※本記事は広告(アフィリエイトリンク)を含みます。
岐阜県の教員採用試験で小論文の対策をするなら、最初に押さえておきたいことがあります。
岐阜県の小論文は「第2次選考」で実施されます。 筆記(1次)を突破した受験生だけが受ける試験で、そこで問われるのは「論理的思考力」と「教師としての実践力」です。 字数は義務教育区分(小学校・中学校・養護・栄養)で640〜800字、高校・特別支援学校で720〜800字。 試験時間は60分です。
もうひとつ特徴的なのが、出題が「文部科学省の通知や指導要領との連動」という点です。 「生徒指導提要」「いじめ防止対策推進法」といった公的文書を踏まえて論述することが求められるケースが繰り返し出ています。 読んだことがない受験生と、内容を把握した上で対策した受験生とでは、準備の質が大きく変わります。
この記事では、過去5年分の出題テーマを年度別に整理したうえで、2026年度の出題予想と合格答案例を2本書きました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施タイミング | 第2次選考 |
| 字数(義務教育区分) | 640〜800字 |
| 字数(高校・特別支援) | 720〜800字 |
| 時間 | 60分 |
| 出題形式 | 教育課題型(公的文書・場面設定の2パターン) |
| 評価 | 総合評価(論理性・具体性・教師としての適性) |
2次選考という位置づけは重要です。 1次の筆記を突破した後に対策すればいい、と後回しにしていると間に合わなくなります。 論文は短期間で仕上がるものではなく、書いて→添削を受けて→書き直す、というサイクルを積み重ねるほど質が上がります。 1次対策と並行して、早めに1本書き始めることをすすめます。
論作AI制作チームの元小学校教員も「2次で小論文があると知っていても、筆記に集中しすぎて小論文がぶっつけ本番になる受験生を毎年見ていた。もったいない」と話しています。
岐阜県が公表している評価の観点は、次の3点に整理できます。
教育への情熱・使命感 「熱い考え方を説得力ある書きぶりで表現できているか」という言葉が岐阜県の評価基準に含まれています。 技術的な論理の整合性だけでなく、「教師になりたいという意志」が伝わる文章かどうかが問われています。
論理的な構成 読み手にわかりやすい文章構成がなされているか。 序論・本論・結論の流れが崩れていないか、主張と根拠が一致しているかが評価の入り口です。
字数への真摯な向き合い方 「与えられた字数を精一杯生かして論述しようとしているか」という表現が評価基準に使われています。 640字という下限を大きく下回る答案は、それだけで評価が下がります。
岐阜県の採用試験は例年、夏(7月〜8月)に1次試験、秋(9〜10月)に2次試験が実施されます。 2次試験には小論文・面接・実技(校種による)が含まれます。 1次突破後から2次まで1〜2ヶ月程度しかありません。 この間に小論文を仕上げようとすると時間的な余裕がないため、1次試験前から小論文の練習を始めておくことが得策です。
岐阜県教育委員会の公式ホームページでは過去の試験問題が公開されています。 以下は公式情報および複数の教採対策サイトで確認できた内容をまとめたものです。
| 実施年度 | テーマ概要 | 出題形式 |
|---|---|---|
| 2024年度 | 「生徒指導提要(令和4年12月)」の「いじめの未然防止教育」を踏まえ、いじめが生まれる構造・加害者の心理に触れながら、日常的に取り組むことを2つ述べる | 公的文書提示型 |
| 2023年度 | 「生徒指導提要(令和4年12月)」の「不登校対策につながる発達支持的生徒指導」「不登校対策としての課題未然防止教育」を踏まえ、日常的に取り組むことを3つ述べる | 公的文書提示型 |
| 2022年度 | 「いじめの防止等のための基本的な方針(平成29年3月)」を踏まえ、担任として学級内でいじめが発覚した後にとるべき対応を具体的に述べる | 場面設定型 |
| 2021年度 | 技術の発達や新たなニーズなど学校教育を取り巻く変化の中で、新たに求められる教師の学びの姿勢と、児童生徒の可能性を引き出すために実践したいことを述べる | 教育論型 |
| 2020年度 | 公式未確認(複数の情報源で「主体的・対話的で深い学び」「ICT活用」に関連する出題の情報あり) | — |
※テーマの表記は公式問題文を要約したものです。 ※2020年度は公式での直接確認が取れていないため、参考情報としての扱いに留めてください。 ※2019年度以前の過去問は、協同出版「岐阜県の論作文・面接過去問」シリーズで確認できます。
2021年度から2024年度の出題を整理すると、岐阜県の小論文には2つの系統が見えてきます。
① 公的文書提示型(2022〜2024年度の主流) 「生徒指導提要」「いじめ防止のための基本的な方針」など、文部科学省が公表した公的文書の一部を踏まえて論じるよう求められます。 文書の内容を知らないまま対策しても、「踏まえて」という要求に応えられません。 少なくとも「生徒指導提要(令和4年改訂版)」の主要部分は読んでおくことが前提条件になっています。
② 教育論・実践型(2021年度など) 「新たに求められる教師の姿勢とは何か」「主体的な学びをどう実現するか」という形で、教師自身の教育観と実践を論じる出題です。 公的文書への言及は必須ではありませんが、指導要領の理念(主体的・対話的で深い学び)との整合性を意識した答案が評価されやすいです。
どちらの形式でも共通しているのは、「担任として何をするか」という具体的な実践の提示を求めているという点です。 抽象的な教育論だけで終わる答案は、岐阜県の評価基準には合いません。
2022〜2024年度と3年連続で公的文書提示型が出ています。 直近の傾向から、2026年度も公的文書を踏まえた出題になる可能性が高いです。
予想テーマ(例): 「生徒指導提要(令和4年12月)」の「不登校児童生徒の理解と支援」を踏まえ、担任として不登校傾向のある児童生徒に日常的に取り組むことを2つ述べなさい。
不登校に関するテーマは2023年度にも出ており、引き続き重要施策として位置づけられています。 「学校に来させる」という発想ではなく、「つながりを維持する」「安心できる場をつくる」という視点で答案を構成することが評価につながります。
予想テーマ(例): あなたの学級でSNSを通じたいじめが発覚しました。担任として、この後とるべき対応を具体的に述べなさい。
2022年度にいじめテーマが出ており、2024年度にもいじめ未然防止の出題がありました。 「発覚後の対応」「未然防止」という2つの角度から備えておくと、どちらが出ても対応できます。
予想テーマ(例): 教師として「学び続けること」が求められています。あなたはどのような姿勢で専門性を高め、授業改善に取り組んでいきたいか述べなさい。
2021年度に出た「新たに求められる教師の学びの姿勢」系のテーマは、教員の多忙化・育成が社会的な関心を集める中で再出題の可能性があります。 「忙しいからできない」ではなく「どう確保するか」という視点が答案に説得力を与えます。
字数: 782字
【課題(2024年度想定)】「生徒指導提要(令和4年12月 文部科学省)」に示された「いじめの未然防止教育」を踏まえ、いじめが生まれる構造といじめの加害者の心理に触れながら、いじめ未然防止のために日常的に取り組むことを2つ述べなさい。
いじめは、被害者がいるから起きるのではなく、加害者が「やってもいい相手」と判断したときに起きる。 生徒指導提要が示す「いじめが生まれる構造」の背景には、周囲が傍観する空気と、やり返されないという安心感がある。 加害者の心理の根底には、自分への不安や劣等感、集団内の優位性を確保したいという欲求がある場合が多い。 つまり、「強そうな子がやられない」のではなく、「自分を出せない子が危ない」という構造をまず担任として理解しておくことが出発点だ。
この認識のもと、私が日常的に取り組みたいのは次の2点だ。
第一に、「言える」雰囲気をつくる学級経営だ。 いじめが見えにくい学級は、子どもが「言っても無駄」「言ったら自分がやられる」と判断している学級だ。 担任として、日常の小さな訴えに真剣に向き合うことを繰り返すことで、「担任は聞いてくれる」という信頼関係を積み重ねる。 具体的には、週に一度の「今週よかったこと・気になること」を書いて提出する場を設ける。 書いたことが担任だけに届く安心感があれば、声に出しにくいことも出してくる子が増える。 それを担任が一つひとつ受け取り、必要なときに動くことが、子どもが「動いてくれる人が近くにいる」という感覚につながる。
第二に、加害者の感情理解と自己表現の機会をつくることだ。 いじめを「悪いことだから禁止する」という指導だけでは、加害者側の心理的な根っこにアプローチできない。 道徳や学級活動の時間を使い、「自分が悔しいとき、不安なとき、どうしたらいいか」という感情の扱い方を学ぶ場をつくる。 「誰かを攻撃することで満たしていた何か」を別の方法で解消できるよう、選択肢を増やす指導が未然防止につながると考えている。
いじめのない学級を目指すのではなく、いじめが起きにくい関係性をつくることが、担任としての日常的な役割だ。
構成のポイント
序論: 「いじめが生まれる構造と加害者の心理」という出題の要求に正面から応えています。指導提要の内容と自分の理解を接続しています。 本論①: 「言える雰囲気をつくる」という学級経営の視点。具体的な手立て(週1回の記録提出)まで踏み込んでいます。 本論②: 「加害者の心理的根拠へのアプローチ」。禁止・罰則ではなく感情の扱い方を教えるという視点が差になります。 結論: 「いじめのない学級」という理想論ではなく、「起きにくい関係性をつくる」という現実的な目標設定で締めています。
字数: 761字
【課題(2021年度想定)】近年の技術の発達や新たなニーズなど学校教育を取り巻く環境の変化の中で、新たに求められる教師の学びの姿勢と、あなたが学校で実践したいことを述べなさい。
教師を取り巻く環境は変化し続けている。 GIGAスクール構想による1人1台端末の導入、不登校の増加、外国にルーツを持つ生徒の増加、生成AIの台頭——これらすべてが、10年前には想定されていなかった現実だ。 この変化の速さの中で求められる教師の姿勢は、「変化に遅れない学び」を止めないことだと私は考える。
まず、自分の教科の専門性を継続的に更新することだ。 中学校の数学を担当することを志しているが、「教科書の内容を教える」だけなら一度勉強すれば済む。 しかし、「なぜこの単元が必要か」「生活のどこにつながっているか」を語れるかどうかは、教師自身が問い続けているかどうかにかかっている。 具体的には、学年会・教科部会への積極的な参加と、授業研究会での実践の言語化を続けることを意識したい。 他の教員の授業を見る機会を意図的につくることも、自分の授業を相対化する上で欠かせない。
次に、生徒の現実から学ぶ姿勢を持ち続けることだ。 端末を使いこなす生徒の方が、教師よりもICTの知識が豊富なケースはすでに多い。 生成AIについても同様で、生徒は日常的に使っているが教師側の理解が追いついていないことも起きている。 「教える立場だから知っていなければならない」という自意識が、かえって学びの邪魔をすることがある。 「先生もわからないから一緒に考えよう」という姿勢は、生徒に「問うことの価値」を示す場面でもある。
学び続ける教師であることは、生徒に「考えることをやめるな」と言える教師の条件だ。 忙しさを理由に学びを止めることは、教室での言葉を空洞にすることにつながる。 学びを止めない姿勢そのものが、教師として生徒に示せる最大の実践だと考えている。
構成のポイント
序論: 変化する環境の具体例を示し、「学び続ける教師」という立場を明示しています。 本論①: 教科専門性の継続更新。「授業研究会・教科部会」という具体的な場を示しています。 本論②: 生徒の現実から学ぶ姿勢。ICT・生成AIという現代的なテーマを自然に組み込んでいます。 結論: 「学び続けること=生徒への実践」という命題で締めています。主張の一貫性が出ます。
2022〜2024年度と3年連続で「生徒指導提要」に基づく出題がありました。 文部科学省のウェブサイトから無料でダウンロードできます。 全文読む必要はありませんが、「いじめ」「不登校」「発達支持的生徒指導」に関する章は対策前に一読しておくことが前提条件です。 読まずに対策すると、「踏まえて論述する」という要求に応えられません。
640字という下限が明示されています。 639字以下は採点上の不利があります。 練習段階から「640〜790字に収める」意識を持って書くことを習慣にしてください。
岐阜県の出題文には「具体的に述べなさい」「日常的に取り組むことを〇つ述べる」という指定が繰り返し登場します。 「大切にしたいです」「取り組んでいきたいです」という意欲の表明で終わる答案ではなく、「何を・いつ・どうやるか」が見える答案が評価されます。
岐阜県の小論文対策は、公的文書の理解と構成力の両方が必要です。 論作AI制作チームが岐阜県受験者に特に役立つと挙げる2冊を紹介します。
第2次選考です。 1次(筆記)を突破した受験生のみが受けます。 ただし、小論文の練習は1次対策と並行して進めることをすすめます。 2次まで時間がないまま本番を迎えるリスクを避けるためです。
文部科学省の公式ウェブサイトから無料でPDFをダウンロードできます。 「生徒指導提要 令和4年」で検索すれば直接たどり着けます。 全体で450ページ以上あるため、「いじめ対応」「不登校支援」「発達支持的生徒指導」の章を優先して読んでください。
本論を2つに分けて、それぞれで「何をするか(行動)」「なぜするか(根拠)」「どうなるか(効果)」の3要素を書き切ることで、自然に640字以上になります。 本論を1つだけ書いて終わる答案は字数不足になりやすいです。
「個別対話を大切にする」だけでは不十分です。 「週1回・放課後・15分・1対1で話す機会をつくる」という形で、頻度・場面・方法が見えるレベルまで落とし込んでください。 採点者が「実際にやりそうか」とイメージできる粒度が求められています。
岐阜県の小論文対策をまとめるとこういうことです。
1本書いてみたけど「これが評価レベルかどうかわからない」という段階にいるなら、論作AIで添削を受けてみてください。 登録後3回は無料で使えます。 クレジットカードの登録も不要です。
論文の書き方全般は論作文の書き方ガイドでまとめています。
参考情報源
名古屋市教員採用試験の小論文(抽象題)過去問テーマを年度別に整理。500〜600字・50分の抽象題形式の特徴、体験と教育観をつなぐ構成のコツ、合格答案例2本を掲載。愛知県との違いも明記。
福島県の教員採用試験 論作文は2次試験・900字程度という形式。震災・復興教育・第七次総合教育計画を踏まえた出題傾向と、合格答案の構成・模範解答例を元教員が解説。福島県固有の論点も網羅。
北九州市の教員採用試験 論作文(小論文)対策ガイド。政令指定都市として福岡県・福岡市と完全に別試験である点を前提に、出題形式・過去問テーマ傾向・5観点の採点基準・800字模範解答・学習ロードマップを元教員視点で徹底解説。2025年度実施対応版。
合格に必要なテーマ・自治体・用語を、ハブページからまとめて辿れます。