1次試験まであと19日、二次①(集団討論+論文)まで7週間少し。
埼玉県の教採は、二次選考の構造が他の自治体とかなり違う。 多くの都道府県では「二次試験=1日または連続する数日で完結」するが、 埼玉は8/8・8/9・8/30の3回に分けて別日実施する独自の方式を取っている。
最初にこの構造を知らずに「二次の対策をしている」と思っていると、 気づかないうちに対策の抜けが生まれる。 元小学校教員として同期や後輩が受験していた頃を振り返っても、 「8/8だけ終わったから二次は終わった」と思い込んでいた人が毎年一定数いた。 そうじゃない。8/30の個人面接まで終わって、初めて二次が完了する。
この記事では、3段階の全体像と、各回で何が問われるかを最初に整理する。 自分の校種の列を確認してから、該当セクションに進んでほしい。
大前提として確認してほしいこと 埼玉県教育委員会の試験と、さいたま市の試験は別の試験だ。 さいたま市は政令指定都市として独自に教員採用試験を実施しており、 日程・試験内容・配点がすべて異なる。 受験票や募集要項に記載されている実施機関を必ず確認してほしい。
自分の校種が「いつ・何を受けるか」をまず把握することが、全対策の出発点になる。
| 校種 | 二次① | 二次② | 二次③ | 最終合格発表 |
|---|---|---|---|---|
| 小学校 | 8/8(土) 集団討論+論文+適性 | なし | 8/30(日) 個人面接(場面指導込み) | 9/30(水) |
| 中学校 | 8/8(土) 集団討論+論文+適性 | 8/9(日) 実技(7教科のみ) | 8/30(日) 個人面接(場面指導込み) | 9/30(水) |
| 養護教諭 | 8/8(土) 集団討論+論文+適性 | なし | 8/30(日) 個人面接(場面指導込み) | 9/30(水) |
| 栄養教諭 | 8/8(土) 集団討論+論文+適性 | なし | 8/30(日) 個人面接(場面指導込み) | 9/30(水) |
| 高校 | 8/2(日) | 8/17(月) | 8/18〜21 | 9/30(水) |
| 特別支援 | 8/2(日) | なし | 8/18〜21 | 9/30(水) |
※高校・特別支援の詳細は本記事では扱わない(小・中・養・栄の一般選考が対象)。
中学校受験者が最も日程が多い。 8/8・8/9・8/30の3日すべてが試験日になる。 それぞれ別々の準備が必要になるので、後回しにせず今から3段階をまとめて把握しておく方がいい。
他の自治体の対策情報を読んでいると、「二次試験=1〜2日で終わる」という前提で書かれているものが多い。 埼玉には当てはまらない。
令和9年度(2026年実施)の日程フローを整理するとこうなる。
[1次試験] 2026年7月5日(日)
└ 専門分野 + 一般教養・教職科目
[1次合格発表] 2026年7月23日(水) ※予定
[二次①] 2026年8月8日(土)【小・中・養・栄】
└ 集団討論(90点) + 論文試験(50点) + 適性検査
[二次②] 2026年8月9日(日)【中学校 実技7教科のみ】
└ 実技試験(50点)
[二次③] 2026年8月30日(日)【小・中・養・栄】
└ 個人面接(100点) ※場面指導を含む
[最終合格発表] 2026年9月30日(水)
注目してほしいのは、8/8の翌日(8/9)に実技があることだ。 中学校の実技7教科が対象の受験者は、集団討論と論文が終わった翌日にすぐ実技本番になる。 連日の試験を想定したコンディション管理が、中学校受験者には特に求められる。
試験会場は段階によって変わる。 「また違う会場かよ」と思う人もいるが、事前に把握しておけば当日の動揺はない。
| 回 | 会場 |
|---|---|
| 二次① | 埼玉大学(さいたま市桜区) |
| 二次② | 埼玉県立総合教育センター(行田市) |
| 二次③ | 埼玉大学 / 城西大学坂戸キャンパス / 文教大学越谷キャンパス / 総合教育センター ※受験者によって指定が異なる |
二次③の会場は受験者によって異なる。 受験票が届いたら必ず確認し、経路と所要時間を調べておくこと。 「8/8に行った埼玉大学だから大丈夫」と思っていたら、8/30は違う会場だったというケースがある。
二次全体の配点を整理しておく。
| 試験種目 | 実施回 | 配点 |
|---|---|---|
| 専門分野(1次) | 一次 | 100点 |
| 一般教養・教職科目(1次) | 一次 | 100点 |
| 集団討論 | 二次① | 90点 |
| 論文試験 | 二次① | 50点 |
| 実技試験(中学校 7教科のみ) | 二次② | 50点 |
| 個人面接 | 二次③ | 100点 |
| 適性検査 | 二次① | (参考点 50点) |
集団討論が90点、個人面接が100点。 この2つが二次選考の軸になる。 論文が50点で「軸の一つ」に見えるが、集団討論と個人面接に次ぐポジションだ。 論文の対策は1次と並行して仕上げておき、二次①の直前期は集団討論と適性検査の準備に振り切るというのが、 私が今この立場ならとる戦略だ。
冒頭に書いたが、もう一度だけ強調しておく。 さいたま市を受けている受験者は、この記事を対策の軸にしてはいけない。
元教員として同期の話を聞いてきた中でも、 埼玉県とさいたま市を混同して対策を進めていた人は毎年いた。 合否が出てから「あれは別の試験でした」という状況は取り返しがつかない。 受験票を今一度確認してほしい。
二次①で課されるのは、集団討論・論文試験・適性検査の3種目だ。 8/8の一日にすべて詰め込まれている。
二次①で最も重い配点が、この集団討論だ。 数人のグループで当日示されるテーマについて討論する形式になる。
配点90点という数字は、論文の50点よりも個人面接の100点に次ぐ位置にある。 二次①での勝負どころは、論文よりむしろこの集団討論だと押さえておいてほしい。
集団討論の詳細な対策(評価軸・NG行動・想定テーマ10例・模擬討論の練習法)は、 このあとのSection 3で詳しく扱う。
論文試験は60分間で800字程度の教育課題論述を書く形式だ。 配点は50点で、二次①の3種目のうち事前対策が最もやりやすい試験でもある。
論文の書き方については、既存の3記事で詳しく解説している。
この記事で論文の詳細を繰り返すとカニバリゼーションになるので、内容は上記3記事に譲る。
一点だけここで伝えておきたいことがある。 元小学校教員の立場から言うと、論文は1次対策と並行しながら「書く力」を仕上げておく試験だ。 800字を60分で書ける状態さえ作ってしまえば、論文の直前対策にかける時間は最小限で済む。 その分を集団討論と適性検査の準備に回してほしい。
直前期に論文ばかりに時間を割いて、集団討論の練習が間に合わなかった——という状況は、 配点の構造を見れば明らかに優先順位が逆だ。 論文は「仕上げておくもの」、集団討論は「直前に詰めるもの」という役割分担で考えるといい。
適性検査は択一式で実施される。 配点は参考点50点という扱いになっている。
「参考点」という言葉に安心してまったく対策しない受験者もいるが、 私が経験してきた範囲で言えば、足を引っ張らない水準を保つことは必要だ。 他の試験対策で追われる中、適性検査に時間をかけすぎるのは本末転倒だが、 試験形式と出題傾向くらいは事前に把握しておくといい。 択一式の試験は「知っているかどうか」で点差がつく部分が多い。 過去問の傾向に目を通す程度の準備は無駄にならない。
集団討論は、配点90点。 二次①(8/8)で実施される試験項目のなかで、論文(50点)を上回る最大配点だ。
形式はシンプルで、5〜6人のグループに分かれて当日示されるテーマを討論する。 時間は受験票配付段階では非公表だが、他自治体の傾向から20〜30分が目安になる。
「当日テーマ」という仕組みが曲者で、事前に正解を用意できない。 そのためか、「テーマより姿勢」を見るという採点意図が透けて見える。 元小学校教員として言うと、学校の職員会議も同じ構造だった。 テーマが何であれ、発言が多い人・否定語から入る人・最後に話をまとめようとする人というキャラクターが会議の中で確定していく。 採点官は同じ目で受験生を見ている、と思っておいたほうが準備の方向性が定まる。
1. 傾聴 — 他者の発言を「受け取った」と見せる
直前の発言者が言ったことを一文でまとめてから自分の意見に入る癖をつける。 「〇〇さんがおっしゃった△△という視点は大事で、そこに加えて…」という構造は、聴いていることを可視化する最短の方法だ。 元教員からすると、子どもが発言したときに「そうか、〜ということね」と折り返す技術と全く同じだ。 教師として自然に身についているはずのスキルを、グループ討論でも使うだけでいい。
2. 建設的発言 — 批判より代案
「それは難しいと思います」で終わる発言は、討論の流れを止める。 「難しい面もあるけれど、こういうアプローチなら現場でも動けるのでは」と続けることで、議論が前に進む。 元小学校教員として本音を言うと、批判だけして終わる人は職員室でも浮く。 代案を出す人間が現場では動きやすい。 採点官もそういう人間を求めている。
3. 時間配分 — 序盤・中盤・終盤で役割を変える
序盤(最初の3〜5分): 一番最初か二番目に発言して、「自分はこのテーマをこう捉えています」と方向性を示す。 全員が様子見で沈黙する局面をひとつ潰せるだけで、印象は大きく変わる。 中盤: 具体的なエピソードや実践例を持ち出す。 「私が学生実習で経験したこと」「ニュースで見た事例」を根拠にする。 終盤: 話が分散していたら「今出た意見を少し整理すると…」と収束させる役割を担う。 必ずしもリーダーでなくていい。 まとめ役は自然に目立つ。
4. 他者尊重 — 否定語から始めない
「でも」「違うと思います」「それは無理です」の三語は討論冒頭では封印する。 元小学校教員として、子どもの意見に「でも」から返すと子どもが黙ってしまうことを知っている。 大人の討論でも同じことが起きる。 「なるほど、一方で…」「別の角度から考えると…」という言い回しに変えるだけで、発言の受け取られ方が全然違う。
仕切り過ぎ — 司会を引き受けたかのように進行を独占すると、グループの他の人が発言しにくくなる。 採点官は「グループとして機能しているか」も見ている。
沈黙 — 発言ゼロは論外だが、発言回数が一度しかない場合も厳しい。 緊張で頭が白くなる場合の保険として、「今出た意見に補足していいですか」という切り口を覚えておく。 何も思いつかなくても、誰かの発言への同意+理由だけで一発言になる。
反論で論破狙い — 議論を「正解探し」ではなく「論争」にしてしまうタイプ。 討論は討論であって、ディベートではない。 元教員の感覚で言うと、子どもの話し合い活動でも「勝つ」ことが目的化すると場が壊れる。 同じことが二次の集団討論でも起きる。
時計を頻繁に見る — 時間管理の意識は大切だが、腕時計を何度も確認する仕草は「焦っている」「他のことを気にしている」に見える。 座席によっては採点官の真正面になる。 視線管理は意識しておく。
自分だけ早口 — 緊張すると早口になる人が多い。 グループの中で一人だけ話速が突出すると、「聴いてもらいたい」というより「早く終わらせたい」印象になる。 口を開く前に一呼吸置く習慣を、練習の段階から意識する。
以下の10テーマは、埼玉県の教育施策・学習指導要領の重点・社会的な教育課題と照合して選んだ。 テーマが何であれ「現場でどうするか」という具体策を一つ持って発言できれば、それだけで一段階上の評価になる。 元小学校教員として、以下の補足ポイントはどれも実際に職員室で話題になってきた問題ばかりだ。
1. GIGA端末を使った授業の難しさをどう克服するか
押さえるポイント: 端末が「文房具」になっているか「目的」になっていないかという問いから入ると議論が整理される。 使い方が目的化してしまうと、学びではなく操作の練習になる。 「使う場面を絞る→習慣化する→評価で活用する」という段階論を持ち込むと、具体的な案として機能する。
2. インクルーシブ教育の理想と現実のギャップ
押さえるポイント: 「全員が同じ教室にいること」がインクルーシブの目標ではなく、「一人ひとりが参加できること」が目標だという定義の確認から入る。 担任一人では抱えきれないという現実に対して、校内体制・外部連携・保護者との協力という三軸で語ると骨格が立つ。
3. 不登校児童生徒への教師の関わり方
押さえるポイント: 「登校させること」を目標に置くか「居場所をつくること」を目標に置くかで、方向性が全く変わる。 文科省の指針では後者のアプローチが強調されている点を踏まえて発言する。 オルタナティブな学びの場との連携も論点になりやすい。
4. 多文化共生学校での担任の役割
押さえるポイント: 言語支援(翻訳ツール・JSL教育)だけでなく、クラスメートへの説明・心理的安全性の担保という二方向の視点を持つ。 担任が一人で抱えず、校内のチーム対応と行政支援の活用を議論に乗せると現実的な展開になる。
5. 教員の働き方改革と教育の質の両立
押さえるポイント: 「どちらかを犠牲にする」議論は袋小路になる。 業務の「削るもの」と「仕組み化するもの」を分けるという切り口が討論を前に進めやすい。 元小学校教員として言うと、職員会議の時間短縮・分掌の見直し・ICT活用による作業効率化のどれかを具体例として持ち込むと議論が動く。
6. いじめを未然に防ぐ学級経営
押さえるポイント: 「未然に防ぐ」という問い方をされているので、発見・対応ではなく予防に焦点を当てる。 学級内の人間関係の観察・定期的なアンケート・日記・授業中の関係性の観察という手段を論点に出す。 「安心して意見が言える場」の設計が出発点になると筋が通る。
7. 保護者連携で意識すべきこと
押さえるポイント: 「連絡をとること」と「連携すること」は違うという前置きが有効だ。 日常的な小さなコミュニケーションの積み重ねが信頼関係になる。 問題が起きてから最初の電話になると、どうしても防御的な対話になりやすい。 元教員として、保護者との関係は「晴れの日」に作っておくものだと実感している。
8. 主体的・対話的で深い学びを日々の授業でどうやって実現するか
押さえるポイント: 「難しい言葉を授業に当てはめようとしている」のではなく、「子どもが本当に考えている場面を作ることを言い換えたのがこの三語だ」という理解を土台にする。 発問の設計・ペアやグループでの対話場面の確保・振り返りの仕方という実践論に落とすと議論が深まる。
9. これからの道徳教育のあり方
押さえるポイント: 道徳が教科化されたことで「評価される道徳」という緊張関係が生まれた。 子どもが本音で語れる場と、評価の対象になる場の切り分けをどう設計するかが論点の核になる。 「考え、議論する道徳」という文科省の方向性を知っていることを前提にして話す。
10. 探究学習を機能させるために必要な準備
押さえるポイント: 探究が「自由な活動」で終わって成果が出ない原因は、問い(リサーチクエスチョン)の設計が弱いことがほとんどだ。 教師の役割として「問いを立てる支援」「プロセスの可視化」「外部との接点づくり」を議論に出すと具体的になる。 学校内で一人で抱えず、教科横断・地域連携という方向性も論点になりやすい。
テーマを読んで頭の中でシミュレーションするだけでは体が動かない。 実際に声を出して、他者の発言に反応するという経験が、本番の動きを作る。
3人で集まってやる練習の手順
この流れで最低3セット(3回)をこなす。 元小学校教員として、教師の力量は研究授業と振り返りで伸びるという体感がある。 討論の練習も全く同じで、振り返りなしの反復は効率が悪い。 録音を聴くと、自分が思っているより早口だったり、発言がひとつだけだったりすることに気づける。 それだけで次の練習が変わる。
3人が難しければ2人でもできる。 相手が一人の場合は、一人が「進行役」「参加者」を交互にやりながら、互いのフィードバックに集中する。 1人でやる場合は、スマートフォンに向かって一人討論を録画して、1週間後に見返す。 恥ずかしいが、かなり効く。
二次③個人面接の日程は8/30(日)だ。 一次合格発表は7/23頃の予定なので、「合格してから準備すればいい」と考えると、実質2週間ちょっとしかない。
しかも、その2週間は二次①(8/8)と二次②(8/9実技)も挟まっている。 8/8が終わってから面接準備を始めようとすると、8/30まで20日しかない計算になる。 場面指導の引き出しは一夜漬けで作れる種類のものではない。 1〜2パターンは頭に浮かぶが、10パターンを咄嗟に出せる状態にするには積み上げが要る。
元小学校教員として言うと、場面指導の問いに対して言葉が詰まる人は、実際の教室場面を経験したことがないか、経験があっても「言語化」したことがない人が多い。 学生実習やボランティアで実際に子どもに関わった経験を持っている人でも、本番でうまく話せない理由の大半は「頭の中で整理していない」ことだ。 今から整理を始めれば、8/30には自分の言葉で話せる状態に間違いなく持っていける。
場面指導は大きく3つのシーンに分けると整理しやすい。
埼玉県の個人面接は「質疑応答(場面指導を含む)」と公式に明記されているので、三シーン全てが出うると考えて準備する。
評価軸は次の3点を意識する。 子どもへの目線 — 子どもを主語にして話せているか、指導ではなく支援という意識があるか。 教育委員会のスタンスとの整合 — 埼玉県の教育方針(「自ら学ぶ力」「ともに学ぶ場」等)と外れた方向の答えになっていないか。 教師としての姿勢の一貫性 — 前の答えと矛盾していないか、ブレていないか。
以下は「30秒の短答」と「深掘りされたときに追加で言うこと」を二段構えで用意した。 元小学校教員として「私ならこう声をかける」を必ず入れながら書いているので、そのまま自分の言葉に置き換えて使ってほしい。
1. 給食を残す子への声かけ
短答: 「どうした、お腹の調子でも悪い?」と一対一で軽く聞く。 無理に食べさせることはしない。 理由より先に「気にかけている」という事実を伝える声かけを選ぶ。
深掘り対応: 毎回残すようなら、家庭環境・食の好み・体調の問題を分けて考える。 担任だけで判断せず、養護教諭や栄養教諭に相談するルートを早めに動かす。 元小学校教員として言うと、給食の様子は子どもの体調と家の状況の両方が出やすいバロメーターで、続くようなら絶対に見過ごさない。
2. 友達同士のけんかの仲裁
短答: まず二人を引き離して、それぞれの話を別々に聞く。 どちらが正しいかを先に決めない。 「あなたはどう感じた?」という問いから始める。
深掘り対応: 両方の話を聞いたあと、二人を同席させて互いの気持ちを伝え合う場を作る。 ここで大切にしているのは、私が仲裁するのではなく子ども自身が納得する言葉を見つけることだ。 元小学校教員として、担任がジャッジしてしまうと後腐れが残ることを何度も見てきた。 子どもが自分の言葉で話し合えた体験が、次のトラブルを減らす。
3. 宿題を忘れた子への対応
短答: 「何かあった?」と個別に声をかける。 頭ごなしの叱責はしない。 理由によっては配慮が必要な場合もあるため、まず事情を聞く。
深掘り対応: 繰り返す場合は、宿題の量・内容・家庭の状況の三点を見直す。 忘れ続けることには必ず理由がある。 元教員として、宿題忘れが多い子は学習のつまずきか家庭的な課題を抱えているケースが少なくない。 必要に応じて保護者に状況を確認する連絡を入れる。
4. 保護者からの「うちの子だけ叱られた」という連絡
短答: 「ご連絡ありがとうございます。 まずお子さんの気持ちをお聞きできて良かったです。 あの場での対応について私からも説明させてください」と受け止める。 防衛的にならず、事実確認と意図の説明を丁寧に行う。
深掘り対応: 状況を客観的に話すとともに、「叱った」という言葉を使ったとしたら、その意図を誤解させてしまったことへの配慮も伝える。 元小学校教員として、こういう電話が来るときは「初めての指摘」ではなく日頃のコミュニケーション不足が背景にあることが多かった。 平時から通知表や連絡帳で子どもの様子を伝えておくことが、こうした際の保護者との信頼関係になる。
5. SNSトラブルの発覚
短答: 当事者の事実確認を先にする。 内容の拡散リスクがある場合は直ちに管理職に報告する。 被害を受けている子の安全と気持ちを最初に守る。
深掘り対応: スクリーンショット等の証拠保全の声かけを保護者にも行う。 加害側・被害側それぞれの保護者への連絡は管理職と連携して進める。 元小学校教員として、SNSトラブルは担任が一人で抱えると情報が散逸するリスクがある。 初動でチーム対応の体制に持ち込むことが最初の判断になる。
6. 不登校児童の登校再開の見守り
短答: 「おかえり」という一言を笑顔で迎える。 「なんでいなかったの」「遅れているよ」という言葉は一切使わない。 教室に入れただけで今日は十分という姿勢で接する。
深掘り対応: 再登校した日は、まわりの子どもたちへの声かけも大事だ。 からかいや過剰な注目を防ぐために、事前にクラス全体に「そっと迎えよう」という雰囲気を作っておく。 元小学校教員として、登校再開の最初の1〜2日が成否を分けると感じてきた。 スクールカウンセラーや保護者との連携も確認してから迎える日を設定する。
7. 通常学級内の特別支援を要する子への声かけ
短答: その子の「できること」から出発する声かけをする。 「〇〇はできたね、次はこれをやってみよう」という一段階ずつの進め方。 クラス全体の前での指摘は避ける。
深掘り対応: 指導計画(個別の教育支援計画や個別の指導計画)を確認したうえで、専門家や保護者と共有しながら対応を統一する。 元小学校教員として、担任一人の対応が保護者や特別支援コーディネーターの方針とズレると子どもが混乱する。 連携の確認を最初にやっておくことが、声かけの精度を上げる前提になる。
8. 学級内のいじめの兆候への初動
短答: 兆候を確認した時点で管理職に報告する。 「様子を見る」は選ばない。 当事者を特定する前に、まず事実確認の段階を動かす。
深掘り対応: 被害を受けている可能性のある子に個別で話を聞く機会をつくる。 元小学校教員として、いじめの初動で一番失敗しやすいのは「本当にいじめかどうか判断してから動こう」という迷いだ。 法律上の定義では被害者が苦痛を感じていれば「いじめ」であり、判断は担任一人がするものではない。 記録を残しながら複数で対応する体制を早急に作る。
9. 多文化背景の子への配慮
短答: 言語的なサポートと同時に、「クラスの一員として当たり前に扱う」という姿勢を持つ。 特別視することが孤立を深める場合もある。
深掘り対応: 日本語支援が必要な場合は、翻訳ツールの活用・日本語指導員との連携・保護者への情報発信(翻訳文書等)を学校全体で動かす。 元小学校教員として、外国にルーツを持つ子どもは「勉強が遅れている」ではなく「別の言語能力を持っている」という見方が担任の接し方を変える。 その子の背景を知ることが最初の一歩になる。
10. ICT端末の私的利用への注意
短答: 「今はどんな場面?」と使う場面の確認から入る。 頭ごなしの没収より、「この時間の端末の使い方」を一緒に確認する言い方を選ぶ。
深掘り対応: ICT端末のルールはクラス全体で最初に決めておくことが前提だ。 ルールがあったうえでの私的利用であれば、ルールに照らした確認を行う。 元教員として、端末の使い方への注意は一対一でやると恥ずかしさや反発が出やすい。 学級全体の振り返りとして「今日の端末の使い方、どうだった?」と問いかける形のほうがクラスに根付かせやすい。
場面指導の準備に一番効くのは、紙に書いて話す練習だ。
元小学校教員として、現職時代に若手の先生が授業準備でやっていたことと全く同じ作業だ。 「何を言うか」を文字で整理してから口に出す。 この往復が本番の言語化のスピードを作る。
二次③は8/30だが、10題のノートを作り終える目標は7/23(一次合格発表)より前に設定する。 合格発表後はグループ討論・論文の直前確認に時間を使いたい。 場面指導の土台は今のうちに作っておく。
まず、大前提として頭に刻んでおいてほしいことがある。
小学校・養護教諭・栄養教諭には実技試験がない。 二次②(8/9)の実技は「中学校で実技教科を担当する受験者」だけの話だ。 しかも中学校全体が対象ではなく、理科・音楽・美術・保健体育・技術・家庭・英語の7教科のみ。 中学校の国語・社会・数学の受験者は実技なし — 二次①(8/8の集団討論+論文+適性検査)と二次③(8/30の個人面接)だけを乗り越えればいい。
実技を受ける人も受けない人も、日程だけは間違えないようにしてほしい。 二次②は2026年8月9日(日)、会場は埼玉県立総合教育センター(行田市富士見町2-24)。 公共交通機関での来場が必須で、マイカーは使えない。 試験当日に「車で来た」では取り返しがつかない。
以下、7教科を一つずつ見ていく。
内容は「観察・実験の技能および安全指導に関する実技」。 当日指定された観察や実験を実際に行う形式だ。
携行品は白衣のみ。 薬品を扱う場面があることを前提に、長袖・きちんとボタンが留まるものを選ぶこと。
元小学校教員の私から見ると、「安全指導」という言葉が評価のポイントだと感じる。 操作が正確なのは当たり前で、そのうえで「子どもに説明する前提の安全意識が見えているか」まで問われているはずだ。 実験操作を練習するとき、ただ正確にやるだけでなく「この操作、生徒に見せるとき何に注意する?」と自分に問いかける習慣をつけてほしい。
音楽は2つの課題がある。
①弾き歌いと場面指導
課題曲は「赤とんぼ」(三木露風 作詞/山田耕筰 作曲)。 4分の3拍子・変ホ長調。
②ピアノ課題曲
W.A.モーツァルト作曲 ピアノソナタ K.545 ハ長調 第1楽章(ヘンレ版)。
楽譜の試験室への持ち込みは不可。 弾き歌いと場面指導に必要な楽譜は、埼玉県教育委員会が当日用意する。 「楽譜を手元に置いて安心する」という人にとっては厳しい条件だが、逆に言えばピアノソナタは暗譜の精度がそのまま評価に直結する。
元小学校教員の私が今から音楽の教採を受けるとしたら、K.545は今の時期から毎日弾く。 「赤とんぼ」の弾き歌いも、単に弾けるというレベルを超えて、(ウ)の場面指導と組み合わせた練習を積む。
内容は「平面および立体表現に関する実技」。 当日用意された材料で絵画等の表現を行う。
携行品は以下のとおり。
「画板・水入れは除く」という記述が試験要項にある。 画板と水入れは会場で用意されるため持参不要だが、それ以外の水彩用具は自分で揃える必要がある。
当日初めて見る課題に対応する必要があるため、「指定された素材で短時間に形を作る」練習が有効だ。 完成度より過程の意図が伝わるかどうかが評価に影響する、というのが私の読みだ。
内容は2種目。
①跳び箱運動
「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 保健体育編」71ページの「跳び箱運動の主な技の例示」に載っている「基本的な技」から、当日複数指定される。
事前に71ページを確認しておくことが必須。 中学校学習指導要領解説 保健体育編はPDFが文科省サイトで公開されているので、当該ページをプリントして繰り返し読んでおく。
②バスケットボール
ドリブル・シュートなどのボール操作。
携行品は以下のとおり。
8月9日は炎天下・高温が想定されている。 試験要項では、待ち時間は帽子・ネッククーラー・ハンディファンを使用可としているが、実技中は使用不可とされている。 脱水と熱中症対策を万全にした状態で臨むことが前提になっている試験だ。
私の知り合いに保健体育の教員がいるが、「跳び箱は技の名前と身体の使い方を頭の中で言語化できていないと、当日指定されたとき止まる」と言っていた。 技のリストを覚えるだけでなく、「この技はどこを意識する」という言語化セットを作っておくことを勧める。
内容は2領域。
①「A 材料と加工の技術」
木材を用いた製作課題。 当日配布される木材を指定寸法図に従って加工し、部材同士を直角に接合した構造体を製作する。 作業工程は「けがき・切断・切削・接合」。
根拠は「中学校学習指導要領(平成29年告示)技術・家庭(技術分野)」。
携行品は以下の工具類。
②「D 情報の技術」
当日貸し出すコンピュータを使い、計測・制御のブロックプログラミングを行う。 提示された課題を解決する、効率的かつ正確な動作のプログラムを作成する内容だ。
技術の実技は工具の持参リストが長い。 試験前日に一覧と照合して、一つも抜けがないか確認する時間を必ず取ること。 「さしがねは持った、でもげんのうを忘れた」では当日に取り返しがつかない。
また、プログラミングについては「ブロックプログラミング」なのでコードを書くわけではないが、計測・制御の基本的な考え方(センサー入力→条件分岐→出力)を頭に入れておく必要がある。
当日指定された下記2課題のうちいずれかを行う。
①布を用いた製作
手縫いとミシン縫いの組み合わせ。 具体的な縫い方として、まつり縫い・ボタン付け・スナップ付け・ミシン縫い等の基礎的・基本的な技術が問われる。 用具の安全な取り扱いも評価対象。
②日常食の調理
魚や野菜を使った基本的な調理操作。 食品・調理用具の安全と衛生も評価に含まれる。
携行品は以下のとおり。
私の同期に家庭科の先生がいたが、彼女が言っていたのは「どちらの課題になるかは当日まで分からないので、布製作も調理も両方仕上げておかないといけない」ということだった。 「調理は苦手だから布製作にしてほしい」という希望は通らない。 どちらが来ても対応できるよう、均等に練習しておくことが必要だ。
携行品のふきんが「台拭き1枚+食器拭き2枚」と細かく指定されているのも特徴的。 用途別に分けて用意しておく。
内容は3つ。
①英文の音読
与えられた英文を音読する。 発音・イントネーション・流暢さが問われる。
②英問英答
英文の内容に関する問題が1問。 受験者自身の考えに関するものが2問。 計3問を英語で答える。
③英語による場面指導
特定の場面を想定したデモンストレーションを英語で行う。
英語の実技で元小学校教員の私が思うのは、③の場面指導が一番難しいという点だ。 「英語が話せる」と「英語で教える」は別物で、教師としての立ち居振る舞いと英語運用力を同時に見せる必要がある。 場面指導の練習を日本語でやっている人は多いが、英語バージョンも事前にセリフを組み立てておくことを強く勧める。
| 教科 | 必須携行品 |
|---|---|
| 理科 | 白衣 |
| 音楽 | 楽譜持込不可(県教委用意)、暗譜で臨む |
| 美術 | 水彩用具一式(画板・水入れ除く)、素描用具(濃さの違う鉛筆数本・練ゴム等)、エプロン等 |
| 保健体育 | 運動着、体育館シューズ、履物入れ、マイナ保険証または資格確認書、タオル、水分補給用飲料、体育実技調書 |
| 技術 | さしがね、両刃のこぎり、かんな、四つ目ぎり、げんのう、作業着、作業に適した靴 |
| 家庭 | 裁縫用具一式、調理実習用白衣または長袖エプロン、三角巾、マスク、ふきん(台拭き1+食器拭き2) |
| 英語 | 特になし(持ち込み物品の指定なし) |
7月5日(1次試験)から8月30日(二次③)まで、約8週間ある。 ここをどう使うかで、二次の出来は大きく変わる。
私が今から教採を受け直すなら、この期間を4つの段階に切り分けて動く。
目的: 心身のリセット + 二次①の土台作り
1次直後の1週間は、多くの受験者が「できた/できなかった」の自己採点に追われてメンタルがぶれる時期だ。 元小学校教員の私から言わせてもらうと、自己採点の精度より「二次に向けて頭を切り替えられるかどうか」のほうがずっと重要。
| 完璧パターン(時間にゆとり) | 標準パターン(平日2h・休日4h) | 突貫パターン(平日30min・休日2h) | |
|---|---|---|---|
| 優先① | 自己採点後すぐ気持ちを切り替え、集団討論テーマを毎日1つ調べる | 自己採点を3日で終わらせ、場面指導の引き出しを週3つ作る | 自己採点は1日で切り上げ、場面指導の頻出パターン5つだけ押さえる |
| 優先② | 場面指導の想定問答を10題ストックし、声に出して練習 | 論文の型を再確認し、過去問1本を書き直して添削を受ける | 集団討論の「開場の挨拶から締めまでの流れ」だけ体に入れる |
| 優先③ | 実技対象者は練習を週2〜3回ペースで維持 | 実技対象者は携行品リストを確認し、不足品を購入 | 実技対象者は「当日の会場・持ち物・交通」を確認するだけでいい |
| 私の判断 | 場面指導に一番時間を使う。発表前に10題ストックできたら段階2が楽になる | 「論文1本添削+場面指導5題」を段階1の終わりのゴールにする | 「集団討論で沈黙しない自分」を最低限作ることを最優先にする |
目的: 集団討論を仕上げ、論文を完成形に近づける
1次合格発表(7/23頃)から二次①(8/8)まで、約2週間しかない。 この期間は集団討論と論文にほぼ全振りしていい。
適性検査は択一式で、事前対策の効果がほぼ見込めない。 ノーガードで構わない。
| 完璧パターン | 標準パターン | 突貫パターン | |
|---|---|---|---|
| 集団討論 | 週2回の模擬討論(3〜4人で実施)、録音して振り返り。テーマは不登校・いじめ・GIGAスクール等の教育時事を優先 | 週1回の模擬討論+自分の発言を録音して一人振り返り | テーマに対する「自分の立場と根拠」を一言で言えるよう準備するだけ |
| 論文 | 800字の答案を週2本書き、添削を受ける。過去問テーマで書くことを優先 | 800字を1本書いて添削。弱点に絞ってリライト | 自分が書いた過去の答案を1本読み返し、構成だけ確認する |
| 場面指導(二次③向け) | 週3題を追加ストック。8/8時点で20題まで積み上げる | 週1題。8/8時点で10〜15題あれば十分 | 追加は不要。段階1で作った5題をさらに磨く |
| 私の判断 | 「集団討論週に2回+論文週に2本」で回せば段階2を制覇できる。無理なスケジュールより継続を優先 | 「集団討論を一度でも録音して聞き直す」ことを絶対やる。自分の発言のクセが分かるだけで当日が変わる | 「最初と最後に必ず発言する」ことだけを目標に設定する |
目的: 実技対象者は仕上げの確認、実技なし校種は二次③モードに切り替え
二次①の翌日が二次②実技という日程は、元教員の私が見ても「相当きつい」と思う。 8/8の集団討論と論文を終えた翌朝に、行田市の総合教育センターへ向かうわけだ。
| 完璧パターン | 標準パターン | 突貫パターン | |
|---|---|---|---|
| 実技対象者 | 8/8の夜は前日最終確認のみ。音楽なら「赤とんぼ」を1回通し弾きして暗譜確認、技術なら工具リストを照合 | 8/8の夜は持ち物チェックと会場への行き方を再確認するだけ。翌朝に疲れを残さない | 8/8は試験後すぐ休む。翌朝に5分だけ頭を動かす |
| 実技なし校種(国語・社会・数学等) | 8/8の夜から二次③モードに完全移行。場面指導の想定問答を1題復習する | 8/8の夜は休む。8/9から二次③の準備を本格化 | 8/9は完全休養。8/10から動く |
| 私の判断 | 実技対象者は「8/8の夜に練習しすぎない」ことが大事。疲れた状態で翌日の実技に臨むより、しっかり寝て万全で臨むほうが絶対にいい | 実技なし校種は8/8が終わった瞬間から個人面接モードになれる。この切り替えの速さが二次③に直結する | 突貫パターンの人も、この段階だけは「早く寝ること」を最優先にしてほしい。疲弊した状態で試験に入るのが一番のロスだ |
目的: 場面指導・志望動機・埼玉の教育施策を深掘り
二次③(8/30)の個人面接は、場面指導を含む質疑応答。 3週間あるように見えて、実際は「どれだけ場面指導のストックを増やせるか」「埼玉の教育施策を自分の言葉で語れるか」の勝負だ。
元小学校教員の私が今受けるなら、この3週間を「場面指導10題×3周」と「埼玉の施策5つを自分の体験と結びつける作業」に使う。
| 完璧パターン | 標準パターン | 突貫パターン | |
|---|---|---|---|
| 場面指導 | 20題をローテーションして毎日2〜3題を声に出して練習。週1回は誰かに見てもらう | 10〜15題を週2〜3日練習。声に出すことを必ず守る | 頻出5題だけを徹底的に仕上げる。広く浅くより狭く深く |
| 志望動機 | 「なぜ埼玉」「なぜ中学校(or小学校)」「なぜこの教科」を別々に言語化し、1分と30秒の2バージョンを用意 | 1分バージョンの志望動機を1本仕上げて、繰り返し声に出す | 志望動機の核心を1文で言えるよう絞り込む |
| 埼玉の施策 | 埼玉県の教育振興基本計画・重点施策を3〜5点押さえ、自分の教員観と結びつける文を作る | 重点施策を2点だけ選んで、自分のエピソードと結びつける | 最新の埼玉の教育ニュース1本だけ読んでおく |
| 私の判断 | 8/9から「毎日1題、場面指導を声に出す」をルールにするといい。習慣化すれば20題ストックは難しくない | 「場面指導の練習を一人でやりすぎない」こと。必ず声に出して、週1回は誰かに聞いてもらう場を作る | 「頻出5題+志望動機1分」に絞る。何でもやろうとすると何もできなくなる |
元小学校教員として、二次の準備で一番大事なことを一つだけ言うとすれば「声に出す練習」だ。 集団討論も、場面指導も、個人面接も、頭の中でシミュレーションしただけでは本番で言葉が出てこない。 どのパターンでも、時間があれば必ず声に出すことを最優先にしてほしい。
3段階それぞれで持ち物が違う。 「前の試験と同じでいいや」と思って確認を怠ると、当日に気づいて焦る羽目になる。 元小学校教員として言えば、持ち物の確認は前日の夜1回だけではなく、 当日の朝にもう1回やることを習慣にしていた。 どんなに忙しくても所要時間は5分もかからない。
必須持ち物
特別選考で受験する人へ
現職教員などの特別選考枠で受験する場合は、勤務状況等調書の持参が求められる。 要項に記載された書類を前日までに準備しておくこと。 当日に「書類を忘れた」は洒落にならない。
会場と移動
埼玉大学(さいたま市桜区)が会場。 最寄りの南与野駅からは徒歩20分前後かかる。 当日は受験者が集中するため、バスや送迎も混雑する。 試験開始の1時間以上前に到着できるルートで動くのが安全だ。
二次②は8/8の翌日だ。 集団討論と論文を終えた翌朝に、今度は実技の会場(行田市)に向かう。 前日の疲労をどう回復させるか、コンディション管理が地味に重要になる。
持ち物は教科によって完全に異なる。 各教科の詳細は Section 5で詳述しているため、ここでは概要を整理する。
| 教科 | 主な携行品 |
|---|---|
| 理科 | 白衣 |
| 音楽 | 楽譜(「赤とんぼ」/モーツァルトK.545)、必要に応じて楽器 |
| 美術 | 水彩絵の具一式、素描用具、エプロン |
| 保健体育 | 運動着、体育館シューズ |
| 技術 | さしがね・両刃のこぎり・かんな・四つ目ぎり・げんのう(木工具一式) |
| 家庭 | 裁縫用具一式、調理白衣・三角巾・マスク |
| 英語 | 特になし(要項で最新確認) |
「楽譜は頭に入っている」だけでは足りない教科がある。 道具を忘れると試験そのものが成立しないケースもあるため、 前日夜に教科ごとの携行品リストと現物を1点ずつ照合しておくことを強くすすめる。
二次①から約3週間後の個人面接日。 持ち物はシンプルだが、受験区分によって追加書類がある。
必須持ち物
追加書類(受験区分によって異なる)
希望調書の記入欄は面接の中で話題になることがある。 記入内容と口頭での回答に矛盾が出ないよう、前日に自分の記述を読み返しておくといい。
会場について
二次③の会場は受験者によって指定が異なる(埼玉大学 / 城西大学坂戸キャンパス / 文教大学越谷キャンパス / 総合教育センター)。 8/8と同じ会場とは限らない。 受験票に記載された会場と経路を、前日に改めて確認しておくこと。
3回とも試験日は真夏だ。 スーツが基本だが、8月の埼玉は日中の気温が35度を超える日も珍しくない。
元小学校教員として実感していることをいくつか書いておく。
前日にやってよかったこと 会場までのルートをスマートフォンで確認するだけでなく、乗換案内のスクリーンショットを撮っておくこと。 当日の朝、緊張で頭が働かない状態でも、画面を見ればすぐ動ける。 それと、スーツの状態確認を前日夜にする。 ボタンが取れかけていたり、シャツにアイロンが当たっていなかったりは、当日に気づいても直せない。
前日にやらなかったほうがよかったこと 遅くまで詰め込みで勉強すること。 二次①の前日、私が担当した後輩は論文の書き直しを夜中の1時まで続けて、翌朝の集団討論でまともに話せなかったと言っていた。 前日の深夜に何かが劇的に変わることはない。 22時には布団に入る、それだけで当日のパフォーマンスが変わる。
会場の冷房と外気温の温度差
試験会場は冷房が効いている。 外が35度でも、室内は20度前半まで下がることがある。 薄手の羽織れるもの1枚をバッグに入れておくと、体が冷えて頭が動かなくなるというリスクを減らせる。
試験会場の敷地内では、通信機器の使用が全面禁止されている。 スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、録音・録画機器、すべてが対象だ。
スマートウォッチを着けたまま試験会場に入ることが問題になるケースが増えている。 当日の時計は、ふつうのアナログ時計かデジタル時計を用意しておくのが無難だ。 試験室に時計があるとは限らない。
対策を進める上で手元に置いてほしい3冊を紹介する。
埼玉県の二次選考は、集団討論(90点)・論文(50点)・個人面接(100点)の3本柱が軸になる。 このうち論文はテキスト添削で鍛えやすいが、集団討論と場面指導の準備は「どう練習するか」が見えにくい。
元小学校教員として、私がもし今この試験を受けるなら、こう使う。
まず1次対策と並行しながら、論作AIで論文を仕上げてしまう。 「800字を60分で書ける状態」を早めに作って、直前期に論文に時間を取られない体制にする。 その上で、1次合格発表後の16日間は集団討論に集中する。 集団討論のテーマを10個書き出して論作AIに渡し、論点整理とキーワード出力をさせてから、 自分の現場感覚と突合する。 「AとBの違いは何か」「反論されたらどう返すか」という問いを自分で立てて、 答えを言語化する練習の下地に使う。
場面指導も同じアプローチが取れる。 「給食を残す子への声かけ」「SNSトラブルの初動」といった場面を入力し、 想定問答の骨格を出させてから、教員としての自分の言葉に直す。 AIが出したまま暗記しても面接では通らない。 あくまで「整理の素材」として使い、自分の言葉に変換することが前提だ。
論文は1次対策と並行して論作AIで仕上げ、二次直前は集団討論と場面指導に振る。 それが埼玉の3段階構成に合った時間配分だと思う。
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