決学習・プログラム学習の3つを区別する問題が見られる。 それぞれの提唱者(ブルーナー・デューイ・スキナー)とのセットで覚えておく。
愛知県
愛知県はスパイラルカリキュラムの具体的な意味と、カリキュラムマネジメントとの関連を問う問題が出ることがある。
学習法アドバイス(元教員より)
「具体的な操作から入って、図で確認して、最後に式で表す」という算数の授業の進め方は、EIS理論そのものだった。 教員になってから教育心理の本を読んで「あれはブルーナーの理論を実践していたのか」と気づいた。
受験勉強ではEISの頭文字と3段階の意味を確実に覚えること。 「発見学習=子どもが構造を自分で発見する」という定義と、「スパイラルカリキュラム=螺旋状に繰り返す」というセットを記憶の軸にするといい。
学習の優先順位:
- EIS理論の3段階(Enactive・Iconic・Symbolic)の名称と内容を覚える
- 発見学習の定義(学習者が構造を発見する)を確認
- スパイラルカリキュラムの意味(螺旋状に繰り返す)を覚える
- ブルーナーの生没年(1915-2016)と主著(教育の過程・1960年)を確認
関連用語
- ピアジェ(認知発達理論) — EIS理論と混同されやすい認知発達段階説
- ヴィゴツキー(最近接発達領域) — 発見学習と比較されることがある
- スキナー(オペラント条件づけ) — プログラム学習の提唱者として発見学習と対比
- カリキュラム・マネジメント — スパイラルカリキュラムとカリキュラム設計の考え方が接続する
参考:
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