不合格通知を受け取った後、「どこで働くか」を決めるのがまず一番しんどい。
臨任は現場には立てるけど忙しい。 塾なら勉強時間は作れるかもしれないけど、面接で「ずっと塾でした」と言えるか不安。 私立は——どうなんだろう、と思っている人が意外と多い。
この記事は4つのルートのうち「私立教員」に絞って書いている。 給料・雇用形態・1日の働き方・教採対策との両立方法・面接での使い方まで、論作AI制作チームの元小学校教員が知っている限りのことを書く。
4ルートの全体像は親記事(教員採用試験に落ちた翌年に合格する4つのルート)でまとめているので、まずそちらを読んでからこのページを深掘り用に使ってほしい。
私立教員ルートが成立する理由は一つだ。 **「教員キャリアを途切れさせずに翌年を迎えられる」**こと。
臨任講師が非常勤から始まると肩書きに迷うケースがある。 塾講師は「教員じゃない」という引け目を感じやすい。 それに対して私立教員は、採用試験を通って入る以上、「私立学校教員」という肩書きが最初からつく。
次の教採の面接で「現在、私立中学校で常勤講師として数学を担当しています」と言えるのと、「塾で働いています」と言えるのとでは、面接官の受け取り方が変わる——という感覚は、現実問題として無視できない。
もう一つ、精神的な余裕という観点がある。 公立の臨任は期限付き採用が多く、「今年も落ちたら来年はどうなるんだろう」という不安が重なりやすい。 私立で専任に近い立場を得ると、「落ちても私立に留まれる」という逃げ道が生まれる。 この余裕が、焦りからくる判断ミスを減らすことにつながる場合がある。
ただし正直に言うと、4つのルートの中で教採対策の時間確保という観点では最もタフなルートの一つでもある。 それを踏まえた上で、このルートを選ぶかどうかを判断してほしい。
Q. 私立教員ルートはどんな人に向いている? 「教員という立場で現場に立ちながら再受験したい」「精神的な逃げ道を持ちながら準備を進めたい」という人には向いている。 一方で、「論作文の練習時間を最大限確保したい」「生活リズムを勉強中心にしたい」という人は、塾講師ルートとセットで検討する方がいい。
私立学校の教員には大きく3段階ある。 それぞれの特徴を整理しておく。
週に一定コマ数だけ担当する形態で、授業料として時間給が払われる。 コマ単価は1コマ(50〜60分)あたり2,000〜3,500円が相場で、週10コマ以上担当しても月収15万円前後になることが多い。 社会保険は条件次第で未加入になるケースもある。
教採再受験の観点では、時間の自由度が高い点はメリットだ。 ただし収入の不安定さと、「非常勤だと面接で話しにくい」という引け目が出る場合もある。
フルタイムで勤務し、授業・学級業務・校務分掌の一部を担当する立場だ。 月給20〜28万円程度が相場で、社会保険完備・有給あり・賞与あり(年1〜2回)という学校が多い。
再受験を考えている人が最も多く選ぶのがこのポジションだ。 「正規に近い働き方をしながら再挑戦できる」という点でバランスがいい反面、業務量は専任教諭とほぼ同等の学校もある。
私立学校が直接採用する正規社員に近いポジション。 給与水準は月25〜38万円程度で、退職金・諸手当が整備されている学校が多い。 宗教法人立の有名校や大手系列附属になると、月給30万円台後半のケースもある。
ただし専任になると「この学校で長期的にキャリアを築く」という前提を学校側が持っているため、「来年また公立教採を受けます」と言い出しにくい雰囲気になる場合がある。 入職前に自分のスタンスをどこまで伝えるかは、慎重に判断してほしい。
Q. 再受験目的なら常勤講師と非常勤どちらがいい? 収入と肩書きのバランスという点では常勤講師が無難だ。 非常勤は時間の自由度があるが、収入の不安定さと「担任経験なし」というデメリットが面接に影響することがある。 常勤で働きながら、退勤後と休日に論作文練習を組み込むのが現実的な設計だ。
私立学校を一括りにして考えると、入職後にギャップを感じやすい。 大きく3タイプの特徴を知っておくと、求人を見るときの判断軸になる。
カトリック・プロテスタント・仏教・神道系など、宗教法人が設置している学校だ。 「建学の精神」への共感が求められるため、採用面接で宗教観や人間教育への姿勢を問われることがある。 内部の文化は一体感が強く、縦のつながりが濃い傾向がある。
給与水準は学校によってばらつきがあるが、運営が安定している宗教系の大規模校は待遇が手厚いケースが多い。
大学進学実績を最重要視する学校で、生徒の学力レベルが高く、授業準備の質と量が求められる。 特に数学・英語・理科系は「わかりやすさ」より「深さ」を要求される。
フルタイムで働きながら再受験する場合、授業準備の負荷が重く、自習時間の確保が最もハードなタイプだ。 校種・教科によっては土日の補習や模試監督が定期的に入る。
大学・幼稚園・中高一貫の系列があるグループ系の学校。 内部進学の仕組みがあり、高校から大学への推薦枠がある分、生徒の進路指導が特殊になる。 組織としての動きが整備されていて、業務の見通しが立てやすい傾向がある。
中高一貫校は「高校受験がない」ため、生徒が長期スパンで学べる環境でもあり、担任として深く関われる面がある。
Q. どのタイプの私立が教採再挑戦に向いている? 一概には言えないが、業務の見通しが立てやすい系列附属や、進学圧力が比較的低い中規模校の方が、退勤後の時間を論作文練習に使いやすい傾向がある。 進学校は授業準備の負荷が重く、勉強時間の確保が難しくなりやすい。
私立教員の1年は、公立学校(臨任)と似て非なる。
新年度のスタート。 学校行事・担当クラス・校務分掌の確認が重なり、慣れるまでの1〜2ヶ月は体力的に消耗する。 この時期に「論作文の練習もやろう」と欲張らない方がいい。 着任期に無理をすると、5月以降に燃え尽きる。
ここが最大の山場だ。 公立教採の一次試験は7月上旬〜8月に集中している。 一方で私立学校は6〜7月に部活の大会シーズン・期末考査・三者面談が重なる。 この時期に有給が取れるかどうかは、入職前に確認しておくことが必須になる。
公立教採の二次試験(面接・模擬授業)は8月〜9月が多い。 私立学校の夏休みは学校によって異なるが、補習・部活・研修が入るケースも多く、「夏休みは全部勉強できる」という設計は甘い。
前期を乗り越えた後、「教採に落ちた場合はどうするか」を考える時期でもある。 次年度も私立で続けるのか、別のルートに切り替えるのかを、9月中に方向性を出しておく。
Q. 私立勤務しながら教採対策ができる時間はどのくらい? 担任なし・部活なしという条件がそろえば、平日に退勤後1〜2時間、休日に2〜3時間の練習時間が確保できる。 担任あり・部活ありになると、特に4〜7月は平日の勉強がほぼゼロになる週も出てくる。 入職前に担任業務の有無と部活の担当を確認することが、1年の設計に直結する。
私立教員が教採対策を続けるのは、塾講師や非常勤と比べて難しい。 それでも続けられる人には共通した設計がある。
塾講師は午前中に自習時間を確保しやすい。 私立教員(常勤・専任)は朝から出勤するため、「朝型で論作文を書く時間を作る」か、「退勤後の夜型で続ける」かを最初に決めておく必要がある。
論作AI制作チームの元小学校教員の感覚では、退勤後1時間を固定する方が現実的だ。 朝は出勤前の準備で時間が詰まりやすく、疲弊している日は書けないという状況に陥りやすい。 一方、「退勤後の30分だけは論作文に使う」という習慣は、業務量が多い週でも守りやすい。
| 時期 | 論作文の目標頻度 |
|---|---|
| 4月〜6月(慣れるまで) | 月2〜3本(無理しない) |
| 7〜8月(教採本番) | 試験前2週間は週1〜2本で集中 |
| 9月〜12月(翌年への準備) | 月3〜4本に戻す |
| 1月〜3月(本格再開) | 週1〜2本ペースに上げる |
| 4月〜6月(直前期) | 週2〜3本(時間制限つき) |
担任を持つと授業準備・学級通信・保護者連絡で平日夜が消えやすい。 そういう週は「書く」のではなく「過去の添削結果を読み返す」だけでもいい。
論作AIの添削履歴は蓄積されていくため、「3ヶ月前の自分と今の自分でどこが変わったか」を通勤中に確認するだけでも、次に書くときの意識が変わる。
教採論作文の基礎的な書き方の枠組みは教採論作文の書き方ガイドでまとめているので、「何が良い論作文か」が分からない段階で並行して参照してほしい。
Q. 私立の仕事が忙しくて論作文を全然書けなかったらどうする? 「全然書けなかった1ヶ月」があっても、それ自体は取り戻せる。 問題は「書けなかった理由が何だったか」を把握しないまま次の月も同じ状態を繰り返すことだ。 論作AIで添削を再開するときに「前回から何が変わったか」を確認するだけで、ブランクの影響を早く取り戻せる。
結論から言う。使える。ただし語り方が命だ。
NG例 「私立で3年間担任をして、進学校の指導に慣れています」
これは「私立の仕事が得意な話」であって、「なぜ公立を目指すのか」の答えになっていない。 面接官の頭には「では公立でなくていいのでは?」という疑問が浮かびやすい。
OK例 「私立では生徒一人ひとりが進路という共通のゴールに向かって動いていますが、その一方で、進路が決まる前の段階——子どもたちが何に興味を持ち、どう社会とつながっていくかを支える教育が、公立の現場でこそ実践できると感じてきました。その部分に携わりたいというのが公立を目指す理由です」
私立での経験が「公立への志望動機を深める材料」として機能している。 この構造で語れると、面接官の印象が変わる。
論作文での使い方 私立での経験は、論作文でも素材になる。 たとえば「主体的な学びをどう実現するか」というテーマに対して、「私立校で目の当たりにした、生徒が学習に当事者意識を持つ場面」を具体例として組み込める受験者は少ない。
論作AI制作チームの元小学校教員が見てきた中では、論作AIで添削を繰り返しながら「私立での経験をどのタイミングで使うか」「具体例の分量はどのくらいが適切か」を調整していくことで、他の受験者と差別化できるケースがある。
宗教系校に勤めていた場合: 「建学の精神に沿った人間教育に共感しながら働いた」という話は面接で力を持つが、「だから公立でも同じことをしたい」につなげると宗教色が出すぎる。「人間教育という軸は同じで、公立の多様な子どもたちと関わりたい」という方向で語ると整合性が出る。
進学校に勤めていた場合: 「授業の質を追求することに集中した環境だった」という経験を語れる一方、「成績の低い子どもへの関わり方」という公立教員的な視点をどう補うかを事前に整理しておく。
系列附属校に勤めていた場合: 内部進学という特殊な進路体制の中で「子どもの自律と成長をどう支えたか」という切り口で語れると、公立教員としての視点を持っていることが伝わりやすい。
Q. 私立での担任経験は公立教採の面接で有利になりますか? 「担任をしていた」という事実より、「担任として何を実践し、何を感じたか」の方が面接での評価に影響する。 進学校や附属校では公立と文化が異なるため、経験をそのまま語るのではなく「その経験から公立で何をしたいか」を結びつける準備をしておくことが重要だ。
私立教員の求人は、一般の転職サイトには少ない。
都道府県の私学団体・協会 各都道府県に「私立学校振興・共済事業団」や「私立学校協会」がある。 これらの団体サイトに求人情報が掲載されているケースがある。 大都市圏は公式サイトで公開されていることが多く、地方は直接問い合わせが有効な場合もある。
学校法人への直接応募 規模の大きい私立学校グループは、公式サイトで採用情報を定期公開している。 「学校名 採用 教員 令和7年度」で検索するとヒットしやすい。 書類選考から始まる学校が多く、春〜夏の新年度採用に向けて11〜2月に出願が集中する。
教員専門の転職・求人サービス 中途採用や常勤講師求人を扱う教育系専門のサービスがある。 英語科・数学科・理科は求人が出やすく、国語・社会は競争が激しい傾向がある。
軸1: 担任業務の有無 教採再挑戦中に担任を持つかどうかは、1年の質を決定的に左右する。 担任業務がある場合と無い場合で、平日夜の自習時間が1〜2時間変わることがある。 「常勤講師・担任なし」という条件で求人を探せるなら、そこを優先してほしい。
軸2: 部活の担当の有無 土日が部活で埋まると、週末の論作文練習と面接準備の時間が消える。 入職前に「土日の出勤頻度」と「部活担当は必須か」を具体的に確認すること。
軸3: 教科の専門性との一致 私立は免許教科での採用が基本になる。 自分の専門教科が学校の需要に合っているかを確認する。 英語・数学・理科は需要が高く、求人の数も多い。
軸4: 通勤時間 私立の常勤講師はフルタイム勤務のため、通勤に1時間以上かかると体力的な消耗が積み上がる。 通勤時間を「教職教養の問題を解く時間」として使う設計もできるが、往復2時間超は現実的に厳しい。
軸5: 待遇と契約期間 「1年更新の常勤講師」か「期限なしの専任」かで、来年の選択肢が変わる。 1年更新の場合、翌年も教採を受けるつもりがあるなら更新してもらえるかを入職前に確認しておく。
時間の確保が4ルートの中で最も難しい フルタイム勤務に加えて担任・部活・校務分掌が重なると、平日夜の論作文練習は週に2〜3回が限界になることもある。 「教採に専念したい」というニーズとは本質的にぶつかる。
学校のカルチャーが合わないと精神的なコストが高い 私立学校は学校ごとのカラーが強い。 宗教系なら礼拝・朝礼への参加、進学校なら授業の質への厳しい評価、附属校なら内部の慣習——合わない環境では、仕事だけで消耗して勉強に回す体力が残らない。 見学や口コミを事前に確認しておくことを強くすすめる。
「教採を受けます」と言いにくい空気がある学校もある 特に専任に近い立場で採用されると、「教採を受けて出ていく可能性がある人材」として扱われる可能性がある。 最初から正直に伝えるか、伝えずに過ごすかは一概には言えないが、試験日に有給が取れるかどうかは必ず確認しておく必要がある。
二次試験の模擬授業で私立との指導法の違いが出る 公立教採の模擬授業では、学習指導要領に沿った指導法が求められることが多い。 進学校などで独自の指導スタイルに慣れていると、評価軸が噛み合わないケースがある。 模擬授業の練習を、公立の指導観に意識的に合わせる期間を設けておくこと。
Q. 私立教員として採用されるには何が必要ですか? 教員免許状(学校種・教科が合致するもの)が必須になる。 採用試験は学校ごとに実施され、書類選考・筆記・面接・模擬授業という流れが多い。 公立教採と異なり、一般的に実施時期がバラバラで通年採用の学校もある。 空きが出たタイミングで募集が始まるため、アンテナを常に張っておく必要がある。
Q. 私立と公立を両方受けることはできますか? できる。 私立の採用試験と公立の教員採用試験は別の選考プロセスなので、同時並行で受験している人は多い。 ただし私立の採用試験は学校によって時期がバラバラ(2〜3月集中の学校もあれば通年採用も多い)で、公立教採が7〜8月と重ならないことが多いため、スケジュール管理は比較的しやすい。 私立に内定をもらっておいて、翌年の公立教採に備えるという設計は現実的だ。
Q. 私立での経験年数は公立教採の評価に影響しますか? 自治体によって異なるが、「教育現場での経験がある」という事実は面接での話の深みにつながる。 経験年数そのものが加点されるしくみは多くの自治体にないが、「2年間私立で担任を経験しました」という事実が、面接での説得力として機能する。
Q. 論作AIは私立勤務中のどのタイミングで使い始めるのが効果的ですか? 着任直後の4〜5月は業務に慣れることを優先して無理しなくていい。 6月に入ったら、まず受験予定の自治体を設定して1本書いてみてほしい。 書けても書けなくても、添削結果を見ると「今の自分に何が足りないか」がその場でわかる。 まず無料で3回試せる(クレジットカード登録不要)ので、感覚をつかんでから月1〜2本のペースを続けていく設計がしやすい。
Q. 翌年また落ちたとき、私立に留まるべきか別のルートに切り替えるべきか? 一概には言えないが、判断の軸は「私立での経験を論作文・面接でどのくらい使い切れたか」と「次年度も担任なしで時間が確保できそうか」の2点だ。 私立での経験を活かし切れていない段階なら、もう1年私立で深めるのも選択肢になる。 ただし時間の確保が限界に達しているなら、非常勤や他のルートに切り替えて勉強時間を増やす方が翌年の合格確率が上がる場合もある。
私立教員ルートを選ぶのは、「覚悟が必要なルート」だと思って準備した方がいい。
現場に立てる、肩書きが続く、精神的な余裕が生まれる——という強みがある一方で、時間は削られる、カルチャーが合わないリスクがある、「教採を受けること」を言いにくい空気も出てくる。
それでも、「教員として働きながら翌年に挑みたい」という選択を否定するつもりはない。 私立での1年の経験が、論作文で使える素材になり、面接での語りに厚みを加える——そういう使い方ができれば、このルートは確実に意味を持つ。
論作AIは、忙しい1年の中でも「書いたら添削が返ってくる」というシンプルな設計で続けられる(登録後3回まで無料・クレカ不要)。 月に2〜3本のペースでも、10月から翌6月で20本以上の蓄積になる。 その履歴が、「去年の自分より確実に変わった」という手ごたえになる。
まず受験予定の自治体を設定して、1本書いてみてほしい。 無料で3回まで試せる(クレジットカード登録不要)。
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