滋賀県の教採を調べていると、いくつか「あれ?」と思う点が出てくる。
まず試験の形式。 22問・40分・100点満点という構成で、内訳が教職教養10問+一般教養12問。 問題数の合計は全国的に見ても少ない部類だ。
もうひとつは「読み解く力」という言葉。 全国の参考書を読んでいても出てこない、滋賀県固有のフレーズだ。
そして不登校支援。 フリースクール利用家庭への月5,000円補助という、関西では珍しい直接的な経済支援の仕組みを2025年に打ち出している。
この3点は、滋賀県の試験と面接で確実に問われる可能性がある情報だ。 全国標準の教職教養対策だけでは、この部分が完全に抜け落ちる。
滋賀県の第一次試験の構成は以下の通り。
22問の内訳は教職教養10問・一般教養12問。 全体に占める一般教養の比率が約55%という、教職教養より一般教養が多い構成になっている。
| 項目 | 全国の一般的な水準 | 滋賀県 |
|---|---|---|
| 問題数合計 | 40〜60問 | 22問 |
| 教職教養の問題数 | 20〜35問 | 10問 |
| 一般教養の問題数 | 15〜30問 | 12問 |
| 試験時間 | 40〜60分 | 40分 |
| 1問あたり時間 | 1〜2分 | 約109秒 |
22問という少ない枠では、どの問題も落とすと響く。 教職教養10問の1問は全体の約4.5点分(100点均等配分の場合)——という重みを意識して対策する。
一般教養12問の目安として、過去の傾向から以下の分野が出ている。
| 科目 | 問題数(目安) |
|---|---|
| 国語 | 約3問 |
| 英語 | 約2問 |
| 社会(歴史・公民) | 約2問 |
| 数学 | 約2問 |
| 理科(生物・地学) | 約2問 |
| その他 | 約1問 |
一般教養12問という枠は少なく見えるが、それは「12問分は確実に得点する必要がある」ということでもある。 教職教養に偏った対策で一般教養を捨てると、全体の合格ラインに届かない可能性がある。
滋賀県の教職教養10問の分野別の内訳を整理する。
| 分野 | 出題数(目安) | コメント |
|---|---|---|
| 教育法規(教育基本法・学校教育法等) | 約3問 | 最多。条文と趣旨の理解 |
| 教育心理(発達・学習理論) | 約2問 | 人名と理論の対応 |
| 学習指導要領・教育原理 | 約1問 | 総則・資質能力等 |
| 生徒指導(不登校・いじめ対応) | 約1問 | 滋賀の施策も加味 |
| 地域・教育時事(滋賀固有含む) | 約3問 | 差がつくポイント |
10問という少ない枠に収まっているため、特定の分野を完全に捨てる余裕はない。 ただし10問の中での「地域・教育時事」3問前後は、一般参考書では対応しにくい滋賀固有の内容が含まれる。
10問の中で約3問を占める教育法規は、滋賀県の教職教養の要だ。 教育基本法・学校教育法・地方公務員法・教育公務員特例法の頻出条文を軸に、条文番号と内容の対応を整理しておく。 いじめ防止対策推進法・障害者差別解消法も近年の頻出範囲に入っている。
ピアジェ・ヴィゴツキー・エリクソン・マズロー・ブルーナーの主要5人。 理論名と人物名の対応を確実に整理しておく。 10問の試験で2問は大きい——ここを落とすと取り返しがつかない。
「読み解く力」は滋賀県の教育政策の中核をなすキーワードだ。
第4期滋賀県教育振興基本計画(令和6〜10年度)において、「読み解く力」が重点施策として位置づけられている。
一般的な「読解力」より広い概念で、滋賀県ではこれを文章だけでなく、他者の表情・しぐさ・状況から意図や気持ちを読み取る力として定義している。
教科書の文章を正確に読む力に加えて、対人場面での「相手が何を伝えようとしているか」を感じ取る力——コミュニケーションの根本にある感受性——を含めた概念だ。
この考え方は滋賀県の授業改善・学力向上施策の柱として展開されており、道徳・国語・特別活動との連動が意識されている。
教職教養の地域・教育時事問題として、「滋賀県教育振興基本計画に示されている重点施策は何か」という形で問われる可能性がある。 また面接では「滋賀県が重視している教育の方向性をどう授業に活かすか」という問いと直結するテーマだ。
「読み解く力」を言葉として知っているかどうかが、滋賀県を受けた受験生と他県の受験生の差になる。
滋賀県は不登校支援において、全国的にも注目される取り組みを展開している。
2025年3月に改定された「しがの学びと居場所の保障プラン」では、以下のような具体的な支援策が盛り込まれた。
不登校の子どもがフリースクール等の民間施設を利用する場合、その家庭に月5,000円を補助する制度を導入している。 関西地域では珍しい「直接的な経済支援」の形で、公的支援とフリースクールの連携を後押しする仕組みだ。
フリースクールや教育支援センター(適応指導教室)を「学びの場」として正式に位置づけ、そこでの出席を学校の出席と同様に扱うことを推進している。
不登校支援は全国的に教職教養・論作文・面接の頻出テーマだが、滋賀県では「自治体が独自に何をやっているか」まで踏み込んで問われる可能性がある。
「不登校の子どもへの対応として、滋賀県ではどのような取り組みが進んでいるか」という問いに答えられるかどうかは、一般参考書だけでは準備できない。
COCOLOプラン(2023年・文部科学省)と滋賀県の独自施策を両方知っておくことで、教職教養の択一問題だけでなく面接・論作文でも深みのある回答ができるようになる。
滋賀県の教育には、もうひとつの柱がある。琵琶湖を核とした環境教育だ。
滋賀県は環境学習を副読本シリーズとして展開している。 「あおいびわ湖」(低学年向け)・「あおい琵琶湖」(中学年向け)・「琵琶湖と自然」(高学年向け)という副読本が使われており、社会科・理科・総合的な学習の時間に組み込まれている。
この副読本の存在や、琵琶湖を中心とした環境教育の考え方が教育時事問題として出題されることがある。 また「滋賀県で教師になったらどんな教育をしたいか」という面接の問いに答える際にも、環境教育の文脈は有効なカードになる。
「琵琶湖という地域資源を教育にどう活かすか」——この問いに自分なりの答えを持っておくことが、滋賀県を受ける上では差になる部分だ。
滋賀県の教職教養で実際に出題頻度が高いテーマを整理した。 教職教養10問という枠に収まるため、優先順位を意識した整理が重要だ。
第1条(教育の目的)・第2条(教育の目標)・第9条(教員)・第16条(教育行政)。 条文番号と内容の対応を正確に整理しておく。
各学校種の目標、義務教育の範囲、就学義務の規定。 教育基本法と学校教育法の「どちらに何が書かれているか」の混同を防ぐ。
いじめの定義(法律上の定義)、学校いじめ防止基本方針の策定義務、重大事態への対応義務。 「学校教員向け いじめ対応リーフレット」(2024年4月改訂)の存在も押さえておく。
三層の支援構造(発達支持的・課題予防的・困難課題対応的)の新設が最大の改訂ポイント。 不登校・いじめへの対応の記述も確認する。
資質・能力の三つの柱、主体的・対話的で深い学び、カリキュラム・マネジメント。 滋賀県では教職教養10問の中で出題数は少なくても、確実に仕上げておく分野だ。
第4期滋賀県教育振興基本計画(令和6〜10年度)の重点施策。 文章だけでなく表情・しぐさを読み取る力を含めた概念として定義されている。
フリースクール利用家庭への月5,000円補助。 COCOLOプラン(文部科学省)との関係も整理しておく。
ピアジェの認知発達段階、ヴィゴツキーの発達の最近接領域、エリクソンの心理社会的発達。 10問の中で2問——落とせない分野だ。
合理的配慮の定義・提供義務、個別の教育支援計画と個別の指導計画の違い。 障害者差別解消法との関係も押さえる。
研修の種類(職務研修・職専免研修)、初任者研修・中堅教諭等資質向上研修の根拠。 地方公務員としての服務三原則も確認する。
滋賀県の一次試験は一般的に7月上旬〜中旬に実施される。 3か月前(4〜5月)からの対策を想定したスケジュールを整理する。
この段階で重要なのは、「滋賀県は一般教養が12問もある」「教職教養は10問しかない」という事実を正確に認識することだ。
やること:
一般教養12問を放置して教職教養だけ仕上げても、22問全体では届かない可能性がある。 一般教養の得点基盤を早期に確認しておくことが重要だ。
優先順位:
やること:
確実に正解できる問題を増やす最終フェーズ。
やること:
40分で22問は1問あたり約109秒。 時間的な余裕はあるように見えるが、一般教養も含めて全22問に確実に答える必要があるため、苦手科目での立ち止まりは避けたい。
「教採試験なんだから教職教養だけ仕上げればいい」という判断は、滋賀県では危険だ。 22問中12問が一般教養——全体の半分以上を占めている。
国語・英語・社会・数学・理科という幅広い科目が出るため、苦手科目があると一気に得点が落ちる。 一般教養の基本問題(高校レベル)を確認する時間を、対策の序盤から並行して確保しておく必要がある。
「読み解く力」「しがの学びと居場所の保障プラン」——これを知らずに教職教養の地域テーマ問題を迎えると、選択肢を見ても見当がつかない状態になる。
全国標準の参考書には載っていない情報だ。 滋賀県教育委員会のウェブサイトや教育振興基本計画を直接読む、あるいは過去問を通じて問われ方を確認するという一手間が必要になる。
教職教養が10問という数は少ない。 しかしそれは「10問それぞれの重みが大きい」ということでもある。
1問落とすと10点分近くが消える。 「まあ10問だから」と油断して教育心理の2問を失うと、挽回が難しくなる。 問題数が少ない分、各問題を確実に取るという意識で臨む必要がある。
滋賀県の教職教養対策を一言でまとめるなら、「22問の全体最適——教職教養10問と一般教養12問を両方仕上げる、そして滋賀固有の文脈を持つ」だ。
教職教養の10問は教育法規・教育心理を軸に、学習指導要領・生徒指導提要を加えて仕上げる。 一般教養の12問は基本問題を落とさない精度で準備する。 そして「読み解く力」と「しがの学びと居場所の保障プラン」という滋賀独自のキーワードを、教職教養の地域テーマ問題で確実に得点できる状態にしておく。
22問という少ない試験だからこそ、1問あたりの重みが大きい。 教職教養・一般教養どちらかに偏らず、全体のバランスで仕上げることが滋賀県では合格への近道になる。
近畿エリアの他県の傾向が気になる人は奈良県の教職教養対策も参考になる。 教職教養全般の勉強法については教職教養の勉強法・完全ガイドも合わせて読んでほしい。
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